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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
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128 シーズンオフの過ごし方

鈴鹿のルーキーテストを見に来た私達でしたが、鈴鹿サーキット場第1コーナー手前の倉庫に杏香のF2 2024がありました。これは……

「えっ、どうして私のマシーンがここにあるの?」


 この間F2のテストは富士でやったんだよね…… オーナーがここまで持って来たって事!


(かえで)オーナーは、トヨタ系よりホンダ系の人脈が多くて、ここに置かせてもらってるんだ。それに名古屋からは近いからね」


「それじゃ、いつでも走れるじゃん!」


 いつになく杏香(きょうか)の瞳が輝きました。


「杏香まさか、今から走るとか言わないよね!」


 結菜(ゆいな)はかなり心配そうです。だって名古屋でシミュレーションをやる気だったもんね。


「あっ、いや…… 今日言ってすぐは無理だよ…… それに夕方までルーキーテストがあるんだから」


 鈴木(すずき)オーナーもすぐに反応しました。まあ、そうだよね…… 隅の方で邪魔にならないように走りますから…… なんて出来ないからね。


「当たり前じゃん、いくら私でもそのくらいは解りますよ」


 ちょっと気分悪そうに杏香が言いました。


「そ、そうだね……」


 いや、鈴木オーナーも岩崎(いわさき)さんも、本気で胸を撫で下ろしています。これって、マシーンを見せたのは本当に失敗だと思ったはずです。


「そ、それじゃ、名古屋に帰ろうか」


 杏香が変な事を言わないうちにと私は思ったんですけど…… その時でした。


「オーナー、いつだったら走れますか?」


 やっぱり、杏香は早く乗りたいんだよね……


「そ、そうだね…… 平日だと早めに予約すればなんとか…… たぶん」


 相当困ってる? やっぱり走る時だけ見せた方が良かったんじゃ……


「ハハ、楓オーナーに話しておくよ……」


 そういう事で、杏香は私のNSXで、結菜と岩崎さんは鈴木オーナーのレクサスRX450hでKAEDEガレージへ戻りました。


 帰って来て早々に杏香はシミュレーションをやりたかったみたいだけど…… 杏香以外はみんな疲れているみたいなので今日は終わりという事にしてもらいました。


「杏香って、本当にタフだよね……」


 結菜はそう言っていたけど、あなたも最初はやるつもりだったよね……




 翌日から杏香と結菜はシミュレーションとプール三昧の生活を送っています。


「ねえ、ほぼ毎日来てるみたいだけど、他にやる事ないの?」


 私は杏香に訊きましたけど……


「えっ、だって今のうちに出来ることをやっておかないと、また残念な事になるのは嫌だもん」


 まあ、杏香が言ってる事は今年の十一月スーパーフォーミュラ最終戦が終わった後の事を言っているんだろうけど、他にやる事ないのかな……


「ねえ、クリスマスとか、お正月の予定とか無いの?」


「うん、クリスマスは友達がみんな東京だからいないし、お正月も早々に逢えないと思う」


 という事は、まさかお正月も来るんじゃないでしょうね……


「あっ、小山内(おさない)さん、年末年始はガレージに人はいないから、お休みだからね!」


 鈴木オーナーが言ってくれました。よかった……


 私だってお正月くらいはゆっくりしたいからね。


「そっか、じゃあ年末年始はテレビとお友達かな……」


(げん)さんは?」


「たぶん、うちにいると思うよ」


「一緒に住んでるんだっけ」


「うん、そうだよ」


 そうか、あの娘がもしF2とかに行ったら源さんはひとりになるのかな……


「ねえ、そろそろ代わってよ結菜!」


「うん、ちょっと待って! これ最終LAPだから」


 ハハ、本当ゲーム感覚だよね……


「あーあっ、またベスト10に入らなかった……」


「結菜は加速が遅いんだよ」


 えっ、杏香何を……


「えっ、加速?」


「コーナーからの立ち上がり、そこで他のマシーンに抜かれるでしょう」


「うーん…… でも、これ以上ギアアップを早く出来ないし……」


「そうじゃなくて、コーナーの手前でもうひとつギアを落としても良いんじゃない」


「えーっ、余計に立ち上がりが遅くならない?」


「ねえ、11コーナーのヘアピンは何速にしてる?」


「えっ、2速だけど……」


「あっ、そこは1速だよ!」


「えっ、余計に遅くなるでしょう」


「ううん、タイミング良くスピードを落として、コーナーを曲ってすぐに加速して2速……」


「じゃあ、スプーンとかは?」


「あそこは2速かな」


「そうか…… じゃあ、シケインは?」


「あそこは3速!」


「えっ、2速じゃないの?」


「あそこでオーバーテイクするならそうだけど…… あそこは軽くスピードを落としてアウトインアウトで斜めに行く感じ! その後メインだから一気に加速って感じかな」


 杏香はそうやってコーナー毎にギアを決めてるのかな……


「うーん、そっか! ギアをひとつ落とせば、加速出来るか…… ねえ、もう一度やっても良い?」


「駄目、私の走り方を見てて!」


 そう言って杏香はシミュレーションのシートに座ってレーススタートです。


 しかし、杏香は……


「ここは、3速まで落として、コーナーを回ってすぐ加速、そして4速!」


 などと、杏香のドライビング講座が始まりました。


「今みたいにすれば速くなれる?」


「うん、コーナーを回ってタイミング良く加速出来ればね」


 これで、本当に結菜が杏香みたいに速くなれば、うちのチームももっと良くなるかな……

シーズンオフは、なかなかマシーンに乗る事も出来ないから、杏香と結菜はプールとシミュレーションをしています。

本当は、杏香はF2 2024に乗りたいだろうな……

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