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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第三章 チームとドライバー
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57 スクープ発言

雨脚が酷くなり、霧で靄って来た為レッドフラッグが振られてレースは中断しました。しかし、決勝レースがスタートして75分が経過した事で、レースはそのまま終了しました。

 第3戦オートポリスが終わり、今から宴会(はんせいかい)…… と言うより今日は祝勝会です。なんと言っても杏香(きょうか)が今期初優勝したんですからね!


 そう言う事で、私達がパドックビルへ移動した時でした。


小山内(おさない)さん、一言お願いします」


 メディアの皆さんがお待ちかねです。今日は初優勝だから仕方ないかな……


「ほら、小山内行ってこい!」


 本多(ほんだ)君が背中を押します。杏香はその拍子でメディアの皆さんの前まで行きました。


「あっ、本多さんも一緒にお願いします」


「ほら、本多君も行って来なさい!」


 今度は私が、彼の背中を押しました。


「小山内さん、優勝おめでとうございます。感想をお願いします」


 そう訊かれて、杏香はちょっと困ってるかな……


「えっと、中断して三十分くらい経っていきなりだったから実感がなくて……」


「でも、表彰台では結構楽しまれていたようですけど」


「はい、あれは楽しかったです。F4以来だったので……」


 杏香にはそれなりのインタビューがされてますけど……


「本多さん、止まってしまった原因は何ですか?」


「あっ、まだはっきりとはしてないけど、電気系統のトラブルだと思います」


 まあ、本多君はリタイアした訳だからそうなるよね……


 今日神田(かんだ)さんは聞く側で、ちょっとおとなしいですけど……


「ありがとうございました」


 そこでインタビューは終わりましたけど、神田さんは杏香に一言言って、その場を離れてました。


「お待たせしました」


「ねえ、神田さんは最後何か言ってたよね!」


 私が杏香にそう訊くと……


「あっ、神田さんは宴会の席に呼ばれているみたいです」


 あっ、なるほどね…… だから大人しかったのか……


 その後、杏香と私は一度白水館(はくすいかん)へ戻りました。杏香は雨で濡れてるのでシャワーと着替えが必要なので……


 その後、二人で会場の肥後家(ひごや)さんに来ました。


「あっ、優勝おめでとうございます」


 早速、店長からお祝いの言葉を頂きました。


「はい、ありがとうございます」


「今日は、ご注文の新鮮な馬刺しを用意してます。うちの馬刺しは美味しいですよ!」


「あっ、はい……」


 杏香としては、いつもと違うので違和感たっぷりのようです。


「あっ、北島(きたじま)さん! 今日はお世話になります」


 そこには鈴木翔吾(すずきしょうご)さんと結菜(ゆいな)さんも来ていました。


「えっ、どうしてここに……?」


「KAEDEさんに誘われました。あと私の方からも報告したい事があるので」


 報告……? 移籍の件なのかな?


「あっ、でも…… 神田さんも来ますよ」


「はい、約束なので」


 あっ、この場で発表したことを月刊フォーミュラが報じた後に発表して、記者会見という事でしょうか……


 その時、オーナーも来ました。


「あっ、オーナーおめでとうございます」


 あっ、神田さんも来ていたようです。


「ありがとうございます。本当は二台とも完走というのが一番なんだけど、今日のようなサバイバルレースで、優勝してくれただけで嬉しいよ」


 オーナーと神田さんがそう話していた時……


「遅くなりました」


 メカニック四人も到着しました。


「いや、ご苦労様」


「それじゃ、始めましょうか」


 幹事の山口(やまぐち)君がそう言った時でした……


「ちょっと待ってくれ!」


 オーナーがそう言った時、鈴木翔吾さんと結菜さんが前の方へ来ました。


「皆さん、お待ちかねのところすみません」


 やっぱり移籍の話だね……


「私事で恐縮ですが、シーズン後半戦の第6戦富士スピードウェイからスーパーフォーミュラにスポット参戦する事になりました」


 翔吾さんがそう発表した時、神田さんの目が変わりました。


「それで、チーム名は?」


「はい、チーム名は、team SHOWGOです」


「ドライバーは?」


「ドライバーはTeam Aoiから移籍する木村結菜、カーナンバーは70です」


 やっぱりシーズン途中からだとスポット参戦になるのか……


「来シーズンは正式に参戦出来るんでしょうか?」


 まあ、あと半年でドライバーがもう一人見つかるのかな……


「来シーズンはそのつもりです」


「それで、スポンサーは?」


「スポンサーは楓オーナーからPROJECT Ninaさんを紹介してもらいました」


 あれ、うちのチームにも新しいスポンサーがって言ってなかったかな……


「神田さん、この辺で良いかな…… そろそろ乾杯をと思っているんだけどね!」


 オーナーは早く飲みたいのかな……


「あっ、楓さんすみません。もう大丈夫です」


 そういう事で、深田(ふかだ)GMによる乾杯があったあと食事開始です。


「GM、あんな簡単な乾杯で良かったんですか?」


 確かに、山口君の言う通り『小山内さんの優勝と、team SHOWGOのご健闘祝して……』と簡単なものでしたよね……


「いや、みんな早く食べたいだろうと思ったんだけど……」


 あっ、GMはみんなに気を遣った訳ね……


「はい、お待たせしました」


 乾杯が終わった後、店長が馬刺しを持って来ました。


「これが馬刺しか……」


 杏香は自分の取り皿に数枚取りました。


「あっ、私も!」


 そう言いながら結菜さんが杏香の隣で馬刺しに手を伸ばします。


「あっ、美味しい! こんなの初めて食べました」


「えっ、初めて……」


 山口君も(げん)さんも口を揃えて言っています。まあ山口君にお願いした時は、食べて美味しかったからと誤解を招くような言い方だったもんね……


 そういう事で、今回のオートポリスは忘れる事が出来ない一戦になりました。

杏香の優勝祝勝会の席で、team SHOWGOのスポット参戦が報告されました。これは月刊フォーミュラだけの独占という事になると思うんですけど……

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