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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
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130 お迎えはスキーバス?

年末、私はあいつに誘われ金沢までやって来ました。なんだかあいつに逢えると思うと胸がドキドキします。

 私は今、北陸新幹線つるぎ16号富山行きに乗っています。


 それは、あいつから金沢に来ないかと連絡があったからです。もうすぐあいつに逢える、そう思うと胸がドキドキします。


 そして、金沢駅に到着しました。私が改札口からコンコースへ出て来て、あいつを探している時でした。


「あの、北島美郷(きたじまみさと)さんですか?」


 私は、知らない女性に声を掛けられました。何故私の名前を知ってるの?


「は、はい、そうですけど……」


 思わず返事をしてしまいました。もし、私を利用した詐欺だったら……


「はあ、よかった! もうすぐバスが出ますのでこちらへお願いします」


 えっ、バス? そう言われ、私は不審に思いながらも言われるままに金沢駅東口からバスの駐車場へ、そこには……


「スキーバス?」


「あっ、スーツケースはトランクにお願いします」


 えっと、スキーに来た訳じゃない…… いや、間違われてる?


「あの、私スキーツアーで来てる訳じゃないんですけど……」


 私はそう言いますけど……


「あっ、大丈夫です。ちゃんと聞いてますから」


 そう言われても……


「北島さんは前の席にお願いします」


 絶対に間違われてるよ、そう思いながら結局バスに乗り、席に座りました……


「はあ……」


 なんだか溜息しか出ません。何かの間違いだよね……


「それでは、一里野温泉スキー場行き発車します」


 そう言われ、私とツアー客を乗せたバスは白山一里野温泉方面へ出発しました。


 まあ、一里野温泉スキー場なら同じ方向だから良いかな。間違いだったとしてもなんとかなるでしょう。


 あっ、でも、あいつに連絡しないと…… 私がスマホを出して連絡しようと思った時でした。


「北島さん」


「えっ あっ、はい」


「北島さんは白山荘で良いんですよね」


 あっ、合ってた……


「はい…… でも、どうして?」


「あっ、やっぱり訊いてなかったんですね、川嶋(かわしま)君に頼まれたんだけど…… 知り合い、ですよね」


「あっ、はい……」


そういう事か…… あんにゃろう自分で迎えに来るんじゃないのか!


「あっ、私スキーツアーのスタッフをしています早瀬愛萌(はやせみなも)と言います。川嶋君の後輩なんです。


「あっ、北島美郷です」


「はい、北島さんもレースをやっているんですか?」


「ええ」


「えっ、じゃあ、ロンドンから来たんですか?」


 えっと、どういう事?


「ううん、私はスーパーフォーミュラのスタッフで川嶋君は一年前まで同じチームだったの」


「それじゃ東京からですか」


 えっと……


「私は本拠地が名古屋だから」


「あっ、チームによって違うんですね」


「そうですね……」


 この女性は、スキーツアーのスタッフをやっているから、秀樹(ひでき)の奴、後輩の彼女に私を連れてくるように頼んだんだわ!


「ねえ、川嶋君に無理矢理お願いされてない、私の事?」


「いえ、たまにある事なんです。それに白山荘の香純(かすみ)さんにお願いされたことなので」


 香純さん……? ああ、依頼主はまさかの川嶋君の叔母さんだった。


 そんな話をしてる間に白山市に入りました。もうすぐ白山荘に着きますね。


「北島さん、ここがそうですよ」


 という事で、白山荘の前でバスから降りました。


「早瀬さん、ありがとうございました」


「はい、それじゃね」


 私はバスを見送って、白山荘の前へ来た時、女性が丁度出て来ました。


「あの……」


「あっ、北島さん!」


「はい、ご無沙汰しています」


「あら、綺麗になっちゃって、ちょっと待ってね」


 そう言うと叔母さんは一度旅館の中へ入りました。


「えっ、叔母さん……?」


 すると再び扉が開いたと思ったら……


「よぉ美郷、早かったな」


 秀樹が中から出て来ました。


「も、もう、何が駅で待ってるよよ!」


 私は彼を睨め付ける様に言いました。


「あっ、いや、すまん! 叔母さんがスキーバスの愛萌にお願いしたからって」


「だったら、連絡くらいくれれば良いじゃない! 駅に着いていきなり声を掛けられてさ」


 そう愚痴りながら、あいつにスーツケースを渡し、部屋へと行きました。


 部屋に着いた後もなんだか腹立たしくて……


「もう、絶対に間違われてるか、騙されてるって思ったんだから!」


 そう秀樹に言っていたら、いきなり口を塞がれる様にキスされました。


 あっ…… 嘘! そう思ったけど、そのまま彼の胸の中に身を委ねてしまいました。本当にズルいんだから……


「少しは落ち着いたか!」


「…… うん……」


「お昼は食べたか?」


「うん…… 近江牛カルビ重弁当を食べた」


「昼間から豪勢だな」


「えっ、でもお弁当だよ」


 そんな何気ない会話を……


「あっ!」


「な、なんだよ急に」


「お土産渡すの忘れてた」


「へえ、何買ったんだよ」


「うん、あど菓みるくっていう洋風のお饅頭みたいな物」


 そう言って私はお土産を持って叔母さんのところへ。


「叔母さん、これお土産」


 私が渡すと……


「あら、アドベリーのお饅頭じゃない」


「叔母さん知ってるんだ!」


 秀樹も叔母さんに訊いています。


「これって貴重なのよ! ボイセンベリーって国産は滋賀にしかないから」


「えっ、ボイセンベリー? アドベリー?」


 えっ、どっちが本当?


「あっ、本来はボイセンベリーって言うんだけど、安曇川(あどがわ)町の特産にしたいからアドベリーという名称で売り出したんだって」


 はあ、結構珍しい物なのね……


「甘酸っぱくて美味しいから美郷さんも食べてみてね!」


 いや、私がお土産で買って来たんですけど、食べて良いの……

やっとあいつに逢える事が出来ました。うーん、今年年末年始は楽しくなりそうです。

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