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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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68 もてぎの宴会

もてぎのレースが終わりました。レースが終わった後も色々とあります。今回はその辺を簡単に書きました。

 第5戦モビリティリゾートもてぎのレースが終わりました。これでスーパーフォーミュラ前半戦が終了です。


 ドライバーズポイントでも順位の変動がありました。


 トップは64ポイントで中森勝利(なかもりしょうり)ですが、2位に57ポイントで小山内杏香(おさないきょうか)です。3位に55ポイントで本多浩孝(ほんだひろたか)4位に53ポイント松島祐希(まつしまゆうき)です。木村結菜(きむらゆいな)さんも4ポイント追加して5ポイントになりました。


「杏香、マシーンをパルクフェルメに持って行ってね!」


『了解』


 パルクフェルメとはレース終了後、マシーンを保管する場所です。検査が終わるまではチームスタッフもドライバーも立ち入り禁止となります。


 レース終了後の車検は、上位十名のドライバーとマシーンが主に対象となります。レース前同様マシーンの重量とドライバーの体重を測ります。他にもエンジンやブレーキなどレギュレーションにそって検査されますが、杏香のマシーンは勿論問題なかったようです。


 その後、表彰台でシャンパンファイトです。まあ、真ん中に立つのが一番良いんだけど、今日はその隣で辛抱です。


 一方、本多君がエンジントラブルで止まってしまったので、メカニックは原因究明をしなければいけません。


「本多君、すまない……」


 山口(やまぐち)君がそう言って本多君のそばへ行きました。


「気にするな、俺の乗り方が悪いのかも知れん。だから小山内は壊れなかったからな」


 まあ、一度名古屋に帰って二台とも調べないとね、杏香のマシーンも本多君のマシーンも同じセッティングなんだから…… それにしても本多君は大人の対応だね、鈴鹿の時とは大違いです。


「それじゃ、七時に居酒屋しらいしに集合でお願いします」


 チーフメカニックの山口君、いや宴会部長の山口君から宴会(はんせいかい)の連絡事項があり、第4戦、第5戦のモビリティリゾートもてぎのダブルヘッダーが終了しました。




 私と杏香は、七時前に居酒屋しらいしに到着しました。


「山口さんはまだ来てないみたいですね」


 本来なら一番に来てるはずなんだけど可笑しいな……


「そうね、もう来ると思うけど……」


「あっ、北島(きたじま)さん! (かえで)オーナーは?」


 鈴木翔吾(すずきしょうご)さんです。


「まだじゃないかしら、翔吾さんはどうしてここに」


「オーナーに呼ばれたんですよ! 結菜と一緒に」


 またあの人は何を考えているのか……


「やあ翔吾君!」


 そう話していたら楓オーナーが現れました。


「楓オーナー、ご招待ありがとうございます」


「いや、君のところもこの大会でポイントが付いたでしょう」


「はい、でも今日までTeam Aoiだったから、正式には七月の富士からです」


「うん、しっかり頑張ってくれよ! 次のプロジェクトのためには、君のところに頑張ってもらわないといけないから」


「えっ、あっ、はい……」


 次のプロジェクト? まあ、今の返事だと翔吾さんも何も知らないようね……


「オーナー、何をするつもりですか?」


「うん、北島君か…… 小山内さんの事、もっと速くしてくれよ!」


「はい、そのつもりですけど……」


 なんだろう? 今のやりとりは……


「あれ、杏香は?」


 さっきまで私の側にいた杏香ですけど…… あっ、彼女は私の背後の椅子に座って楽しそうに結菜さんとお喋りをしていました。


 そんな事をしている時、うちのメンバーが集まって来ました。


「お疲れ様でーす!」


 山口君はアルコールも入っていないのにテンションマックスです。いや、もう入っているのかな……


「あっ、全員揃ったかな?」


 山口君ではなく、オーナーがみんなに声を掛けました。


「あっ、取り敢えず今シーズンも前半戦が終わりました。七月から後半戦が始まるけど、今のところドライバーズランキングでも2位と3位に入っています。後半もこの調子で行ってもらいたい。特に本多! 期待しているからな」


 オーナーがそんな事を言ったから、杏香はちょっと機嫌が悪そうです。何故ならランキングでは杏香が2位な訳ですからね!


「それじゃ、深田GM乾杯をお願いします」


 そんな感じで宴会(はんせいかい)が始まりました。本多君の隣には斎藤さんがいます。杏香の隣は柚月さん、ここは杏香推しのファンという事ですけど……


「あっ杏香、パスポートを準備しとくのよ!」


「えっ、何故?」


 はあ…… やっぱりこの娘は忘れてる。


「テストが終わったらイギリスでしょう」


「あっ、そうか…… それで、パスポートってどこで貰えるんですか?」


 杏香は行政の事はあまり知らないんだね……


「名古屋では、県の旅券センターで申請しないとダメよ」


「申請? ですか……」


 杏香は不安そうですね、まあ初めてなら仕方ないかな。


「一緒に行ってあげるわよ! 私ももうすぐ期限が切れるから」


「えっ、期限ですか?」


 はあ…… 酒の席で話す事じゃ無いわね。


「明日一緒に行きましょう」


「はい」


「海外旅行ですか?」


「ううん、イギリスのF2のチームに呼ばれてるの?」


「えっ、凄い! ステップアップするんですか?」


「えっと……」


「柚月さん、そうじゃなくてテストに呼ばれているだけ」


 はあ、杏香もちゃんと説明しないと……


「でも、呼ばれてるのはそういう事じゃ?」


「そんな簡単じゃ無いわよ! F1予備軍のドライバーがF2には沢山いるんだから」


「じゃあ、何故よばれたんですか?」


「よく判らないけど、スーパーフォーミュラも海外では話題なのかもね!」


 まあ、スーパーフォーミュラからF2になってF1へステップアップしたドライバーは多いみたいだし……


 ただ、今回の件は微妙なんだよね……


「杏香さん、飲みましょう!」


「えっ、私は……」


 柚月さんは少しはいける口なのかな?


「柚月さん、杏香は飲めないから勧めないでね!」


「じゃあ、食べましょう!」


 そんな感じで、本日の宴会(はんせいかい)も終わり、翌日名古屋へ戻ります。

teamKAEDEでは、レース後は必ず反省会という名の宴会があります。他所のチームもやっているかは、判りませんけど…… でも、こういうのは、コミュニケーションを取るためには必要な事だと思います。

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