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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第六章 SFシーズン2年目
141/154

141 偵察

鈴木オーナーや源さんからSFとF2の説明があったけど、あまり納得のいく話ではないです。まあSFは全日本の大会だし、世界を転戦する国際大会のF2とは違うのかな……

 鈴鹿サーキットでテスト走行をしています。


 初日の夕方にF2マシーンの整備が終わったので、結菜(ゆいな)はSF、杏香(きょうか)はF2で走っていましたが、タイム的には結菜が杏香より4秒速いという結果に……


 これはF2よりもSFの方が、マシーン的に速いからという事でしたけど……


 私はちょっと飲み物を買うためにピットビルの方へ来ました。その時人影が…… 今日はうちの貸切だから誰もいないはずなのに、しかし自販機のところから男性がひとり現れました。あれって、私達の練習を見に来てるって事……?


「Excuse me Do you know team Showgo?」


 えっ、この人誰? 何処かで見たような感じだけど……


 私は、不審者でも見るような目で、この外国人を見ています。


「Do you understand English?」


 えっ、英語解るかって! 関わりたくないから知らないって言っとこうかな……


「No,I don't understand English」


 私は、面倒くさそうにそう言いました。すると……


「I understand that I don’t know, so I'm answering in Englsh」[知らないって? 解っているから英語で答えているんだよね]


 はあ、失敗した…… 私は俯いてしまった。


「So, what do you want to ask?」[それで、何が訊きたいの?]


 私は睨みつけるように外国人不審者に言いました。


「Do you know Kyouka Osanai」[Kyouka Osanaiを知ってるか?]


 こ、こいつ、ドライバーなのか?


「Ha, which team's driver are you?」[はあ…… あなた、何処のドライバーなの?]


「I'm the one asking the question」[質問をしてるのは僕なんだけどね]


 こいつ何を考えているんだろう。目的はなに?


「Let me tell you,Kyouka won'tlose to people like you」[言っとくけど、杏香はあなたみたいな人に負けないわよ]


「Huh, I'mlooking forward to it」[フッ、それは楽しみだ]


 一体こいつは何者なの……


「So, who are you」[それで、あなたは誰なの?]


「I'm here to become the George McClay Series Champion」[僕はジョージ マクレー! シリーズチャンピオンになりに来たんだよ]


 こいつがジョージマクレー、中森(なかもり)のチームメイトだよね…… こいつを倒さないと杏香のシリーズチャンピオンは無いという事か……


「Tell Miss Osanai ,I'm the one who wins. Ciao!」[小山内に言っといてくれ、勝つのは僕だってね、チャオ!」


 ううう、気持ち悪い! チャオだって、月刊少女マンガじゃ無いつうの! なんなのよ、あいつ今シーズンルーキーで来たばかりなのに…… 杏香のライバルは中森と松島(まつしま)だけで充分なのに……


 1日目のテスト走行が終わりました。


「オーナー、ジョージマクレーが偵察に来ていました」


 私は、鈴木(すずき)オーナーと岩崎(いわさき)チーフに話しました。


「えっ、マクレーが来てたのか!」


「はい」


 鈴木オーナーは何だか嬉しそうに言ってますけど……


「しかし、その情報は何処から出ているのか、この事は公開してなかったと思いますけど」


 確かに、テスト走行はするとは言っていたけど、いつ、何処でするかは公開してなかったと思います。


「観客席にいたんですか?」


「いえ、ピットビルへ飲み物を買いに行った時に話しかけられました」


 しかし、何処でテスト走行の事を訊いたんだろう……




 テスト二日目、今日も朝から杏香はF2で、結菜はSFで走ります。


「杏香、エンジン掛かったぞ!」


 水上(みなかみ)君がそう言った時……


美郷(みさと)さん、ジョージマクレーが来てたの?」


 杏香にそう訊かれました。


「うん、昨日ピットビルにいたからテストも見られてたかもね」


「えっ、それって大丈夫なの?」


 結菜も話に加わって来ました。


「問題無いわ! 別に隠してることなんて無いから」


 私がそう話した時……


「あの、そろそろスタートしてくれない?」


 水上君にそう言われ、杏香と結菜は慌ててピットを出て行きました。


「美郷さん、YAMAGUCHI Racing teamは小山内さんを正式にライバルにしてくれたみたいですね」


 まあ、昨日偵察に来てたから岩崎チーフもそう考えたようです。


「うん、でも来たのは中森じゃなかったね」


「うん、彼はF1経験者でこれからのF1候補生を見守ってるんじゃないかな、マクレーもそのひとりだと思うよ」


 そうかな…… 私はそういうふうには思えませんでした。


 その時、杏香が急いでピットへ戻って来ました。


「ちょっと杏香、ピットレーンのスピードに気をつけなさい!」


 私はそう注意しましたけど……


「メインスタンドに誰かいる!」


 そう言って杏香は、ピットビルへ走って行きました。


「ちょっと杏香、待ちなさい!」


 私も杏香を追って、走ってメインスタンドへやって来ました。


「ハア、ハア、ハア、ちょっと杏香、何やっているの!」


 私は杏香にそう言ったんですけど……


視力()は良いようだな!」


 そこにはYAMAGUCHI Racingの中森勝利(なかもりしょうり)がいました。

テスト初日のジョージマクレーには驚きましたけど、まさか次の日に中森勝利が来るとは…… いよいよ杏香は、正式にYAMAGUCHI Racingからライバルと認められたようです。

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