表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
123/140

123 ドラッグリダクションシステム

なんとかパナソニックコーナーまでブロックして、川嶋君にオーバーテイクされずに走って来ましたけど、メインストレートに入って一気にオーバーテイクされてしまった杏香は余程不思議に思ったようです。

 杏香(きょうか)川嶋(かわしま)君にオーバーテイクされないように、ラインを考えブロックしながらパナソニックコーナーまで来ましたけど……


 メインストレートに出た途端、川嶋君は杏香を一気に抜き去って行きました。彼は多分、DRSを使っていたと思います。


 DRSとはドラッグリダクションシステムの略でオーバーテイクをする時にウィングを可変させ空気抵抗を減らしてスピードを出すシステムで、杏香とのタイム差が1秒以内だったので、メインストレートで川嶋君は使用したんだと思います。


 杏香もスピードを上げて追いかけますが、オーバーテイクは出来ませんでした。今回、川嶋君は一度もDRSを使って無かったのに、杏香に抑え込まれていたのが余程気に入らなかったようです。


 その後5周くらい走ったところで……


「box」


 サラがボソッと指示を出したので川嶋君も杏香もピットへ戻って来ました。


「川嶋さん、メインストレートで私をオーバーテイクする時、何かやったでしょう!」


 杏香は抜かれたのがよっぽど悔しかったのかな…… 相手は格上なんだから可笑しくないんだけどね。


「別にズルはやってないぜ!」


「じゃあ、なんで一気に抜けたのよ!」


「前に教えたはずだぞ! DRSを使ったんだよ」


「DRS? あっ、ウイングを可変するやつか…… でも、あれは使える場所が決まっていたんじゃ……」


 そうだよね、シルバーストンでもストレートの区間に表示があったような……


「富士スピードウェイにF2やF1は来ないからな、でも使える場所は、大体ストレートなんだよ」


「でも、それってズルいんじゃない!」


「でも、使ってはいけないとは誰も言ってない。おまえだってDRSの事は知っていた筈だ」


 ここまで言われると流石の杏香も何も言えないかな……


「でもおまえは、間違いなく速くなってるよ! おまえのマシーンは置いていくからたまには練習しろよ」


 そう言って川嶋君達はあと片付けですけど……


「やっぱりズルい、もう一回勝負して!」


 杏香はそう言うけど……


「残念ながらもうすぐ日没だ、また今度な」


 彼はそう言って微笑みます。その笑顔を私が見るとドキッとしました。顔、赤くなってないかな……


 あっ、そんな事より今回も杏香は川嶋君との勝負に負けた訳だけど、今晩も機嫌が悪いのかな……


「杏香、私もあれはズルいと思うよ」


 結菜(ゆいな)はそう言って杏香の気持ちに寄り添います。


「まあ、そうね…… でも、あいつはDRSを使わないと負けると思ったんじゃない」


「確かに、美郷(みさと)さんの言う通りだよ。杏香はそこまで手強くなってるという事なんじゃない」


 まあ、そういことで私と結菜で杏香のイライラを少しは解消出来たかな……


「それじゃ、車で移動してホテルに行くわよ」


 私がそう言ったら……


「えっ、昨日の民宿じゃないの?」


 杏香からそう言われました。


「えっ、杏香は民宿が良かった?」


 結菜がそう言いますけど……


「だって、他の宿泊者さんと一緒に食事したり、話をしたりして楽しかったから」


 なるほど、杏香はそう言うのが好きなのね。


「でも、今日は私達三人だけなのよ! あのだだっ広い民宿で三人はきついよ」


「えっ、それは無理無理」


 結菜は首を振ってそう言います。解ってるね!


「それで今日は何処に泊まるの?」


 杏香がそう訊きます。


「今日は富士スピードウェイホテルです」


 私がそう言った時、サラが私の側にいました。


「えっ、サラどうしたの?」


 サラは無表情のままノートみたいな物を私に渡しました。


「good luck bay-bay」


 そう言ってサラは行ってしまいました。これ、なんだろう……


「ねえ、美郷さん、部屋はどんな感じ?」


 結菜はよっぽど楽しみなのかな……


「普通のシングルルームよ」


 私はそう言って車をホテルの方へ移動させてフロントへ行きます。杏香と結菜は今、ホテルの駐車場へ来たみたいです。


 私はチェックインを済ませて、三人で部屋へ行きました。


「凄い、サーキット場が綺麗に見えるよ」


 結菜がそう言うので杏香も窓のそばへ…… っていうか、ここは私の部屋なんですけど……


 この後、一度それぞれの部屋へ行ったんだけど、また私の部屋に来ています。はあ、ひとりになりたい……


「美郷さん、食事は?」


 杏香からそう訊かれましたけど……


「私はちょっと良いから、結菜と一緒に行って来て」


 私がそう言ったら……


「美郷さん、気分悪いの?」


 ちょっと心配してくれたみたいです。


「大丈夫よ!」


 私がそう言ったら杏香は結菜と一緒に食事に行ってしまいました。


 あーっ、やっとひとりになれた…… そう思ってベッドにうつ伏せになった時、サラからもらったノートが手に触れました。


 これ、なんだったんだろう…… そう思って開いてみたら、そこには杏香と川嶋君の一周毎のタイムが書いてありました。


 川嶋君が1分19秒から20秒、杏香も1分20秒から21秒でした。はあ、対して変わらないじゃない。杏香もかなり速くなったんだね。


 これで、teamSHOWGOとチームダムスのテストは終了しました。

テストが終わっても、杏香は納得出来て無かったので、今晩も杏香の機嫌が悪くなるのかと思い、結菜と二人で杏香をフォローしました。しかし、サラがくれたノートによると杏香と川嶋君の差はさほど無いようでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ