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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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78 スーパーフォーミュラ後半戦

今日からスーパーフォーミュラの後半戦が始まります。ほんの少しの間だったけどF2へテストという形で行って来ました。果たして、少しはそれを活かせる事が出来るかな。

 いよいよスーパーフォーミュラ後半戦、第6戦と7戦富士スピードウェイでのダブルヘッダーが始まります。


 本日金曜日は、午前と午後にフリー走行があります。


美姫(みき)!」


「あっ、杏香(きょうか)


 そう言って二人は久し振りの再会という事で抱き合います。


「美姫なにやってるの?」


 斎藤(さいとう)さんが、杏香と美姫を見て不思議そうに訊いています。


「だって、久し振りなんだもん、ねえーっ!」


 ねえーって、杏香に同意を求めていますけど……


「ねえーっ!」


 はあ…… 結局、杏香もやるのね…… まあ、美姫さんとは意気投合って感じかしら。


 あっ、美姫さんと斎藤さんというのは、team KAEDEで契約しているレースアンバサダーで、斎藤彩女(さいとうあやめ)さんと柚月美姫(ゆづきみき)さんの事です。


 F2テスト前のレースから協力してもらってます。


「美姫、あなた達はいつからそんなに親しくなったの?」


 斎藤さんは柚月さんの事が羨ましくて仕方がないようです。元々美姫さんはレーサーとしての杏香のファンで、うちのチームでレースアンバサダーをやっていたんだけど、杏香がロンドンへ行く前にお互いに名前で呼び合おうという事になっていましたからね!


 でも……


「美姫、そろそろブースに行くよ」


「えーっ、もうですか……」


 美姫さんは斎藤さんに言われてブースの方へ行ってしまいましたけど、後ろ髪を引かれる様な感じです。


「杏香、久々のスーパーフォーミュラはどう?」


 私はちょっと訊いてみました。


「うん、何だか良い具合なんだけど、もう少しスピードが出てた様な気がするんだけど……」


 彼女はそう言って物足りなさを感じてるようです。まあF2はエンジン排気量が大きかったからそう感じるのかな、でも、ジェームズや川嶋君と一緒に走った事で何か得る物があったんじゃないかな。


「ねえ、本多(ほんだ)君も小山内(おさない)さんも少し速くなってない?」


 小林(こばやし)さんはタイムキーパーだけあって、この二人の変化に気付いたかな。


「うーん、イギリスではただ単にF2マシーンに乗って走ってただけなんだけどね」


「でも、それだけで速くなる?」


 小林さんも疑っているかな……


「でも、それだけなのよ! でも杏香は、5周走る間に川嶋(かわしま)君から周回遅れにされていたけど……」


「えっ、何でそういう事になるの?」


 小林さんも流石に普通では無いと思っているみたいだけど……


「まあ、それだけ川嶋が凄いって事でしょう」


 あっ、この発言は不味かったかな…… でも小林さんは私と川嶋君の事は知らないよね。


「美郷さんって川嶋君の事を言う時って、なんか幸せそうだよね」


「えっ、そ、そうかな……」


 やっぱりちょっと不味かったかな……


 その時、杏香がピットに戻って来ました。


「杏香、どうかしたの?」


 彼女があまりにも深刻そうな顔だったので心配になりましたけど……


「美郷さん、ウイングのスポイラーを動かす事って出来ますか?」


「えっ、スポイラー?」


 そんなの私に訊かれても……


山口(やまぐち)君、ちょっと良い?」


 私はピットの奥にいる山口君に声を掛けました。


「どうかしたんですか?」


 そう声を掛けながら山口君と(げん)さんが出て来ました。


「えっと、ウイングだっけ?」


 私がそう言った時、杏香は怪訝そうな顔をして……


「スポイラーの角度を変えたいんですけど!」


 そう言いました。


「杏香、リアウイングのフラップの事だな!」


 源さんが訊きました。


 杏香はコクッと頷きますけど……


「フラップを横にしすぎるとダウンフォースが取れなくなりますよね」


 山口君はもっともな事を言います。ダウンフォースが弱くなるとコーナーでのバランスが悪くなりかねません。


「まあ、富士(ふじ)は高速サーキットだし、角度を少しだけ横にして走らせてみようか」


 源さんがそう言うので、山口君と水上(みなかみ)君がフラップを調整しました。


「杏香、ストレートは速くなるが、コーナーではスリップしやすくなるからな!」


 源さんが説明しています。


「うん、多分行けると思う」


 杏香はそう答えますけど……


「F2はレース中にフラップの可変が出来るけど、SFではそれは出来ないから、二、三周は色々試してみなさい」


 源さんはそう言っているけど、杏香がどこまで把握出来てるかな……


 この後、杏香はピットアウトしてコースへ戻りました。


「源さん、大丈夫なの?」


 私はちょっと心配になりました。


「僕たちはドライバーの注文に安全性を考えて提供するだけだ! あとは、ドライバーの腕だな」


 ピットアウトした杏香はTGRコーナー、コカコーラコーナー、トヨペット100Rと快調に飛ばしています。


「山口さん、角度はビス二つ分だよな」


「はい」


 などと、意味不明な会話がされているけど…… でも、杏香のタイムは速いよね。


「小林さん、タイムは測ってないよね」


 ピットアウト後の周回だもんね……


「一応測っていますけど…… 結構速いと思います」


 そう話している時、杏香がメインストレートを通過して行きました。


「フラップの角度を変えただけでこんなに速くなるんですね!」


「うん、このまま操作出来れば良いけどな」


 私と源さんはそう言って杏香を見守ります。でも、杏香なら、そう思った時でした……


「小山内スピン、小山内スピン! プリウスコーナーです」


「あいつはすぐに調子に乗るから……」


 源さん、そんな事言ってる場合?


 杏香はプリウスコーナーでスピンしてコースアウトしています。まだ、決勝はおろか予選だって始まっていないのに……

杏香は、スーパーフォーミュラのスピードに、ちょっとご不満の様子。そこでリアウイングのフラップを動かして、スピードアップをする事に…… しかし、プリウスコーナーでスピンしてしまいました。

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