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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第二章 シーズン開幕
17/92

17 予選Q2

予選Q1が終了、本多が3位、杏香が6位になりました。これで先頭から6列目以内からのスタートが出来ます。あとはQ2でどれくらい前列からのスタートになるのか…… 予選Q2のスタートです。

 予選Q1が終わりました。10分間の休憩の後、Q2が行われます。


本多(ほんだ)君も杏香(きょうか)もQ1は取り敢えず通過出来たわね」


「まあ、俺は22秒台を出してるけど、小山内(おさない)はちょっと厳しいかな」


 本多君の話を聞いて杏香もちょっと悲観気味かな……


「でも、最悪でも6列目12番手からのスタートは出来ますよね」


 まあ、Q1を通過しているからそれは間違いないけど……


「まあ、そうね…… でも、出来れば6番手くらいからはスタートしないと、上位は望めないんじゃない?」


 私はそう言いました。


「まあ、本多が決勝グリット何番手になるかだな! 作戦はそれからだろう」


 まあ、まだ予選が終わった訳じゃないからGMの言う通りかな。


「それじゃ、そろそろQ2が始まるから準備して!」


「はい」


 本多君も杏香もそう返事をしてマシーンに乗り込みます。


「杏香、目標は6番手くらい…… でも、あまり無理をしないようにね」


「うん、美郷(みさと)さん、大丈夫だから」


「うん……」


 何だか、私は杏香から心配されているかな…… 立場が逆だって言うの!


 各車、ピットレーンから一台ずつ出発して、予選Q2がまもなくスタートします。今、本多君がコースに出て行きました。続いて杏香もコースへ出て行きます。これから一周した後に予選Q2がスタートします。


『小山内聞こえるか!』


『はい』


『おまえが最初のLAPアタックしてくれ! そのあとのLAPで僕がアタックするから、また一周交代でアタックしょう』


 無線で本多君が杏香と話してます。


『最初の一周目はアタックする人が少ないから私が先ですか?』


『うん、まあそうだな、それに一周交代でアタックする方がお互い邪魔にならなくて良いだろう』


『はい、了解しました』


 まあ、その方がチーム同士で邪魔する事なくアタック出来るって事ね。


 先頭がスタートラインを通過したその瞬間、Q2の予選がスタートしました。今、杏香もスピードを上げメインストレートを通過して行きました。


「杏香の前に邪魔なマシーンはいないようね」


「はい、良いタイムが出ると思います」


 そうね…… こういうタイミングでないと無理だろうな。


「順調に13コーナーからGR superコーナーを通過しました。良いタイムですよ」


 小林(こばやし)さんがちょっと興奮気味です。その時、パナソニックコーナーからメインストレートに杏香が戻って来ました。


「えっ、21秒?」


 私が、そう言った直後に杏香が通過しました。


「惜しい! 1分23秒052」


 杏香にしてみればベストタイムですけど、順位的には4位です。このタイムだと6位には残れないかな……


『美郷さん、タイムは?』


 言って良いのかな……?


「1分23秒052で4位よ!」


『やった! でも22秒台でないと上位は無理なんだよね』


「そうだけど、今、本多君がアタックしてるから次の周回でね!」


『はい』


「今、本多君のタイムが出ました。1分22秒872です」


 小林さんはやっぱり興奮気味です。


「2位だよね」


「はい、本多君も調子良さそうです」


「ピッ!」


 モニターに1位のタイムが出ました。1分22秒543です。


中森(なかもり)も本気を出して来たな」


 GMも、気が気でないようです。


「ピッ」


 1分22秒568です。


松島(まつしま)さんも2番手を更新しました」


 なかなか、緊迫してきました。


 その時、杏香の二回目のアタックです。今アドバンコーナーですけど、そこから13コーナ、GR superコーナーを通過して、今、パナソニックコーナーを回ってメインストレートです。


「ピッ」


「1分22秒874」


「5位だよね」


 私もちょっと興奮して来ました。


「うーん、これでギリギリ6位に入れるかな……」


「本多君が1分22秒552で2位です」


 うん、本多君が一列目なら、杏香をブロックに使える……


「Q2残り1分です」


「杏香は?」


「今、アタック中でアドバンコーナーを通過したところです」


「もう、これが最後のアタックだよね……」


「はい、でも良いタイムですよ!」


 そう言っている時、杏香がメインストレートを通過して行きました。


「ピッ、1分22秒745」


「やった、やりましたよ美郷さん!」


 小林さんが興奮状態で言いました。


「うん、5位に入れたね!」


 私達がそう喜んでいる時でした。


「ピッ、1分22秒734」


 カーナンバー6番大嶋(おおしま)がギリギリで5位に入ったため、杏香は6番手になりました。


「あっ、結局6位か……」


 小林さんはそう言うけど、本人は最初から12位には、なれるからと言っていた訳だから、大躍進だよね!


「小山内さん、やったな!」


 GMとチーフメカニックの山口(やまぐち)君も大声を出して喜んでいます。ちなみに本多君も予選3位で1ポイント獲得したんですけどね……


「これは、今日もお祝いをしないと!」


 いやいや山口君、それは可笑しいです。それに明日は決勝な訳ですから……


「何言ってるんですか! 今晩は、決勝前の懇親会があるでしょう」


 そうでした…… 小林さんに言われて私も思い出しましたけど、あれって正装での参加だから窮屈なんですよね…… まあ、レース主催者がやる訳だから出席しない訳にはいかないけど……

予選が終わり、本多が3位、杏香が6位からのスタートです。上手くいけば二人ともポイントゲット出来るかも知れません! まあ、本多は予選で1ポイント獲得しましたけどね。

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