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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第二章 シーズン開幕
27/132

27 予選Q2ウェット

予選Q1で本多君がA組トップ、杏香がB組3位です。雨の予選だけど、このまま行けば上位を狙えそうです。

 雨模様の中、今から予選Q2が始まります。でも雨が少しひどくなって来たような……


「予選は十分間ではあるけど、充分注意して、路面に雨水が溜まって来てるから……」


 私がそう言って注意を促しました。


「それって滑りやすいという事ですよね」


 杏香(きょうか)は私にそう訊きましたけど、それだけじゃないのよ!


「杏香それもだけど、ブレーキが効かなくなる事があるの!」


 私がそう言った時……


「ハイドロプレーニング!」


 本多(ほんだ)君が反応しました。流石に知っているよね。そう、ハイドロプレーニング現象はタイヤに水の膜が出来てブレーキが効かなくなる現象です。


「それじゃ、このまま雨が続くと中止とかありますか?」


 杏香はちょっと心配してるかな。


「中止はないけど、明日に延期はあるかも」


 私がそう言うと杏香はちょっと悲観的な声を上げました。


「えーっ、今日やって良いのに……」


 まだ、延期が決まった訳でもないのに、それに明日の方がドライで楽に走れると思うけど……


「大丈夫、この後Q2はあるよ」


 山口(やまぐち)君はそう言うけど、本当に大丈夫かな? 雨脚が、また強くなったような気がするんだけど……


「山口さん、でもかなり酷く降っているけど…… 俺としては明日、良いコンディションで走りたいけどね」


 本多君はウェットよりもドライの方がやっぱり良いようです。


「でも、西の空は明るくなって来たから問題無いと思うよ」


 山口君は気象予報士のような事を言っているけど、本当に大丈夫かな……


「よし、今のところ延期の話もないようだから準備して!」


 私がそう声を掛けてみんなは準備をするけど、杏香の行動はちょっと鈍いです。まったくもう!


「おい杏香、エンジン掛けたから急げよ!」


「う、うん……」


 うん、私が言わなくても水上(みなかみ)君が声を掛けたら動くのね……


 主催者からはやっぱり何の連絡も無いから予定通り予選Q2は開催されるようです。西の空が明るくなって来たからなのかな…… そういう事で本多君と杏香はコースへ出て行きました。


「あっ、雨がかなり小降りになりましたよ!」


 小林(こばやし)さんがそう言うので、ピットの外へ出てみました。うん、この分だと、もう大丈夫そうね。山口君の予報は当たりだね!


美郷(みさと)さん、始まりますよ」


 小林さんに声を掛けられました。私は数台のモニターを見ながらコースの現状を確認します。


「やっぱり、水捌けが良いから問題無さそうですね!」


 でも、山口君は……


「逆バンクとデグナーは要注意だね!」


 デグナーカーブは手前の高速コーナーから右へ二回カーブしているテクニックが要求されるコーナー、それに西側ストレート手前のスプーンカーブ、ここから加速してストレートで最高速からの130R、この雨がどこまで影響するのか……


 今、チェッカーフラッグ振られQ2がスタートしました。今回はまず、本多君がアタックします。杏香は次の周回からです。


 あっ、やっぱりデグナーカーブではリヤタイヤが滑ってます。本多君は上手くコントロールしました。その後スプーンカーブからの西側ストレートを軽快に飛ばして130Rへ、でもその先のシケインでまたもやスリップしました。これはちょっとタイムロスです。


「本多君のタイム1分37秒127です」


「うーん、やっぱりかなりスリッピーだね」


 次は杏香です。今、シケインを通過してメインストレートを軽快に飛ばしてアタック開始です。S字コーナーから逆バンクをちょっとスピードを抑えて通過、その後デグナーカーブを難なく通過して行きました。


「小山内さん、良い感じで走れてますよ」


 小林さんはワクワクしながらタイムを計っています。


『ピッ、1分36秒459』


 カーナンバー51番がまずトップに立ちました。


 その頃杏香は、スプーンカーブから西側ストレートへ加速して行きます。でも、その後の130Rとシケインがありますけど……


「彼女上手いですね!」


 杏香は、130Rを超えてシケイン手前で減速して安全に通過してメインストレートに戻って来ました。


「小山内さん、1分36秒548です」


 杏香は、いきなり予選2位のタイムを出しました。


「はあ、杏香はやっぱり解らない。予選前はあんなに憂鬱そうだったのに」


「まあ、そこが小山内さんの良いとこなんじゃないですか?」


 小林さんは偶に意味不明な事を言います。憂鬱なのに良いタイムを出したのが杏香の良いところ……?


「あっ、本多君1分36秒582です」


「本多君も本気を出して来たかな」


「はい、暫定3位ですね!」


 その後、杏香もアタックしますけど、タイムが伸びません! まあ、タイムが伸びないのは杏香だけではなく他のドライバーもです。カーナンバー7番の中森も4位にカーナンバー3番の谷山も5位に留まっています。


「杏香、ボックス!」


「えっ、もう一回アタックするから!」


 杏香はそう言うけど……


「もう時間切れよ! 残り1分を切ったわ」


 そう、今は本多君がアタックしていますからね……


「1分36秒594です」


 結局、このままQ2は終了しました。結果は2位に杏香、3位に本多君が入りました。


「美郷さん、カーナンバー51って誰?」


 杏香がそう訊いているけど…… 誰だっけ?


「カーナンバー51はロバートパンドラーだ!」


 山口君がそう教えてくれました。


「ふーん、外国人ドライバーがいたんですね」


 まあ、杏香は知らないだろうけど、SFからF1へ行った外国人ドライバーは結構いたと思います。


 まあ、どうでも良いけど今回の予選、最終的には、余裕を見せていた本多君が3位で、憂鬱そうだった杏香が2位という結果になりました。


 これから天気は回復するようなので明日はドライコンディションで決勝を戦えそうです。

予選Q2前の杏香は色々と心配していたけど、予選が始まると嘘みたいに良い走りをしました。結果杏香が2位、本多君が3位で予選が終わりました。

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