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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
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126 目立った行動

セッション1で、杏香はとんでもない事をしました。というか、セッションの前半から飛ばしてトップタイムを出しただけなんだけど…… 中森は面白く無かったようです。

 ピットビューイングが終わり午後からセッション2が始まりますけど、取り敢えず1時45分までは休憩です。


「ねえ、あいつなんて言って来たの!」


 結菜(ゆいな)杏香(きょうか)の事が少し心配だったのか様子を訊いています。


「うん、別に大した事はなかったよ! ただ私に負けたのがよっぽど悔しかったんじゃない」


「そうなんだ……」


「いや、勝負してた訳じゃないでしょう」


 結菜は納得したみたいだったけど、私は思わず言ってしまいました。でも、杏香もあいつの事、あまり気にしていないようね。それにしても、あの娘がちょっと速かっただけであんな事を言って来るなんて……


「ふん、中森(なかもり)もまだまだ青いな」


 (げん)さんがそう言いながら私のそばへ来ました。


「源さん、どうかしたんですか?」


「うん、さっき中森が杏香にクレームを付けたみたいだから」


「杏香に訊いたんですか?」


「ああ、あの娘は何かあったら俺のところに来るから」


 あっ、そう言う事ね、まあ私に言うより源さんの方が、何かあった時に頼りになるかな…… レース関係者とも親しいみたいだしね。


「杏香がちょっと目立った事をしたのが気に入らなかったようだ」


 それくらいの事でね……


「でも、中森もセッション2でやれば良いのに」


 私はちょっと冗談混じりにそう言いましたけど……


「まあ、そういう事だが、二番煎じじゃ話題にならないだろうからな」


 そう源さんから言われました。そこまでして目立ちたいのかな……


「でも、Yamaguchi Racingには話題があるだろうにね……」


 岩崎(いわさき)チーフが話に加わって来ました。


「何かあったんですか?」


「ああ、Yamaguchi Racingのセカンドドライバーが山田孝則(やまだたかのり)からルーキーのジョージ マクレーになるかも知れないらしい」


「それって山田は解雇って事ですか?」


「いや、そうじゃなくてリザーブドライバーじゃないのかな」


 リザーブドライバーですか…… うちのチームには無いシステムです。


「Test 3日目のルーキーテストで良いタイムが出ればそうなるんじゃないかな…… 山田は昨シーズンは上位に入れてないからな」


 えっ、そうだっけ? ポイントは結構取れてたと思うけど……


「えっと、山田は結構入賞してましたよね」


 私はそう訊きましたけど……


「うん、前半は一度優勝してるが、あとは6位以降だったからな……」


「でも、そんな事…… ポイントだって取れてないドライバーだっているのに」


「常に上位を目指しているチームはそうなるんだろう。昨シーズンは杏香が参入してペースを乱されたドライバーもいただろうから」


 まあ、それを聞くとちょっとだけ同情しちゃうけど、勝負事だからね……


「まあ、うちのチームではリザーブドライバーを雇うほどの余裕は無いけどね!」


 いつの間にか鈴木(すずき)オーナーもいました。


「まあしかし、その話が本当なら山田は他のチームへ移籍なんて事もあるかもしれんな」


 鈴木オーナーはそう言いました。まあ、シーズンが終わり、新しいシーズンが始まるまでには色々とそう言う話もあるんだよね……


 セッション2も終了しました。セッション2では、中森はトップになりたかったのか最初から飛ばしていました。


 それに続くように松島も頑張って走っていましたね!


 そういう事もあって、トップは中森、2番手に松島でした。ちなみに杏香と結菜は5番手か6番手あたりだったと思います。テスト走行なんだから、順位よりもどれくらいのタイムで走っているかですよね……


「杏香、どんな感じだった?」


 私は、セッション2の感想を訊きましたけど……


「うん、中森は最初から目の色が違ってたかな……」


 いや、その感想を訊いてる訳じゃ無いんだけどね……


「松島も目が血走っていたよ!」


 結菜までがそんな事を…… あの二人は余程、杏香に対して風あたりが強いようです。


「まあ、さっきのセッションみたいな感じで良いから明日まで頼むよ!」


 鈴木オーナーはそう言いますけど……


「えっ、Testは三日間ですよね?」


 杏香はちょっと拍子抜けの感じで訊いてますけど……


「うん、三日目はルーキーテストだから君達のエントリーはしてないよ」


「あっ、そうか…… 去年は私もルーキーだったもんね」


 確かに去年この娘はルーキーだったけど、初日から三日間エントリー出来たから走ってたんだよね……


「結菜も以前は、ルーキーテストを受けたんだよね」


 杏香が当たり前の事を訊いたので結菜も……


「うん、あの時までは楽しく走れていたから……」


 まあ結菜には、嫌な事を思い出させちゃったかな……


「小山内さん、今年はエースになってくださいね! 期待してますよ」


 鈴木オーナーがそんな事を言いました。


「はい、頑張ります!」


 杏香は力強く言いましたけど、大丈夫かな……


 初日の公式Testが終わりました。


「美姫、もう終わり?」


「うん、私達も明日までだから」


「そうか、久々にお茶でもしない?」


「あっ、それならちょっと待って!」


 そう言って美姫さんはあとの二人を連れて来ました。


「あの、本物ですよね……」


 ひとりの女性がそんな事を……


「もう、梨帆(りほ)遥華(はるか)も肩の力を抜いて」


「うん……」


「どうかしたの?」


 杏香はそう訊きますけど、天然と言うか、気を遣う事を覚えて欲しい……


「あっ、さっきまで本当にマシーンに乗ってたんだよね?」


「うん、そうだけど」


「どうな感じだった?」


「えっ、えっと…… 普通」


「えっ、でも500馬力以上あるんだよね、エンジンの振動とか感じないの?」


 杏香は彼女に押され気味で、ちょっと引いてるかな……


 遥華はバイクに乗るから、そういうの好きだよね!


「えっ、バイクに乗るの?」


「うん、400までしか乗れないんだけどね」


 という事は普通二輪免許か……


「小山内さんはバイクとか乗らないの?」


「えっ、だって怖くないの?」


 彼女達にしてみれば、杏香はバイクよりも怖い物に乗ってる感じかな……


 まあ、ちょっとした女子トークで一日目が終わりました。

セッション1では杏香が目立って、セッション2では中森と松島が懸命にトップを狙いに言ったようです。あれだけ杏香の事を批判したくせに…… しかしその後は、チームアンバサダーの三人と女子トークで一日目終了です。

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