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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
81/132

81 真夏のダブルヘッダー予選

予選A組が終わった時点で杏香はA組2位で、ちょっと不服のようです。

 Q1A組の予選が終わりました。結局杏香(きょうか)はA組2位に終わりました。


 杏香がトップを明け渡した相手は、team(チーム)panther(パンサー)松島祐希(まつしまゆうき)でした。


「もう、美郷(みさと)さんがボックスの指示をしなかったらA組トップだったのに!」


 Q2トップになり損ねたなら小言を言われても仕方ないけど、Q1はトップだろうが6位だろうが一緒なんだけどね……


「悪かったわね! あなたがそんな小さなプライドを持ってたなんて知らなかったわ」


 杏香は私の事をジッと見てましたけど……


「良いもん! Q2でトップになって決勝はポールスタートにするから」


 はあ…… まだまだ青いな……


 山口(やまぐち)君は杏香のマシーンのタイヤの傷み具合を調べています。まあ、問題無いとは思うけど……


「おい山口、小山内(おさない)の車輌重量はどうなっている?」


 そう声を掛けて来たのは深田(ふかだ)GMです。


「えっ、ああ、総重は685kgに設定してます」


「それって、ちょっと重くないか? あと5kgは減らせたんじゃ……」


 山口君とGMがそう話してますけど……


 (げん)さんと山口君とで話をして、5kgほどこっそり増やしたようです。ウイングの件があるので……


 杏香が知ったら大変だ……


小林(こばやし)さん、本多(ほんだ)君はどう?」


「本多さんは1分23秒前半です。今3位です」


 うん、調子良さそうね! あとはQ2で良いポジションを確保出来れば良いんだけど、杏香はポールとか言ってたかな……


 Q1終了後、すぐにQ2がスタートしました。杏香は5番手辺りを走りながら様子を見てます。


 本多君は、先頭を走っているので、この後すぐにアタック出来そうです。


美郷(みさと)さん、調子はいかがですか?」


 そう言いながら、鈴木翔吾(すずきしょうご)さんがうちのパドックへ入って来ました。


 どうしてKAEDEのパドックに来るかな……


「翔吾さん、結菜(ゆいな)さんの事見てなくて良いんですか?」


「うちのファーストドライバーなら小山内君の背後にいるよ」


 ファーストドライバーって一人しかいないでしょ!


「結菜さんもAoiにいる時から比べたら速くなりましたよね」


 私はそう訊いてみました。ちょっと嫌味ぽく聞こえたかな……


「まあ、小山内君のおかげだよ! 美郷さんからすれば余計なライバルが増えたと思われてるかもだけど」


「いや、そんな事は……」


 私の事はバレバレなのね……


「本多さん1分23秒572です」


 小林さんからタイムが読み上げられます。


「本多君も良いタイムを出してますね!」


「はい、三回くらい走ってもう少し上位にいてくれればですね……」


「小山内さんは、何か特別な事をしたんですか?」


 えっ、どうしてそんな事を…… 私は翔吾さんの顔を見ました。


「F2で、なにか特訓みたいな事でもしたのかな」


 えっと、特訓はしてないと思うけど……


「別に何もしてませんよ」


 ウイングの調整以外は……


「小山内さん1分22秒789です」


「でも、本多君よりちょっと速そうですね!」


「……」


『ピッ』


「木村さん1分23秒025です」


「結菜さんも良いポジションに着けそうですね」


「まあ彼女の場合、小山内さんに引っ張られた結果ですよ」


 そう言った翔吾さんは、モニターを見たままです。


 まあ、お互い言えないところもあるかもだけど、同じKAEDEコーポレーションの傘下なんですよね……


『ピッ』


中森(なかもり)1分22秒787です」


 ほら来た、後半戦になると、この人はいつも上位に入って来るんだよね……


『ピッ』


「松島1分22秒784です」


 これで杏香は3位…… やっぱり上手い事いかないな。


 その時、時間ギリギリに杏香と結菜がメインストレートに入って来ました。


 ひょっとしたら最後に大逆転!?


 今、ゴールラインを通過しました。


「小山内さん1分22秒794」


 結菜さんは?


『ピッ』


「木村1分23秒002です」


 結局、杏香のポールは中森と松島の二人に阻まれてしまいました。


 予選の結果は、ポールポジションに松島祐希、2位に中森勝利、3位に小山内杏香、4位に木村結菜、本多君は予選6位でした。


「杏香、私4位だって!」


 またもやKAEDEのパドックに結菜さんが来ました。


「結菜!」


「あっ、オーナー……」


 ここはオーナーとして結菜さんにちゃんと言ってくださいね、翔吾さん!


「結菜、マシーンはうちのピットに止めたんだよね」


「はい、KAEDEのピットには止めてないですよ」


 いや、そうじゃないでしょう。


「うん、それなら良いよ」


 ちょっと翔吾さん、良くないでしょう! まったく……


「はあ…… 最近の女子は速いんだな」


 そんな事を言いながら本多君も汗だくで戻って来ました。


「本多君、そんな事言ってる場合?」


 私はそう言いながらスポーツドリンクを手渡しましたけど……


「いや、参った参った」


 そう言って本多君はスポーツドリンクを飲みながら、ピットビルの方へ行ってしまいました。


 もう、決勝は大丈夫なのかな……

予選Q2が終わって、杏香の決勝は3位スタートです。杏香の背後をずっと走っていた結菜は4位スタートと喜んでいるみたいですけど……

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