表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
65/133

65 楽しく走るとは……

 昨日はドライバーズポイントの件で話が盛り上がりました。でも、杏香と松島が同じ42ポイントで3位という事です。取り敢えず今日勝って単独3位で折り返したいですね!

 日曜日、スーパーフォーミュラ第5戦、モビリティリゾートもてぎでのダブルヘッダー2戦目です。


 昨日の第4戦は、何もかもが上手く行ったような感じで本多(ほんだ)君と杏香(きょうか)のワンツーフィニッシュで終われました。


 今日も、そんな感じで行ければ良いんですけどね!


「よお小山内(おさない)、昨日は楽しかったな!」


 本多君は朝からご機嫌です。


「本多さん、まだお酒が抜けて無いんですか?」


「馬鹿野郎! そんな訳無いだろう」


 まあ、そうですよね! 今から車検なんだからそれじゃ困ります。


 今日も昨日と同様レース前と決勝レース後に車検です。今からマシーンの重量を計ります。


「バラストは前回と同じか?」


 山口(やまぐち)君と深田(ふかだ)GMが話しています。


「前回より2kg減らしています」


「大丈夫なのか?」


「はい、計算上プラス3kgだからレース後でも677kg以上になるはずです」


 そう話をしている二人のもとへ(げん)さんが来ました。


「どうだ!」


(ひで)ちゃん、681kgで4kg余裕があるから大丈夫だ」


 あれ、プラス3kgに設定したんじゃ……


「マシーンが608kgでバラスト19kgと杏香の装備込みの体重が54kgだ」


「うーん、嬢ちゃんはどれだけ痩せているのか……」


「秀ちゃん、それ以上の詮索はやめてくれ」


 まあ、源さんにしてみれば娘の体重に関わる秘密事項だからね!


「解った! それで、本多は問題ないのか?」


「あいつは大丈夫です。というか、もう少し減量しても良いんじゃないかと思うくらい……」


 源さんもそこはよく見てるな……


「本多君は昨日も沢山食べて沢山飲んでるから」


 山口君、褒められる事じゃないからね……


「しかし、来シーズンが不安だな、オーナーは何を考えているのか……」


 来シーズン? オーナーはまた何をやらかそうとしてるのか……


「GM、そこは慣れしかないと思います」


 まあ、山口君の言う通りあのオーナーと付き合うには慣れが必要なのかな……


 この後、予選Q1A組が始まります。今日の杏香はB組ですけど、メンバーが凄い事に……


「何故、中森(なかもり)さんとか松島(まつしま)さんがB組なの?」


 まあ、杏香が愚痴りたくなる気持ちは解るけど……


「仕方ないでしょう、くじで決めてるんだから」


「うーん、本当にそうなのかな…… そっちの方が面白いからって主催者が調整してるんじゃ……」


 いや、それは無理でしょう。


「杏香、谷山(たにやま)もB組だからね」


 私が何気にそう言いましたけど……


「あっ、谷山さんは大丈夫、問題ないから」


 何だか杏香に相手にされない谷山が可哀想に思えて来た。


「おい杏香、回して良いか!」


 水上(みなかみ)君がエアースターターを準備して杏香に訊いてます。


「ちょっと待って! 今、Q1A組が始まったばかりだから、もう少し後にして」


 という事で、杏香は私の横で本多君の走りを見ています。


「杏香、あなた大丈夫? ちょっと痩せたっていう事だけど」


「痩せたというより、身体を絞って引き締めた感じです」


 彼女は私の問いに苦笑して答えました。


「でも、体重は落ちたんでしょう!」


「はい、でも筋肉は増えてますので」


 杏香は自信たっぷり言います。まあ、大丈夫かな……


「1分31秒682トップです」


 本多君今日も絶好調のようね!


耕太(こうた)、やっぱり回して!」


 杏香も動き出しました。もう、居ても立っても居られないようです。この分だとまた優勝出来るんじゃないかな…… まあ、そんなに甘くはないか……


 A組は本多君が2位でパンドラーがトップでQ1を通過しました。


 続いてQ1B組のマシーンがコースへ出て来ました。今回はここで勝った者が優勝するんじゃないかと思えるくらいのメンバーが揃っています。


 まずは、中森、松島、この二人は今のスーパーフォーミュラを引っ張って行っていると言っても過言はないでしょう。


 おまけに谷山もいます。杏香は問題ないと言ってたけど……


 今、Q1B組がスタートしました。中森も松島も最初の一周は様子を見ているようです。


 杏香はワニのしっぽのヘアピンカーブを通過したあたりからスピードを出して来ました。


「杏香がどう動くかだけど」


「あいつの事だから、いきなり良いタイムを出すんじゃないか」


 Q1A組を終えた本多君が私の側で杏香の走りを見ています。


「本多君としては杏香は強敵なの?」


 私は、ちょっと意地悪な質問をしました。


「そうだな…… チームメイトで良かったと思うよ」


 そんな事を話している間に杏香は1回目のアタック開始です。


「あいつの走りは他の奴とは違うんだよな……」


 本多君がポツリとそんな事を……


「どういう事?」


「普通予選ていうのは、決勝で少しでも前からスタートしたいから必死に走るのに、あいつは楽しんで走っている…… あいつが苦しんで走っている姿は見た事ないと思う」


 本多君もそんな感じで杏香の事を見てたんだな……


「でも、中森や松島がB組にいるって愚痴ってたわよ」


「いや、それは俺も愚痴りたくなるよ」


「でもさ、Q1は6位までに入れば何位でも良いんじゃないの?」


「まあ、そうなんだけどな」


「小山内さん1分31秒402トップです」


「はあ…… あいつは簡単にベストタイムをたたき出すんだよな……」


 そんな感じでQ1B組は杏香がトップ通過しました。

杏香は同じB組に中森と松島がいると愚痴っていたわりにB組トップでQ1を通過しました。やっぱり杏香は楽しく走れれば良い結果がついてくるような感じです。ようわからん……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ