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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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60 ダブルヘッダーQ1

車輌重量が規定以上取れていなかったため、バラストを増やされてしまいました。

キャビン後部のモノコックの中に入れましたけど、色々と支障が出ないと良いけど……

 第4戦モビリティリゾートもてぎ、FP2フリー走行が始まりました。ここでは2レース制なので、本日金曜日は午前と午後のフリー走行のみが行われ、明日から予選と決勝が行われます。


「あれだけキャビンの中を整理した訳だから問題無いと思うがな!」


 (げん)さんが言ってるのは、バラストをキャビン後部のモノコックの中に詰め込んで運転しやすくした事を言っています。


「でも、杏香(きょうか)は何故痩せたんでしょう…… ずっと、筋トレしてたんでしょうか?」


 私は源さんに訊いてみました。


「あっ、美郷(みさと)さんは一緒じゃなかったんですか?」


「えっ、何がですか?」


「うん、ここのところプールでずっと泳いでいたみたいですよ」


「筋トレじゃなかったんですか?」


「筋トレも少しはしてたみたいですけどね」


 そうか、泳ぐのは全身運動になるからそれでかな……?


本多(ほんだ)君、1分32秒462です」


 本多君は上場ね!


小山内(おさない)さん1分32秒829です」


「うーん、ちょっと微妙ね……」


 私が眉を顰めて、微妙な顔をしてると……


「バラストが動いているのかな」


 源さんもちょっと心配してるかな……


「杏香、何か支障はない?」


『えっ、どうして?』


 私は心配になり無線を入れましたけど……


「うん、ちょっと遅いかなって……」


『じゃあ、今度の周回は本気で走るから』


 はあ! 本気じゃなかったんかい……


 私だけじゃなく隣で源さんも溜息を吐いていました。


「マシーンにブレは無い! バラストが動いている感覚はない?」


 私は一応訊いてみました。


『うん、快適だよ! 全然問題ないよ』


 だったら本気で走りなさいよ! フリーだからって手を抜かないの! 私はそう言いたい気持ちを抑えました……


「それじゃ、次の周回はベストタイムが出るのかな」


 私はちょっとだけ意地悪な事を言ってみましたけど……


『うん、頑張ってみるよ!』


 だって! 本当、自由だよね……


「美郷さん、なんか、すんません」


 源さんが私に頭を下げています。


「いえ、私はなんとも思っていませんので……」


 なんだか源さんにも気を遣われてしまいました。


 その後は、杏香の走りが良くなったように見えます。


「小山内さんのタイム1分32秒458です」


 もう、やれば出来るじゃない。


 その後、FP2フリーは終了しました。いよいよ明日から予選と決勝が始まります。




 翌日土曜日、九時二十分からQ1A組が行われます。


「おい杏香、急げよ! 今日はA組なんだろう」


 水上(みなかみ)君が早く準備するように言ってます。というのも予選の組分けで本多君がB組を引き当てたため、杏香がA組で走る事になっています。


「うーん、なんか調子狂うんだよね……」


「A組もB組も大して変わらないでしょう」


 私はそう言いましたけど……


「美郷さんは走らないから判らないんだよ! 先行で走るのは私、初めてだし……」


 なんとなく可愛く言っているけど…… そんな事言ってる場合じゃ無いんだけど。


「とにかく、コースへ行きなさい」


 そういう事で、杏香は渋々コースへ出て行きましたけど…… 先行だろうが後行だろうが、そんな事で調子を悪くしてもね……


 私がそう思っている時、予選Q1A組が始まりました。


「B組は結構余裕があるんだな」


 本多君がそう言いながら私の横にいます。


「準備はいいの?」


「A組が終わったらエンジン回して行きますよ」


 もう、うちのドライバーは呑気なもんだわ!


「小山内さん1分31秒753でトップです」


「あいつ、いきなりだな」


 はあ…… 調子が狂うとかなんとか言ってた割にトップのタイムを出してるじゃない!


「本多君は徐々にタイムを上げて行くタイプだけど、杏香はいきなりなのよね!」


「はっ、レース前に言ってる事と違うじゃねえか!」


「杏香は、マシーンに乗るとスイッチが入るんじゃない!」


「ふん、便利な奴だ」


 本多君はそう言ってB組予選に備える為ピットへ行ってしまいました。


中森(なかもり)が1分31秒653か……」


「彼女にも、もう一周チャンスはありますよ!」


 小林(こばやし)さんがそう言ってる時、杏香は最後のアタックです。今、ヘアピンカーブを通り、ダンヒルストレートを飛ばしてます。その後、セカンドアンダーブリッジを潜りビクトリーコーナーを回ってメインストリートへ戻って来ました。


「中森を上回ってるかな……」


「小山内さん、1分31秒728です」


「うん、上手くいかないな……」


 でも、A組3位で終わる事が出来ました。これでQ2へは行けます。


 うーん、でも、やっぱり調子が狂うのかな……


 次は本多君です。今回のB組には谷山(たにやま)とパンドラーがいますけど……


 予選Q1B組がスタートしました。本多君は先手必勝とばかりにアタックを掛けます。今、第2コーナーを回ってワニの口の中へ。


「どうだ、本多は?」


 深田(ふかだ)GMです。


「はい、始まったばかりです。もうすぐワニの目を通過します」


「ワニの目?」


 あっ、GMは知らなかったんだ……


「あっ、いえ…… S字カーブです」


「うんそうか、小山内さんはQ2へ行ったんだよな」


「はい、3位通過です」


「まあ、本多もQ2へは行けるだろう」


 まあ、大丈夫だと思いますけどね……

取り敢えず、Q2の予算がもうすぐ、始まります。KAEDEの二台のマシーンは順調のようです。

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