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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第三章 チームとドライバー
43/133

43 模擬予選アタック

フリーで杏香に煽られた結菜は、少しは速く走れるようにはなったけど、タイムアタックでは、まだまだ今ひとつのようです。

 オートポリスで、Team Aoiとの合同練習です。午後からタイムアタックをしています。本多(ほんだ)君の一回目が1分27秒876でした。


 杏香(きょうか)は今、Astemoコーナーを回ったところです。その時、結菜(ゆいな)さんがメインストレートを通過して行きました。


小林(こばやし)さん、木村(きむら)さんのタイム解る?」


「はい、1分28秒045です」


 うん、普通に遅いです。やっぱり考え過ぎだったかな……


「ちなみにパンドラーの一回目が1分26秒753です」


 小林さんから報告がありました。という事は、当面の敵はパンドラーか……


小山内(おさない)さんが戻って来ました」


 杏香は、最初から飛ばしてないよね、私はそう思いましたけど……


「小山内さんのタイムは1分26秒016です」


 杏香はやっぱり最初から飛ばしています。もう、少しはペースを考えろって言いたいけど、無理か……


美郷(みさと)さん、タイムアタックは十分間でしたっけ?』


 杏香から無線が入りました。通常、Q1、Q2は十分間ですが……


「杏香、このタイムアタックは15分、お願いだからペース配分を考えてね」


『はい、大丈夫です!』


 まあ、あの娘にペース配分を求める方が無理かも知れないけど……


 その時、パンドラーがメインストレートを通過して行きました。


「えっ、二回目?」


 私が小林さんにそう訊きました。


「いえ、パンドラーは三回目です」


 パンドラーは、もう三回もアタックしてるのか……


「パンドラーの三回目は1分25秒726です」


 やっぱりTeam Aoiのファーストドライバーだけの事はあります。


「本多君は?」


「本多さんは二回目のアタック中です」


 という事は、杏香も次が二回目か……


「本多さん、さよりんブリッジから最終コーナーです」


 小林さんは本多君寄りなのかな……


「かなり、良いタイムですよ!」


 いや、小林さんはただ楽しんでいるだけか!


 今ピットの前を通過して行きました。


「本多さん、1分25秒972です」


 うん、本多君も調子が出て来たね!


「はあっ! 間に合ったかな」


 月刊フォーミュラの神田(かんだ)さんです。


「神田さん、もう半分終わりましたよ!」


「いや、編集部から良いネタ掴んで無いかって電話があって、これがまた執拗くてね」


 えっ、それって……


「まさか、今回の合同練習のことを!」


「いや、言ってませんよ! 鈴木さんとも約束したし、KAEDEの皆さんを敵にまわしたくはないから」


 うん、ちゃんと判ってるなら良いけど……


「それで、今トップは誰なんですか?」


 神田さんも仕事柄レース状況が気になるようです。


「パンドラーの1分25秒726です。次に本多君の1分25秒972です」


「小山内さんは?」


 神田さんが訊いたその時、杏香が二回目のアタックを終え通過して行きました。


「小山内さん1分25秒689です!」


 小林さんは、ちょっと興奮気味にそう言います。


「えっ、トップですか?」


 神田さんも聞き間違いじゃないかと思ったよう……


 えっと…… 本当にトップ?


「えっと、そうですね……」


 あの娘はタイムアタックだけは速いんだよね…… このタイムがパンドラーの耳に入って無いと良いんだけど……


 あっ、パンドラーが急にスピードを上げたような、これってまさか……


「小林さん、終了まであとどれくらい?」


「えっと、三分切りましたけど」


 あと一回杏香、行けるかな……


「本多君が1分25秒652です」


 今度は本多君がトップ!


「木村さん1分26秒359です」


 彼女も速くなって来たな……


「杏香は?」


「小山内さんはアタック中です」


 杏香は、EKチェーンコーナーを過ぎたところだから…… これが最後のアタックだね。


「パンドラー1分25秒594です」


「ここに来てパンドラーがトップですか……」


 神田さんはそう言うけど、まだ、杏香は最後のアタック中だから、上手くいけば……


「小山内さんが戻って来ました」


 杏香が今、メインストレートを通過して行きました。


「1分25秒658です」


 結局、杏香は3位です。


 「はあ…… ちょっと残念でしたね」


 神田さんは杏香推しだね!


 でもまあ…… 杏香も良いとこいったのに結局は3位か……


 だけどこれで、本多君の機嫌が損なわれる事もないでしょう。


 その時、ピットに本多君と杏香が戻って来ました。


「小山内、おまえ最後に気を抜いただろう」


 本多君がそんな事を……


「そんな事ないですよ!」


「だが、スピードが落ちた感じがしたんだ!」


 そんな事、本多君も今言わなくても……


「多分だけど…… 燃料がギリだったんじゃないかな」


 山口がそう言って杏香をフォローしてますけど……


「どう言う事だよ、山口!」


「昨日もそうだけど、小山内さんは燃料を少なめに自分で計算して入れてるんだよ」


 はあ、またやっていたのね……


「小山内さんは凄いね!」


 神田さん、あまりこの娘を褒めないで……


「はあ…… おまえには負けるよ、小山内。だけど、ガス欠したら元も子もないんだからな」


「うん、本多さんありがとう」


 まあ、これで後は14時半からの模擬決勝です。

模擬予選が終了しました。後半、杏香も一時トップに立ちましたけど、本多君とパンドラーに抜かれて結局3位でした。4位の結菜も1分26秒台を出して、かなり速くなって来たようです。

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