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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
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120 結菜の初体験

杏香のF2テストに見学に来た結菜ですけど、彼女もテストに参戦する事になりました。

でも、結菜はちょっと迷惑そうです。

 teamSHOWGOのテストをするため富士スピードウェイに来ていた私達ですけど……


 ただ、そこにはF2のチームダムスの姿もありました。


 ダムスの育成ドライバーになっている杏香(きょうか)のためにジェームズがF2最終戦の後、日本でテストをする事を提案したみたいなんだけど、これって絶対一緒に走りたかっただけだよね……


「それじゃ小山内(おさない)、準備が出来たらおまえからだ」


「えっ、私からってどういう事?」


 杏香はF2マシーンに乗ったまま川嶋(かわしま)君に訊いています。


「おまえと一緒にいたお嬢さんも乗りたいと思ってな」


 結菜(ゆいな)が乗りたいかどうかは解らないけどチャンスだよね! F2マシーンに乗れるなんて滅多にない筈だから……


「ふーん、それじゃ私は先に走ってるね!」


 そう言って杏香は、さっさとコースへ出て行きました。


「ねえ川嶋君、マシーンはもう一台余分にあるの?」


 私はちょっと気になりましたので訊きました。


「いや、小山内が乗っているのは、あいつ用に準備したものだから、他には無いよ」


「そうだよね、スーパーフォーミュラでもF2でもレギュレーションで Tカーの使用は禁止だよね」


 私はそう言いましたけど…… あいつ用!?


「ねえ、あいつ用ってどういう事?」


 私はそう訊きましたけど……


「だから、あいつ専用って事だ」


「いや、だからF2にステップアップもしてないのに、何故専用車があるのよ!」


「知るかよ! オーナーが準備したんだから」


 ちょっとキレ気味の川嶋君からそう言われてしまいました。


 えっ、でもオーナーって、私がそう思った時でした……


「Misato,please!」


 サラがそう言って私に無線を押し付けました。


「えっ、何、どうしたの?」


I don't (私は) understand(解らないから) ,so please(お願い)


 サラがそう言うので、私はサラから無線を受け取りましたけど……


『ねえサラ、聞いてる!』


 無線からは杏香の声、何か言ってます。あっ、それでサラが判らなかったのか……


「杏香、どうしたの?」


『あれ、美郷(みさと)さん?』


「もう、あなたが日本語で話すからサラが困ってたわよ!」


『あっ、そっか』


 サラも私の横で頬を膨らませています。彼女もこういう仕草をするのね、意外と可愛いとこあるじゃない。


『ねえ美郷さん、結菜はいつコースへ出て来るの?』


「えっ、どういう事?」


『だって、結菜もF2マシーンに乗るんだよね』


 あっ、杏香がコースに出る前に川嶋君が言ってたもんね。


「川嶋君、どうするの? 他にマシーンは無いんだよね!


 私が彼にそう訊いたら…… 川嶋君は私から無線を取って杏香に言いました。


「おまえともう一人のお嬢さんは交代で乗ってもらうから、こっちからボックスの指示をするまで好きに走ってろ!」


 そう川嶋君から無線で言われた杏香は、ジェームズおじさんとバトルを始めました。


「はあ…… それじゃ、私もレーシングスーツに着替えて来ます」


 そう言って、あまりやる気のない結菜ではあったけど、着替えに行ってくれました。一応スーツは持って来てたんだ。


 一方杏香は、後方からジェームズに突かれながらも走っています。


『美郷さん、ジェームズをなんとかしてよ!』


 杏香は無線でそう言うけど…… ジェームズが私の言う事なんて聞く訳ないでしょう。


「無理よ! 自分でなんとかしなさい」


『えーっ!』


 杏香はそう言って、無線越しに声を上げてますけど、仕方がないですね!


 そして、杏香が苦戦しながらも10LAPくらい走った頃……


「小山内もジェームズもそろそろ疲れて来たかな」


 川嶋君がそう言って……


「小山内、ジェームズ、ボックス!」


 そういう事で、選手交代です。その時丁度、結菜がレーシングスーツに着替えて戻って来ました。


「結菜さん、交代だって!」


 私がそう言ったら、結菜は苦笑していました。


「はーい……」


 結菜が気のない返事をした時、杏香とジェームズがピットに戻って来ました。ここで杏香と交代した結菜がマシーンに乗り込みます。


「どうだ、シートの調整はいるかな?」


 川嶋君が訊いてますけど……


「大丈夫です」


 機嫌悪そうにツンとした表情で結菜は言いました。やっぱり、ちょっと怒ってるのかな、折角F2に乗れるのに……


「ボックスの指示があるまで走って良いんですよね」


「ああ、操作はさっき教えた通りだ」


「解りました」


 そう言って結菜はコースへ出て行きました。


「いや、凄いね。ストールせずにマシーンを走らせたよ」


 川嶋君はそう言うけど、それって普通じゃないの? 私はそう思いました。


「すみませんね、私は初めてF2に乗った時は、エンストしましたから」


 杏香が怪訝そうにそう言いました。そう言えば、そんな事もあったね……


「おお、怖」


 そう言って川嶋君も自分のマシーンでコースへ出て行きました。先にコースへ出た結菜はアドバンコーナーに差し掛かっているところです。さて、川嶋君が何処で結菜に追い付くかな……


「それにしてもジェームズは疲れてるんじゃない?」


 杏香がそう言ってますけど…… ジェームズは杏香の方をジッと見ています。何か言われてるというのは解っているようです。


What are(なんて) you saying(言ってるんだ)?」


 ジェームズが杏香に言っています。


「James,aren't you tired?」


 私がそう言うと…… ジェームズは静かに首を振るだけでした。


 でも、顔は疲れてるように見えます。本当は疲れているんでしょう! 昨日はうちのチームのスタッフと一緒にかなりお酒を飲んでいたからね……

杏香が10周くらい走ったところでピットへ戻されました。ここで結菜と交代のようですけど、彼女は迷惑そうです。大丈夫かな……

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