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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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84 思わぬ発表……

第6戦富士スピードウェイが終わりました。杏香が今季二勝目の優勝です。そして結菜が2位です。彼女は目覚めてしまったようです。

 第6戦富士スピードウェイのダブルヘッダー前半戦は杏香(きょうか)の優勝で終わりました。


 他のレース結果は2位に木村(きむら)、3位に本多(ほんだ)君、4位に松島(まつしま)、5位にパンドラー、6位に谷山(たにやま)、7位に山田(やまだ)、8位に小島(こじま)…… などが入りました。


 そういう事で富士スピードウェイ近くの居酒屋さん、ふく福に来ています。


「杏香、おめでとう!」


 そう言うのは結菜(ゆいな)ですけど……


「ありがとう! でも予選から散々邪魔してくれたよね……」


「えっ、邪魔って……」


「いや小山内(おさない)さん、これは僕が指示した事で結菜は……」


 やっぱり翔吾(しょうご)さんの入知恵だったか……


「邪魔って、何のことだ」


 深田(ふかだ)GMが顔を顰めて訊いています。


「あっ、それは……」


 結菜も流石にまずいと思ったようね。


「あっ、あの深田さん、結菜は小山内さんの後ろを走っている時が一番速く走れるんですよ」


 慌てて翔吾さんが言っています。まあ、それは事実なんだろうけど……


「それならそう言ってよね! ずっと背後にいられると気になるから」


 まあ、そうでしょうね! 何をされるか判らない訳だし……


「もう、その辺で良いんじゃないかな! ライバル同士なんだから」


 私達が話をしている時オーナーが現れました。やっぱり神出鬼没です。


「オーナー、ライバルならうちのパドックに来たり、一緒に祝勝会とか可笑しくないですか!」


 私は、翔吾さんや結菜さんの今までの行動についても言いました。


北島(きたじま)君、そんなに言わないでくれ! teamSHOWGOは同じ仲間なんだよ」


 いや、そこがよく判らないんだけど……


「オーナー、私まで一緒で良かったんですか?」


 あれ、翔吾さんの背後にいる男性は…… シャツの所に…… トヨタのマーク?


「あっ、紹介しようteamSHOWGOチーフメカニックの岩崎彼方(いわさきかなた)君だ」


「えっ、チーフメカニック?」


「彼はトヨタ系の元エンジニアなんだ」


「えっ、なんでトヨタなんですか?」


 思わず杏香がそう言ってます。


「teamSHOWGOのエンジンはTOYOTAエンジンだからだよ!」


 オーナーが杏香に言いましたけど……


「えっ、トヨタエンジンの方が速いの?」


 杏香のその言葉はあり得ないです。ほぼワンメイクのスーパーフォーミュラ、実力のあるものが上位に行けるというのに……


「杏香、そんな訳ないでしょう!」


「だって、結菜がいつの間にか速くなったんだもん」


 まあ、確かに結菜さんは速くなりました。でも、あなたの所為よ、杏香!


「ホンダエンジンはM-TEC/MR-417EでトヨタエンジンはTGR-D/TRD01Fなんだけど、2機とも2000cc直列4気筒直噴ターボ550馬力だから性能は同じだ」


 楓オーナーはそう説明しますけど……


「小山内さん、君は凄く良い走りをしてる一度トヨタのマシーンに乗せてみたいな」


 ちょっと、なんてことを言うの!


「岩崎さん、杏香はホンダのチームなんだからね!」


 私は思わず言ってしまいました。


「ハハハ、すみません……」


 teamSHOWGOはオーナーといいチーフメカニックといい、なんだか変です。


「あの、食事の準備が出来ましたのでみなさんどうぞ!」


 大将から呼ばれましたので、今から杏香のプチ祝勝会です。


「小山内さんの今季二勝目を祝して乾杯!」


 えっ、皆んなのコップにはビールが、アルコールなしだよね……


「あれ、美郷(みさと)さんどうしたの?」


「これビールだよね!」


 私の顔色が変わっていたのか山口君が慌てて言いました。


「美郷さん、これはノンアルビールだから!」


「えっ、ノンアルなの?」


 そう私が訊いた時……


「にがーい! こんなのよく飲むよね!」


 杏香です。彼女は最初っからビールの苦味がダメだったような……


「大将、私はコーラが良い!」


「あっ、私も!」


 杏香も結菜もアルコールが無くてもビールは駄目みたいです。


「なんだ、君達二人はまだまだお子ちゃまだな」


 山口君はそう言うけど、一番最初にビールを飲んだ時は、みんな苦かったと思うけどね……


「ところで杏香、ゴールをした後、何故第1コーナーまでスピードを落とさずに走ったの?」


 結菜さんも気付いていたのね!


「だって、結菜が私の後方にずっといるのが気になって、途中から周回数が解らなくなって……」


 それで、スピードを落とさなかったのね……


「でも、チェッカーフラッグも振られていたけど」


「うーん、でも必死だったから判らなかったよ! 美郷さんにゴールしたよって言われて気付いたんだもん」


 流石の杏香も、今回ばかりは結菜がいたから必死だったのね。


 その時、深田GMと私は、オーナーに呼ばれました。


「どうかしたんですか?」


 私はオーナーに訊きました。


「二人には話しておこうと思ってね……」


 なにかあったのかな……


「実は、本多君のWEC移籍が決定した。彼は今シーズン限りでSFのシートを下りる」


 そうか、それじゃまたドライバーを探さないと…… F4かスーパーフォーミュラライツあたりに良いドライバーはいると思うけど……


「オーナー、新しいドライバーは……」


 私がそう言いかけた時でした。


「teamKAEDEは来シーズンは休止しようと思っている」


 オーナーからとんでもない事を言われました。


 杏香だってドライバーズチャンピオン争いにしっかり参戦出来てるのに……


「オーナー、杏香はどうなるんですか?」


 折角、杏香はダムスの育成ドライバーになったのに……


「オーナー、私達は来シーズンからどうすれば良いんです!?」


 私はなんだか路頭に迷った思いです……

teamKAEDEが来シーズン休止! とんでもない事に…… 来シーズン、私は何をしようかな……

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