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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
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131 気持ちの確認

やっとあいつに逢う事が出来ました。二人で一緒なんて久し振りです。今年の年末年始は良い事ありそうです。

 私は石川(いしかわ)白山(はくさん)市に来ています。川嶋秀樹(かわしまひでき)から誘われたので来てしまいましたけど……


美郷(みさと)、貸切温泉を予約しているから行こうぜ!」


「えっ、貸切温泉?」


 それって、秀樹と一緒に入るって事、温泉で二人っきりって事?


「なーに固まっているんだよ! 昔はよく一緒に入っただろう!」


 いや、確かにそうだけど…… それは小学生の頃の話、今は……


「昔って、小さい頃の話でしょう」


「なに、顔を赤くしてんだよ! 嫌なら別にキャンセルするからいいけどな」


 えっ、キャンセルとかしなくても……


「嫌とか言ってないから……」


 私がそう言うと、彼は私の事をジッと見てから……


「じゃ、4時から一時間だからな」


「う、うん……」


 温泉か…… 秀樹と一緒、嫌じゃない…… むしろ少しでも一緒に居たい…… でも、ちょっと恥ずかしいかな……


 そう思いながら部屋へ戻りました。秀樹は部屋に戻るなり、寝転がってテレビを見ています。


 この人、F2パイロットなんだよね…… でも、そんな事を言ったら、その前にひとりの人間だって言われそう……


「ねえ、お茶淹れようか」


 何かをしていないと間がもたないです。


「あっ、ありがとう」


 そう言った秀樹だったけど、やっぱり寝転んでテレビを見てるだけです。


「あっ美郷さん、あなたが買って来たお土産、食べてみて! 美味しいから」


 そう言って叔母さんが部屋に入って来ました。私が淹れたお茶の横にお茶菓子まで…… これ私が買って来たお土産、私が食べて良いのかな……


 そう思っている時……


「おっ、美味しそうだな! いただきます」


 そう言って秀樹がひと口。


「いや、甘酸っぱくて美味しいな! ミルクの餡とよくマッチしているよ」


 もう、こいつに買って来たんじゃないのに……


「ねえ、美味しいでしょう! 美郷さんも食べてね」


「はい、ありがとうございます」


 そう言って叔母さんは部屋から出て行きました。


「美郷、食べないのか?」


「食べるわよ! ただ叔母さんに買って来たのに……」


「それは、おまえが決める事じゃないだろう。お土産を貰った叔母さんがみんなに食べてほしいのならそれで良いんじゃないか」


「うん……」


 まあ、こいつの言う通りかな…… そういう事で私もひと口食べました。


「うーん、甘酸っぱい!」


 叔母さんもこの味を共有したかったのかな。


「美郷、良かったな」


「うん」


 その後、私と秀樹は温泉に行きます。温泉は嬉しいんだけど、こいつと一緒と言うのが恥ずかしいです。


 だって、全てを見られるって事だよね……


 でも、やっぱり楽しみです。


 服を脱いでタオル一枚で大事なとこを隠しながら浴室へ来た時、背後から私は抱きしめられました。


「えっ…… ちょっと、何するのよ!」


「美郷、楽しく温泉入ろうぜ! おまえちょっと硬いよ」


 秀樹にそう言われたけど、この状況でそんな事…… でも、あいつの温もりが伝わって来ます。それに私の胸があいつの腕に当たっています。


 もう、恥ずかしい…… でも、心地良いです。


 その後、一緒に湯船に浸かっています。


「もう、変な事しないでよ!」


 まだ私の顔は赤いです。あんな事するから……


「なあ、俺たち付き合っているんだよな」


「うん、だから金沢まで逢いに来たし、温泉だって一緒に入っているでしょう」


「なあ美郷、イギリスに来いよ!」


 彼はそう言って、また私を抱きしめます。


「秀樹、私だって一緒に行きたいけど…… 杏香(きょうか)を置いて行けないよ!」


「あいつはおまえが居なくても俺達を追ってくるよ!」


 彼はそう言うけど、ちょっと違うんだよね……


「秀樹、そうじゃないの…… 私は彼女にF1に連れて行ってもらいたいの!」


「俺じゃ駄目なのか……」


 彼にそう言われ秀樹と一緒でもとは思いました。でも……


「秀樹がF1に行った時、私はパドックであなたを見守る事が出来るの! あなたと一緒に戦う事が出来るの?」


 私がそう言ったら、秀樹はもう一度私を抱きしめ……


「努力します……」


 そう答えてもらいました。私も、秀樹と一緒にこのままいたいけど、やっぱりこのままじゃ駄目だ!


 そう思いました。


「なあ美郷!」


「もう、まだイギリスには行けないから」


 まったく、いつからこんなに我儘になったんだか……


「そうじゃねえよ! 明日スノボやらないか」


 温泉に入っているときにそんな話……


「えっ、スノボ!」


「折角、スキー場近くの温泉に来てるんだからやろうぜ!」


 スノボか……


「でも、私やった事ないからな……」


「俺もやった事無いぜ!」


 嘘ばっかり…… スキーは得意だったでしょう!


「スキーはかなり上手かったよね!」


「ああ、スキーはな! でも、スノボはやったこと無いんだよ」


「えーっ、そうだっけ! じゃあ何故スノボなの?」


「だって、スキーだといつのまにか俺ひとりで滑ってるかもだから……」


 いや、そうならないようにすれば良いじゃん!


「それに、スノボだったら一緒にスクールに入っても良いからな」


 なんて話を二人温泉で暖まりながらしました。はあ…… いい年末だね。

温泉に入って久々にあいつの気持ちが確認出来ました。あいつの気持ちには、まだ応えられないけど…… でも、明日は一緒にスノボです。なんだか心がワクワクとドキドキです。

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