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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第三章 チームとドライバー
37/133

37 本多VS杏香!

模擬決勝レースが始まりました。この二人、果たしてどっちが勝つのか……

 オートポリスで今、模擬決勝レースを本多(ほんだ)君と杏香(きょうか)の二人でやっています。PP(ポールポジション)はタイムアタックで勝利した杏香です。でも、本多君も負けてません。


 今、二台がメインストレートに戻って来ました。


「1分27秒568です」


 オープニングラップは杏香! でも、いつでも抜けますよとスリップストリームで本多君も着けています。


「本多さん、車酔いから復活したみたいですね」


 小林(こばやし)さんはいつものワクワク顔で話し掛けて来ます。


「そりゃ半日経っているから……」


 二台はそのまま第一コーナーへ、ここで本多君が杏香のインをついて抜きにかかりますが、ここでは失敗です。


「行けると思ったんだけど、小山内(おさない)さんもやりますね」


 小林さん、楽しむのも良いけど、タイムもちゃんとお願いね!


「あの()源三(げんぞう)さんの(むすめ)か……」


 神田(かんだ)さんが興味深気に訊いています。


「ええ、そうですけど……」


「うん、思い切りが良いな、彼女なら今シーズン良いとこいけるんじゃないかな」


 今シーズン?


「そんな簡単じゃ無いでしょう」


 私はそう言いましたけど……


「第一コーナーで失敗したら、次は第三コーナーから連続50Rとその後の60Rで抜かれそうなもんだが、あのお嬢ちゃんは頑張ってるよ」


 確かに4LAP目、いまだに1位をキープしている。ただ、本多君もやられっぱなしでは、終わらないはずだけど……


 二台が最終コーナーからメインストレートへ戻って来ました。その時、インから本多君が杏香を捉え、順位が逆転しました。


「やっと追い越したか…… 抜きどころは他にもあったはずだけど……」


 えっと、神田さんは杏香の味方なんだろうか…… 杏香への肩入れが凄い気がする。本多君も頑張って、やっと追い越したのにね……


「彼女は抜き返さないのかな…… 出来ない事は無いと思うけど……」


「たぶんタイヤ交換をするから、無理をしないんだと思います」


「なるほどね……」


 神田さんがそう納得した時……


「いや、杏香の奴、疲れたからわざと抜かせて本多君の後ろに着いたんだろう」


 源さんはそう言いますけど……


「でも、抜かれたらまた抜き返さないといけないですよね」


 私は平然と当たり前の事を言いましたけど……


「あいつはたぶん、本多君の抜きどころを見つけたんだろう」


 源さんがそう言った時、神田さんも口を開きます。


「本多だって、ブロックはSFレーサーの中でも、トップクラスだと思うが……」


「まあそうなんだけど…… 見ていれば解るよ」


 源さんは、杏香の性格をよく解っているようです。流石に親子なだけあるわね!


『ピット、タイヤ交換をする』


 まず最初に動いたのは本多君です。まだ15LAPなんだけど……


 杏香からは、まだ連絡はありません。16LAP目、本多君はタイヤ交換のためピットインです。


「小林さん杏香と本多君のタイム差は?」


「今、25秒くらいです。この後ピットアウトしてからだから40秒くらいになると思います」


 そう話をしている時、本多君は交換時間7秒くらいで、ピットアウトしました。


 でも、これで杏香とのタイム差は40秒くらい…… 杏香がタイヤ交換にピットインしても本多君の前に出れるかも……


「小山内はピットインしたのか?」


「いえ、まだですけど……」


「そろそろじゃないのか?」


 GMからはそう言われたけど、今回の趣旨はドライバー目線だから…… でも、もう20LAP越えたんだけど、杏香の事は解らない。


美郷(みさと)さん、次入ります』


 やっと、杏香から無線が入りました。25LAP目でタイヤ交換って、どうなんだろう……


『小山内ピットイン!』


「杏香、ちょっと遅くない!」


 私は杏香に訊きましたけど……


「えっ、なに?!」


 タイヤ交換の騒音に掻き消されて私の声は聞こえなかったようです。


 タイヤ交換が8秒で終わった後、そのまま杏香はピットアウトしましたが、丁度本多君が杏香を抜き去って行ったとこでした。


「あら、間に合わなかったわね」


 小林さんは楽しそうにそう言います。もう、どっちが勝つのかドキドキしながら楽しみなんだろうな……


「小林さん、ファステストは出てる?」


「いえ、小山内さんの1分27秒台が最高です」


 ふーん、トップが本多君ならこれ以上は無理かな……


「小山内さんがAstemoコーナーで抜きました」


 えっ、本多君を抜いたの!


「あっ、でも第8コーナーで抜き返されました」


 やっぱり、本多君はブロックのスペシャリストだね!


「また、第10コーナーで小山内さんが抜いた!」


 えっ、杏香がまた抜き返した! もう、模擬決勝とは言ったけど練習走行でそんなに本気にならなくても…… でも、源さんが言ってた通り杏香は本多君の抜きどころを見極めていたようです。


 二人はこのまま最終コーナーを回ったところで横一列に並んだ! そのままメインストレートを通過して第1コーナーでは、本多君がまた先頭にたったようです。


「杏香はまた、疲れたな」


 あっ、源さんがパドックに来てました。やっぱり杏香の走りが気になるのね!


「この二人、どっちが勝つか目が離せないな」


 神田さんもちょっと興奮気味かな。


 そして、このままファイナルラップです。依然、本多君が先頭ですぐ後ろに杏香ですが、彼女はまだ仕掛けません。このまま終わるのか…… と思った時、最終コーナーを回ったところで、また横一列に並んでゴールに向かって来ます。そして、チェッカーフラッグが、振られました。


 私の見た目ではほぼ同着だったようだけど、勝ったのは……

ファイナルラップ、本多君と杏香は抜きつ抜かれつの接戦です。そして最終コーナーを回った二台は横一列のままゴールしました。ほぼ同着でゴールしたようですけど、勝ったのは……

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