表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
77/132

77 入国審査

ロンドンのヒースロー空港から日本へ帰って来ました。しかし、入国する前に審査があります。

 あーっ、到着! 今入国審査が終わり日本へ帰って来ました。本多(ほんだ)君はすでにバゲージクレームにいました。


「あれ、杏香(きょうか)は?」


「えっ、美郷(みさと)さんと一緒じゃなかったんですか?」


 私も本多君もお互いにそう言いますけど…… あれ、杏香は私達より先に審査を受けていたと思うけど……


「あいつ、何かあったのかな? 例えば知らない人から荷物を預かったとか……」


 いやいや、今まで一緒だったんだから…… そう思いましたけど……


「あの、北島美郷(きたじまみさと)さんいらっしゃいますか?」


 空港スタッフの方から声を掛けられました。


「はい、私ですけど」


「すみませんが、お連れの方が……」


 あの娘はまた何かやらかしたのかな……


 私はスタッフの方と一緒に入国審査のところまで戻りました。


「あっ、居た!」


 もう、何してるのよ! 何にか警備の人に言われているようですけど……


「杏香、なにしてるの?」


「美郷さん、酷いんですよ! お土産のお酒を持って帰っちゃ駄目って!」


「えっ!」


 そこにはウイスキー、ブランデー、ワインなどのお酒が十本くらい並んでいます。


 確かお酒の持ち込みは三本くらいじゃなかったかな……


「君ね、お酒の免税点は三本までなんだよ、それに君は未成年だよね!」


 そりゃまあ、未成年者がお酒を十本も持ち込もうとすれば止められるよね……


「あなたが保護者ですか?」


 警備員の矛先が今度は私に向けられました。


「あっ、すみません…… どうもお土産に買った物みたいで……」


「でもね……」


「すみません、オーバーした税金はお支払いしますので、許可して頂けませんか?」


 警備員は私の顔をジッと見てから……


「とか言いながら、この娘も一緒に飲むんじゃないの?」


 それってあなたの決めつけじゃん! と言いたいけど、そこは我慢をして……


「この娘は、アルコールの匂いを嗅いだだけで顔が赤くなるくらい弱いんです。試しにやってもらっても構いません」


 私がそう言うと、別にそこまではしなくても良いという事でオーバーした税金を支払って何とか入国する事が出来ました。


 その後、私と杏香はバゲージクレームまで戻って来ました。


「あっ、美郷さん、荷物はこれだけですか?」


 本多君が手荷物を預かっていました。


「あっ、これは私の!」


 はあ…… 預けた手荷物は揃っているようです。


「おまえは何をしてたんだ!」


 本多君もちょっとお冠のようです。まあ、15時間くらいのフライトでクタクタな訳だから仕方ないかな……


「だって、山口さんと小林さんにお土産を頼まれていて、折角成田まで持って帰って来たのに……」


 はあ…… 原因はあの二人か……


「それで、何を買ったんだ」


 そこは本多君も気になるところです。杏香はお酒の入ったバッグの中を見せますけど……


「これ、スコッチじゃないか!」


 その他にも、アルマニャクのドメーヌ・ド・ベダなど、有名どころのウイスキー、ブランデー、ワインがありました。


「杏香、よくこれだけ買えたね!」


「あっ、それは…… 山口(やまぐち)さんや小林(こばやし)さんに餞別を貰っていたので」


 あの二人はお酒の為なら金に糸目をつけないというタイプなのかも知れません。


「あの二人も俺と美郷さんに話していれば、三人で九本デューティーフリーで買えたのにな……」


 まあ、追加税金分は後で徴収するとして、注意だけはしておかないと、本当の事を言うと十本のうち七本は没収されていたかも知れないんだから……


 そんなハプニングもありましたけど、何とかチームのガレージに戻って来れました。


「あっ、お帰りなさい! 美郷さん」


 最初に声を掛けてくれたのはチーフメカニックの山口君です。今から私に怒られるなんて、夢にも思ってないよね……


「山口君、お土産を頼むのなら私達にも言ってよね!」


「えっ、なにかあったんですか……?」


 山口君は澄ました顔で言いますけど……


「杏香にお酒のお土産を頼んだでしょ!」


「はい、小林と二人で」


 うん、罪は認めるのね、まったくこの二人は何も知らないのかな……


「免税でお酒を持ち帰れるのはひとり三本までなの!」


「えっ、そうなんですか……」


「ええ、だから杏香は入国審査で止められたんだから」


「えっ、それじゃお酒は没収されたんですか?」


 うーん、ここは没収された事にしたら面白いかな……


「追加の税金を払って、持って帰って来ました」


 私がそう言うと、山口君は女神様でも見るような顔で……


「あっ、ありがとうございました。追加の税金はお支払いいたします」


 まあ、山口君も免税に関する事は知らなかったのかな……


「追加の税金って、消費税ですよね!」


 そう言いながら小林さんが、話に加わります。まったく、そんな訳ないでしょう。


「あのね、海外から輸入してるのと同じ事なんだから! 関税が掛かります。あとお酒は酒税も掛かります。それと消費税ね」


「えっ、そんなに掛かるんですか!」


 この二人は本当に何も知らなかったのね、まあお土産ならという事でお酒も三本までは関税、酒税、消費税を免税にしましょうってことだよね!


 あと、葉巻やたばこ、香水なんかも確か制限があったと思います。


 私もクリスチャン・ディオールの香水を買ったけど、日本で買うよりお得だったもんね! 1個しか買えなかったけど……


 まあ、無事日本へ戻る事が出来ました。

免税点については物によって色々です。お酒は750mlが3本、葉巻は50本紙巻たばこは200本、香水は2オンスまでなどです。美郷は知ってたみたいだけど、杏香は良い勉強になったかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ