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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第三章 チームとドライバー
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40 合同練習?

Team Aoiの木村結菜は、今シーズン限りでシートを失う事になったようです。彼女はこれからどうするのか……

 オートポリスでの練習走行二日目です。私と杏香(きょうか)は昨日と同じパドックへ来ましたけど……


Why are(何故) you guys(君達が) here(ここにいる)


「えっ、えーーーーっ!」


「この人は……」


 何故、この人がここにいるの! 私は困惑した。


What are(ここに) you doing(なにしに) here(来た)!」


 そこに居たのはロバート パンドラーとTeam Aoiのスタッフ! 昨日まで、というか明日まではうちのチームの貸切のはずなのに……


Get out (さっさと) quickly(出て行けよ)


 パンドラーからイライラ顔で睨まれてしまった。英語で色々言われてるけど…… 訳がわからん。


「ロバート、うちのチームは無理にここを使わせてもらっている! そんな態度をとるな」


 えっ、日本語?


「それにおまえ、日本語話せるよな」


「えっ、Aoiオーナー?」


 えっと…… どういう事だろう…… Aoiオーナーの話では無理にって……


北島(きたじま)さんすまなかった、今日はよろしくね」


「あっ、はい……」


 そう返事はしたものの、どういう事?


「あっ、居た!」


 深田(ふかだ)GMが来ました。


美郷(みさと)さん、小山内(おさない)さん、うちのパドックは今日は隣だから」


 えっ、隣…… どういう事?


「GM、どういう事ですか?」


 私は意味が判らないので深田GMに訊きます。


「とにかく、隣のパドックへ」


 私と杏香は、昨日使っていたパドックの隣に行きました。


「あっ、美郷君、小山内君おはよう」


「オーナー、おはよございます……」


 私と杏香は取り敢えず挨拶をしましたけど……


「あっ、君達すまなかったね」


「あっ、いえ……」


 そう言いながら、私達に謝罪する人の顔を見てびっくりしました。


「あっ、鈴木翔吾(すずきしょうご)!」


「杏香、いきなり失礼でしょう! すみません……」


 まったく、元F1ドライバーの鈴木翔吾さん本人を目の前にして呼び捨てにするなんて……


「あっ、別に気にしないでください。それより今日は突然すみません」


「はあ……」


 今日は突然、Team Aoiと合同練習になった事を鈴木さんから訊きました。


 状況としては、昨日結菜(ゆいな)さんが言っていたチームにいれなくなるというのが原因らしいです。


 でもそれで何故、合同練習なのかと言うと……


 結菜さんがTeam Aoiを離れた後、鈴木さんが新チームを作ってそこで結菜さんにレースを続けさせるらしい。


 でも、それなりの走りが出来ないとチームの存続に関わる。


 そこで、うちとの合同練習にして様子を見るらしいけど、合同練習で様子を見るってどういう事……?


 うちのオーナーは、鈴木さんに上手く利用されてる?


「えっと、それで、この後十時からフリー走行を九十分、午後一時半から予選に見立てたタイムアタック、十四時半から模擬決勝をする」


 とオーナーからおおまかな説明がありました。


 でも、別にうちのチームは必要なかったんじゃ…… 合同練習をしたからって、結菜さんが速く走れるようになる訳じゃ無いでしょう……


 もうそろそろ十時です。本多(ほんだ)君と杏香は、すでにマシーンに乗って待機しています。


 でもその時、隣のピットからTeam Aoiのマシーンがコースへ出て行きました。


 それを見て、本多君と杏香にもGO!サインを出しました。合同練習スタートです。


「まずは軽く流して行こう、マシーンに違和感を感じたら連絡してね」


 私は本多君と杏香にそう無線を入れました。


『了解』


 まあ、今のところマシーンの違和感はウェット時の電気系統が問題ないか、という事だけど……


小林(こばやし)さん、準備は良い」


「はい、いつでもOKです」


「OK、それじゃ次の周回から本番行きましょう」


 すでにTeam Aoiの二人は実戦体制で走っていますが、パンドラーの独走です。木村結菜(きむらゆいな)は相変わらずです。


 本多君と杏香は3LAP目のさよりんブリッジを通過したあたりから速度を上げます。


「本多君、パンドラーに勝たないと優勝はないだからね!」


『OK、予選と決勝は俺が絶対に勝つ』


 珍しく本多君が本気です。


『美郷さん、私も負けませよ!』


 杏香も、気合い充分というところだけど……


「杏香は少し力を抜いて冷静にね!」


『えーーーっ! 私だって負けたく無いから』


「はい、はい、解りました」


 私が杏香とそう話したときでした。


「北島さん、小山内さんにはしばらくの間、結菜の相手をしてもらいたいんだが……」


 鈴木さんからそう注文がありました。


「どういう事ですか?」


「うん、とにかく結菜の後方からちょっと煽ってみたり、隙を見て一気に抜いたように見せかけて、また追いつかれるような…… そんな感じで」


 鈴木さんからそんな指示を受けましたけど……


「解りました。でも、フリー走行の間だけですよ!」


「勿論です」


 とは言うものの、それをしたからって……


「杏香、カーナンバー52の相手をしてあげて!」


『えっ、相手ってどういことですか?』


 まあ、そういう事になるよね……


「えっと、後方からちょっと煽ってみたり、抜いても彼女の前でチラチラと挑発するとか……」


 でも、こんな事して良いのかな…… 杏香だって困るよね……


『うん、なんだか面白そう! でも、良いんですか?』


 面白そうって何! でも……


「本番のレースじゃないから良いわ! 私が許可します」


 とは、言ったもののそんな事をして大丈夫なのかな……

ただの練習走行が、まさかの合同練習になるとは…… オーナーもそれならそうと言ってくれれば良いのに……

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