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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第三章 チームとドライバー
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47 トラブル予備軍

練習走行最終日は雨です。前回の鈴鹿で止まってしまった原因は、はっきりとは解っていません。はたして……

 練習走行最終日、今日の天気は雨です。最初、オートポリスへ着いた時は土砂降りで霧も掛かっていて、とても走行出来る状態ではありませんでした。


 でも、月刊フォーミュラの神田(かんだ)さんが来た時には霧が晴れ、雨も小雨になっていたので練習走行開始です。


「最初の3LAPくらいは様子見でね!」


 これだけ土砂降りだったんだから路面には雨水が溜まってるはずだから……


 しかし、本多(ほんだ)君も杏香(きょうか)も気持ち良さそうに走るな、私も一度は走ってみたいかな……


『おまえはやめとけ! エンストするのが先の山だ』


 そう言えば、昔こんな事を言われた事があったな…… 誰がそんな失礼な事を言ったか…… そんなのは決まってる! 川嶋秀樹(かわしまひでき)…… 元気にしてるかな……


 そんな事を思っている時、本多君が水飛沫をあげながらメインストレートを通過して行きました。


「こりゃ、凄いな……」


 GMはそう言います。前のマシーンがあれだけ水飛沫を上げたら後続のマシーンはたまらない…… 絶対に前が見えないはずだから。


 でも、前に杏香(きょうか)が言っていたけど、テールランプを目印にするとか、それで走れるものなのか……


「本多君、マシーンに異常は無い?」


 前回の電気系統によるトラブルが気になります。


『今のところ異常は無いですけど、小山内(おさない)のトラブルは大丈夫なんですか? あいつの方が酷かったはずですけど』


 それはあなたのマシーンもでしょう! ゴールした後すぐにマシーンを止めたくせに……


「多分その件もあってこの雨の中走っているんだろうけどね」


『俺は今のところ問題ないぜ』


「了解、それじゃフリーのつもりで走って」


『了解』


 本当に問題無いのかな……


山口(やまぐち)君、この間のトラブルは何も部品交換してないんだよね」


「パワーユニットから先のスロットル関係の電気系は修理と交換をしてます。燃料の噴射に問題がありましたので」


「二台とも?」


「はい、原因は雨水が浸透したんだろうとしか判っていません」


 うーん…… また、再発する可能性はあるよね。


美郷(みさと)さん、何か問題あったかな……」


 (げん)さんからも声を掛けられました。あんまり大袈裟にはしたく無いんだけど、神田さんもいるし……


「いえ、今のところ異常は無いんだけど…… この間も雨の時だったから」


 きちっとした原因が判らない以上安心は出来ないんだよね……


「杏香、マシーンに異常はない?」


『えっ、何かあったんですか?』


 うーん、問題無しか……


「この間の鈴鹿の件もあるから……」


『でも、交換と修理はしてるんですよね』


 杏香みたいにどんな時でも安心してマシーンに乗れる人は幸せかな……


 20LAPを超えた時点で、二台ともボックス! 整備と点検をします。


「問題ないですか?」


 私も気になってピット内をウロウロしてしまった。


「源さん、電子制御ユニットの交換をしてみましょう」


「うーん、やってみても良いが、電圧が安定しないと電源がシャットダウンする事もあるからな……」


 山口君と源さんが話している内容を聞いたけど、いまいち判らない…… まあ、この後もう少しテスト走行した方が良いのかな……


「源さん、やっぱり電圧が安定しないですね!」


 山口君は調整に四苦八苦してるようです。


「うん、やっぱり戻した方が良いな」


 電気系が壊れるとパワステ、ギヤ、スロットルとこの辺に支障が出ます。この間の鈴鹿ではスロットルに支障が出て、パワーを得られず止まってしまった訳ですけど……


「源さん、これってこの間の鈴鹿で……」


 ああ、神田さんがまた、情報収集を……


「ああ、うちのが止まった原因だ!」


 源さんもまた、そんなに簡単に情報提供して……


「いや、同じ症状のチームがあったんですよ!」


 えっ、どういう事? うち以外にも止まってしまったチームがいたなんて……


「神田さんそれって、電子制御ユニットを交換したんですか?」


「いや、よく判らないけど、スロットル周りの部品を交換したんじゃないかな」


「それじゃ、うちのやり方は間違って無かった訳ですね!」


 山口君はそう言うけど……


「まあ、応急処置というところだろう」


「それじゃまた、止まってしまう……」


 私は口を挟んでしまいました。


「美郷さん、そうとは限らんよ! 現に今日だって雨の中20LAPは走っているからな」


 まあそうですよね、鈴鹿の時だって残り十周雨の中を走っただけで症状が出て止まってしまった訳だから……


「美郷さん、もう少しテストをしましょう」


 源さんがそう言いますけど大丈夫なのかな……


「源さん、テスト中に壊れる事は無いですか?」


 雨の中のテストな訳ですから私は不安です。


「その時は、本番までに修理します。この辺に知ってるガレージもあるから」


「はあ…… 一週間しか無いですよ」


「一週間あれば充分です」


「解りました……」


 最後は源さんに押し切られた形になってしまいました。


 この後、午後三時くらいまでテスト走行をしましたけど、異常は見られないまま、終了しました。

雨のテスト走行、鈴鹿の原因は判らず仕舞いですが、今回20LAP走っても問題ないと言う事は……

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