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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
83/132

83 今季二勝目

杏香の前には、松島、中森、結菜と三人います。結菜が遅いので、このままだとトップ2台に引き離されそうです。タイヤ交換もしないといけないけど……

「トップ二台が入ったら、同時にボックス」


 私がそう言ったら……


「どっちを先に入れますか?」


 山口(やまぐち)君に訊かれたけど……


杏香(きょうか)を先に!」


美郷(みさと)さん! 小山内(おさない)はセカンドですよね、どうして本多(ほんだ)じゃないんですか?」


 山口君の言いたい事は解るけど……


「勝つための選択よ、チームだって速い方に賭けるわよ」


 こういう事はあまり言いたくはないけど……


「解りました……」


 山口君はそう言ったけど、解ってはくれないだろうな……


「杏香、トップ二台が入ったらあなたもタイヤ交換に入ってね!」


『了解』


「本多君はその後に交換するから」


『了解』


 本当に解ってくれたのかな……


 順位は変わらず、トップに松島(まつしま)、2位に中森(なかもり)、3位に木村(きむら)、4位に杏香、5位に本多……


 その時、一台のマシーンがピットロードへ入りました。木村結菜です。


「杏香、ボックス!」


 私がそう言った事で杏香は慌ててピットロードへ入り速度を落としました。


 取り敢えず、一緒にピットには入ったけど、teamSHOWGOのピットはうちのピットより手前にあるから、先にピットインした結菜が有利になるけど……


「OK、GO!」


 でも、先にピットアウトしたのは杏香でした。というよりほぼ同時だったので、ピットレーン出口に近い杏香がトップになる事が出来ました。


「本多君、次ボックス」


『了解』


 本多君がピットインする時、杏香はフルスロットルでスピードをあげて、結菜を引き離します。


 しかし、順位はトップに松島、2位に中森、3位にパンドラー、4位山田、そして5位に杏香、6位に木村です。


「あれ、なんで?」


 私の疑問に深田GMが答えました。


「まだピットインしてないチームがほとんどだからな、でも事実上小山内と木村が1位と2位だな」


 えっ、松島も中森もピットインしなかったの? 私はあの二人はピットインしたと思ったのに……


「あの二人はタイミングを逃したな……」


 そう、ここでタイミングをずらすと大変です。スーパーフォーミュラは、必ず一度はタイヤ交換が必要ですから……


 26LAP目に入りましたけど、あの二人はまだ、タイヤ交換しないようです。


「あの二人、粘りますね」


 小林さんも早くピットインすれば良いのにと思っているみたいだけど……


「まさか、この後雨が降るとか、それを待ってる……?」


 そう言えば、以前杏香がタイヤ交換を遅らせて雨が降って…… という事がありましたけど、まさかね。


 その時、トップの松島がピットインですが、中森はもう少し粘るようです。


 今現在、2位争いをしてるのは杏香と結菜です。まあ、事実上トップ争いなんですけどね! 中森はレギュレーション上必ずピットインしないといけない訳ですから……


 辛うじて杏香が、0.3秒結菜より上回ってます。このまま行けばトップです。本多君も4位というか事実上3位…… あーっ、もう面倒臭! 中森も早くピットインすれば良いのに……


「コースアウト! 中森がダンロップコーナーでコースアウトで止まりました」


 えっ、中森がリタイア?


「中森の奴、マシーンにトラブルを抱えていたようだな……」


 源さんがパドックに来ていました。


「良いんですか、ピットにいなくて」


 私が源さんをジッと見つめますけど……


「そんなに見つめられても困るんだけどな……」


 別に変な意味は無いです! そういうつもりも無いです。などと思ってる間にファイナルラップです。


 このままいけば、杏香は今期二勝目です。本人が一番喜んでいるんじゃないかな……


 そして、最終パナソニックコーナーを回ってメインストレートに戻って来ました。


 今、ゴールです! けど…… あれ? 杏香がスピードを落としません。


「杏香、どうしたの? ゴールしたよ! 優勝だよ」


 私がそう言うと……


『あっ…… やった!』


 なんだか、時差があったような…… 大丈夫かな。


 そのまま杏香はスピードを落として、ウイニングランです。


 杏香と結菜は1位と2位なので、マシーンをパルクフェルメに止めて計量をします。その後表彰台へ向かいます。


「イェーイ!」


 杏香は、そう叫びなから表彰台の一番高い所へ、右側に結菜、左側に本多君です。


 優勝のトロフィーを受け取った杏香は、頭上に掲げて満面の笑みです。


 あれだけ速いのにまだ、今季二勝しかしてないんですよね……


 まあ、それだけ他にも速い人がいる訳ですけどね! 認めたくはないけど、王者は中森だし、次は松島ですよね…… それに結菜も不安材料の一人に成長しました。


 そんな事を思っている間に、シャンパンファイトが始まりました。


 杏香は普通に正面にシャンパンを飛ばしますが……


 結菜と本多君は二人して、杏香にシャンパンを掛けてます。


 おいおい、嬉しいのは解るけど杏香は大丈夫なのかな、あの娘お酒弱いからな……


 そういう事で第6戦富士スピードウェイ、ダブルヘッダーの前半戦が終わりました。


 明日日曜日に後半戦の第7戦があります。


 だから、本日の反省会は無し! だと思っていたけど……


「反省会をいつもの『ふく福』でします」


 との事ですけど……


「ちょっと山口君、明日もあるのよ!」


 私がそう言いますけど……


「いや、そうなんだけどふく福の大将が、アルコール抜きで食事だけって……」


「なんでそうなるのよ!」


「それが、大将は小山内のファンになったみたいで、是非優勝を祝いたいって……」


 そういう事で、今日はプチ祝勝会です。

杏香が今季二勝目を挙げました。2位に結菜、3位に本多君、まあ、結果としては悪くないんだけど…… 結菜は覚醒したのかな……

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