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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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72 初めてのF2マシーン

これからF2のマシーンに乗るため、杏香は川嶋秀樹にある程度の操作を教えてもらっています。ちょっと困惑しているけど大丈夫かな……

「うん、それは六枚のパドルで操作するから」


「えっ、パドルが六枚もあるの?」


 杏香(きょうか)はちょっと困惑してるけど、今回のテスト走行は大丈夫かな…… それと別行動の本多(ほんだ)君が気になりますけど……


「えっと、まずは上段のパドルだが……」


 杏香の事は取り敢えずスルーな訳ね……


「DRSと言ってリアウイングのフラップを動かして空気抵抗を低減させる事でスピードアップするんだ」


「えっ、なに? DRSってなに?」


 流石に杏香も戸惑っているようね、まあ私も解らないけど…… 杏香、大丈夫かな……


「DRSはDrag Reduction Systemの略で…… 要は、SFのオーバーテイクみたいな物だ」


「えっ、何秒くらい使えるの?」


「時間制限は無い! 但しコースで使える場所が決まっていて、前のマシーンと1秒以内の差であれば無制限に使える」


「えっ、それ凄い!」


 杏香はもうすぐにでも試してみたい欲求に駆られてるね!


「DRSを使えるのは大体ストレートだけだ!」


「カーブとかは使えないのね」


「本来、リアウイングはダウンフォースを得るための物なんだストレートでも下手するとマシーンが浮き上がろうとするかも知れない」


「そっか……」


「次に中段のパドルがギアミッションだ。左がギアダウン右がギアアップだ」


「これもSFと同じだね」


「最後に下段のパドルだが、クラッチだ! 左側が完全に切れている状態で、右側はチームによって調整がされている。詳しくはNGだ」


[ヘイ、ジャパニーズガールシートに座ってみてくれ]


 一応英語で言ってるんだけど、杏香は理解出来たみたい。


「どうだ! ペダルに足は届くか?」


「うん、アクセルもブレーキも大丈夫だけど、前が見えない」


 川嶋(かわしま)君が通訳でメカニックの人と話しています。


[これでどうだい、ジャパニーズ!]


 もう一度、マシーンのシートに座ります。


「うん、大丈夫! ねえ、走っても良い?」


 そういう事で、スターターでエンジンを掛けてもらいました。


[サラ、コースに出して良いかな?]


[良いわよ!タイムは私が測るから]


 どうやら準備は整ったようです。


小山内(おさない)、最初はゆっくりだ。2周目がアタック、これを2セットだ」


「うん」


 そう返事をしてピットから出ようとしたんだけど……


『ブォン、プスンプスン、ストン』


 えっ、なに……


「ごめんエンストしちゃった」


 ハハ、やっちゃったね…… メカニックとタイムキーパーの彼女も笑ってるよね……


「はあ…… いいか、左下のパドルでゆっくり合わせろ! 本来は調整された右を使うんだけど、調整が難しいからな」


 川嶋君がそう言っている間にメカニックの人にもう一度エンジンを掛けてもらいました。


 そして、杏香はゆっくりとマシーンを動かしてピットレーンからコースへ出て行きました。


「まあ、いきなりF2は無理かな……」


 川嶋君はそう言うけど、あの娘の事だから2、3周も走れば慣れると思うけどね!


[今からアタックするわよ]


[うん、あまり期待は出来ないけど計測を]


 しかし、川嶋君達の予想に反して杏香の走りは凄く良くなりました。


[今走っているのは誰だ!]


 もう一人パドックに姿を現した男が……


「She's a cute woman!」


 その男は、そう言って私の前まで来ました。


 それに気付いた川嶋君も、私の側に来ました。


[ジェームズ、彼女には手をださないでくれ!]


[なんだ、おまえの女か秀樹(ひでき)……」


 そう言って、男はピットの方へ行きました。


[ピーター、俺のマシーンも回してくれ]


 ひょっとして、あれが川嶋君のチームメイト……


[あの男には気をつけた方が良いわよ! えっと、英語解るんだっけ?]


 タイムキーパーのサラっていう女性からそう言われました。まあ、少しは解るけど……


 そんな話をしている時、その男はピットレーンを通りコースへ出て行きました。


 そのタイミングは、丁度杏香が通り過ぎた後だった為、その男は杏香の背後にピッタリと着きました。


[サラ、あいつのタイムは?]


 そう、杏香の一回目のアタックですけど……


 サラは、目を丸くして驚いています。


[1分40秒128!]


 慣れないマシーンで、最初のアタックなのに、まあ、ビギナーズラックもあるのかな……


 その杏香のマシーンを背後から抜きにかかるあの男だけど、杏香も負けてません!


「まったく、気の強いお嬢さんだ。何処まで速くなるつもりなんだ!」


 川嶋君も少しは脅威に思ったのかな…… 結局杏香は、コース裏のハンガーストレートで抜かれてしまいましたけど、杏香もジェームズのマシーンの背後にずっと着いていました。


「おい、ボックスしろ!」


 取り敢えず、最初のテストは終わりです。


 杏香がピットへ戻った時、ジェームズが杏香のマシーンの側へ行きました。


[クレージーな走りをするようだな!]


 杏香はそんな男を無視して、ピットに着くなりヘルメットを取りました。


[おまえ、女なのか!]


 ジェームズは、ヘルメットをとった杏香を見て驚いていました。

初めて体験したF2マシーンだったけど、杏香はとても楽しかったようです。途中一台のマシーンが乱入して来たけど、彼は杏香が女だった事に気付いて驚いていたみたいです。

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