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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第三章 チームとドライバー
54/133

54 オートポリスQ2

小雨が降る中、今から予選Q2が始まります。

 第3戦オートポリスの予選Q2が始まります。Q1A組で本多(ほんだ)君は3位通過、杏香(きょうか)はB組でトップ通過しています。ここだけで言えば今回のレースも良いとこ行けそうなんですけど…… 雨なんだよね。


小山内(おさない)、先に出るからな!」


「はい、私もすぐに出ます」


 本多君はそう言って、先にコースへ出て行きました。


「杏香、どうかしたの?」


 杏香がロッカールームに入って行きましたので声を掛けましたけど……


「あっ、グローブに穴が開いちゃって」


「えっ、これで走るの?」


「いえ、新しいのを持ってますから」


 はあ…… それで、モタモタしてたのか……


耕太(こうた)、回して!」


 いつものように水上(みなかみ)君に声を掛けていますけど……


「もう、エンジンも掛かって準備万端だよ!」


 ちょっと冷めた言い方の水上君……


「えっ、うん、いつもありがとうね!」


 でも、そう言って杏香もコースへ出て行きました。


 一人残された水上君は杏香に礼を言われて、ちょっと顔が赤くて照れくさそうです……


「水上君、青春してるね!」


 小林(こばやし)さんがそう言ったもんだから水上君も……


「なんだよ! 関係ないだろう。それよりちゃんとタイム計れよ」


「おっ、怖!」


 ハハ、水上君も粋がっちゃって、今にも噛みつきそうな感じです。もう、小林さんも言わなきゃ良いのに……


 そうこうしてる間に、予選Q2がスタートしました。まずは本多君がアタックをかけます。


 第1コーナーからEKチェーンコーナーを通り、第3、第4の連続50R、第5コーナーの60Rから30RのAstemoコーナーを通りコース西側へ、その後さよりんブリッジを潜り最終コーナーからメインストレートに戻って来ました。


「本多君の一回目、1分27秒493です」


 うん、最初から飛ばして来たね! 次は杏香です。


 杏香はAstemoコーナーを今通過して行きました。相変わらずリアタイヤが雨で濡れた路面を滑るように走っています。


「杏香のあれは曲芸だね!」


 私がそう言ったら……


「あれは誰も真似出来ないかもな」


 小さくドリフトを楽しんでいるみたいです。GMと二人でそう話をしている間に、杏香がメインストレートに戻って来ました。


「小山内さんの一回目1分26秒897でトップです」


 杏香はまたもや一回で26秒台です。まさか、これで終わりじゃないよね……


 その時、カーナンバー5番の松島祐希が、メインストレートを通過して行きました。


『ピッ』


「1分26秒786です」


 松島がトップです。しかし、その後方から本多君がメインストレートを通過して行きました。


「本多君の二回目1分26秒772でトップです」


 ここに来てうちのエースが見せてくれます。


 しかし、すぐにカーナンバー7番の中森が1分26秒648でトップに立ちました。


 小さく小刻みではありますが、みんな少しずつ速く、トップが入れ替わります。


「小山内さん二回目1分26秒651で2位です」


 結構上位のタイムが更新されています。そんな中、木村結菜(きむらゆいな)が1分27秒016で8位に着けています。


 残り2分を切りましたけど、みんな最後まで粘るようです。そんな中……


「お疲れ様です!」


 そう言って杏香がパドックに戻って来ました。


「ちょっと杏香、あと一回くらいアタック出来たでしょう!」


 私のその言葉を杏香は右手で制しました。


「美郷さん、カーナンバー3、5、7、それに本多さんの四台がアタックをしているんですよ! これ以上は無理です」


 確かに…… それに無理してリタイアしても困りますから……


 そして、タイムアップです。予選Q2が終わりました。


 結局、PPは松島祐希です。2位に本多君、3位に中森、4位に杏香、5位に谷山です。


 合同練習で一緒だったロバートパンドラーは6位で、木村結菜は9位と健闘しました。


 この後、食事休憩をした後、午後1時30分から決勝が行われます。


 でも、みんな雨の中よく頑張りました。


「あっ、お疲れ様です。一言もらえますか?」


 神田(かんだ)さんがパドックビルにいました。


「おい小山内、神田さんが一言欲しいってよ!」


 本多君がそう言って杏香を呼んでいます。


「あっ、いや、小山内さんもだけど…… 本多君も予選2位だから決勝への意気込みを」


「えっと……」


 本多君も声を掛けられるのは久々だから……


「あっ、優勝します!」


 あっ、本多君思い切ったね! 優勝すれば今期二回目だよね。


「それじゃ、小山内さんもお願いします」


「はい、上位入賞を目指します!」


 杏香は優勝じゃないの……?


「えっ、優勝じゃないんですか?」


「えっ、先輩が優勝なら私の最高位は2位ですよ!」


 杏香は本多君の顔を見ながらそう言います。


「まったく、おまえのその自信満々の顔は気に入らね!」


 まったく、チームメイト同士で何やってんだか!


「あっ、杏香さん!」


 結菜さんがパドックビルに来ました。


「杏香さん、私予選9位なんて初めてです」


 いや、国内じゃそうだけど…… ヨーロッパの方じゃ常に上位だったよね……


 次回のもてぎとか富士あたりで本領発揮して来るんじゃないよね……


「あっ、木村(きむら)さんも良いですか?」


 はあ、やっぱり神田さんも結菜さんに声を掛けてます。


「あの、移籍の話はまだないんですよね!」


 あっ、その確認でしたか……


「叔父さんからはまだ何も……」


「ありがとうございました」


 まだ、そんなに早くは判らないでしょう……


 この後、午後1時30分から決勝レースがスタートします。

予選Q2が終わり、本多君が2位、杏香は4位でした。この後、いよいよ雨の決勝が始まります。

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