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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第二章 シーズン開幕
24/133

24 雨予報

スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿が始まります。本多も杏香もこのために色々と準備はして来たようだけど……

 四月の中旬、私達は再び三重県鈴鹿サーキット場に来ています。今週末は、スーパーフォーミュラ第2戦が鈴鹿で行われるため、早めに三重県入りしました。今日の天気は晴れなんですが…… 週末土曜日は曇り後雨の予報です。まあ鈴鹿は国際サーキットだけあって少々の雨は問題ないけど、あまり酷くならないと良いんですけどね……


「杏香、土曜日は雨予報なんだって!」


 私が彼女にそう伝えましたけど……


「大丈夫ですよ! 鈴鹿の雨は何度も経験してますから」


 まあ、F4の頃から鈴鹿は散々走っているから問題無いかな……


「日曜日の天気は?」


 えっ、大丈夫じゃなかったの? それとも何かあるのかな……


「日曜日は曇りだから、そんなに心配する事は無いみたいよ」


 私がそう言うと彼女は、スマホを見ながらブツブツ言ってます。私、何か気に障ることを言ったかな……


「美郷さん、今日鈴鹿で走れますか?」


 えっ、いや、流石に無理でしょう!


「杏香、まだマシーンも来てないから無理よ」


 私はそう言ったけど……


「いつ、来るんですか?」


 私は、そう訊かれて困ってしまいました。一体どうしたのか。


「えっと…… 多分、土曜日の朝までには到着すると思うけど……


 ちょっといい加減すぎるかな……


「金曜日の夕方には届くはずだよ!」


 ホッ、山口君がそう話してくれた。良かった!


「それじゃ、どっちにしても土曜日しか乗れないですよね……」


 なんだ、マシーンに乗りたかっただけなのかな。


「うん、そうだね…… 金曜日の夜にコースを走るのは無理だからね、ライトも付いて無いし……」


「あーっ、そっか……」


 杏香は頭を抱えて残念そう…… いや、困っているように見えるのは私だけかな……


「そんなに困った顔してどうしたのよ! 大丈夫じゃなかったの?」


 本当、彼女はマシーンに乗るのが好きだよね……


「えっ、だって開幕戦の後、一回も乗れて無いんですよ!」


 まあ、確かにそうです。本当は筑波で練習走行する予定だったんだけど、筑波の予定が詰まっていて取れなかったんですよね…… こういうのは結構レアなケースなんですけどね。


「大丈夫よ! 予選の前にフリー走行もあるから」


 フリー走行でコースを二、三周もすれば、杏香も納得すると思うけどな……


「まあ、そうだけど……」


 実際には乗れて無いけど、杏香はシミュレーションは毎日のようにしてたからね!


「うーん、土曜日の前に確認したかったんだけどな……」


 杏香はボソッとそう言っています。


「何、どうしたの?」


 私も、ちょっと気になります。


「金曜日にコースを歩く事は出来ますか?」


「うん、それだったら他にも歩いている人がいるだろうから……」


 山口君がそう話しました。でも、コースを歩くってどういう事だろう? まあ、レーサーが歩いてコースの下見をするのは聞いた事があるけど…… 杏香は何を考えているのかな。




 金曜日の夕方、チームのミーティングをするため招集を掛けていましたが……


「あれ、杏香は?」


「いや、本多君もいませんよ!」


 小林さんがそう言います。何処に行ったんだろう…… その時でした。


「あっ、すみません…… 遅く、ハア、なりました。ハア、ハア……」


 本多君は走って来たのか、ちょっと息が切れて辛そうです。


「何処に行ってたの?」


 私が、本多君に訊くと、本多君は……


「あっ、いえ、コースにちょっと……」


「杏香も一緒だったの?」


「あっ、えっと……」


 本多君は返事に困っているようですけど…… その時、誰かが走って来る音がしました。


「すみません、遅くなりました! ハア、ハア……」


 杏香も戻って来ました。


「本多君も、杏香も時間はきちんと守るように」


「はい」


 私は二人に注意した後、ミーティングを始めました。


「明日は、雨が降る予報が出ています。それで、予選については、ウェットタイヤを履いての出走になるかも知れないから、タイムも全体的に遅くなるかも知れない」


「あの……」


 杏香が右手を遠慮がちに挙げています。


「どうしたの?」


「えっと、雨が降っている時、スリックタイヤは履けないですか」


「うん、基本的には無理かな…… 路面とタイヤの間に水の膜が出来てグリップが低下するからスリップしやすくなる。そうなるとスピードも控えないといけない」


 山口君の説明を受けて杏香は……


「小雨程度なら大丈夫じゃ無いんですか?」


「まあ状況次第だけど、万全の体制をとった方が良いと思うけど……」


 私がそう言ったら、彼女は黙って頷きました。でも、納得はしてないみたいです。


「とにかく、状況次第ね! まあ、オートポリスみたいにはならないと思うから」


 その後もミーティングを続けましたけど、杏香は何だか上の空のようです。


 ミーティングが終わった後、マシーンの搬入がありピットに止めてあります。そのコックピットに人影が…… 誰かいるのかな? 


「ねえ、山口君!」


 私は声を掛けました。


「美郷さん、今小山内さんが乗ってます」


「ねえ、今からマシーンのセッティングをするんじゃないの?」


「いや、大丈夫です。名古屋を出る前にセッティングは終わってます。後は状況次第でウェットタイヤにするかどうかです」


「彼女、何やってるの?」


「コースを回って、色々調べたみたいですよ」


 杏香は一体何を調べたのか……


鈴鹿に来ての杏香はちょっと変です。開幕戦が終わってマシーンに乗れてないのもあるようだけど……

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