119 F2テスト再び
杏香と結菜はスーパーフォーミュラのテストを終わらせましたけど、杏香の為にチームダムスが来てるので、杏香は引き続きF2によるテストです。結菜もいい経験になるからとオーナーから見学という事で参加する事になりました。
私達は富士スピードウェイにteamSHOWGOとしては初のテストに来ていますが、そこでF2のジェームズと川嶋君、それとサラに出会いました。
彼らもF2最終戦UAEグランプリからの帰りに日本に寄ったらしいですけど…… どう考えてもイギリスとは正反対の方へ来てますよね!
「あっ、川嶋さんちょっと良いかな」
鈴木オーナーが秀樹と話をするみたいだけど……
「どうかしたんですか?」
「いや、明日の君達のテストなんだが、うちの木村も見学させてもらえないかな」
「木村? えっと……」
「うちのセカンドドライバーだ! 前にヨーロッパで下位のカテゴリーで走った事はあるんだが、良い経験になると思うんだ」
「解りました。GMのリチャードに言っておきますよ」
鈴木オーナーとそう話をしている川嶋君ですけど……
「ちょっと川嶋君、あなたがそれを決めて良いの?」
GMもそうだけど、オーナーへ話を通さなくて良いのかな……
「美郷、今回の件は俺たちに任されているから問題ないよ! それにオーナーは……」
「まあ、楓オーナーにも話は行くはずだから、良いか」
その後、杏香と結菜はフリー走行を最後までやってテストは終了しました。
「美郷さん、小山内と結菜が残るって聞いたけど、マシーンは撤去で良いんですよね?」
チーフエンジニアの岩崎さんとチーフメカニックの山口君が私のところへ来ました。
「えっ、ちょっと待って」
私はそう言った後、もう一度川嶋君に訊きます。
「ねえ、SF23は撤去して良いのよね」
「ああ、あいつにF2 2024に慣れてもらわないとな!」
「じゃあ、teamSHOWGOは撤退で良いんだよね」
「ああ、ドライバー二人とおまえがいれば良いよ」
それって…… まあ、良いか。
「うん、解った」
そういう事で山口チーフと岩崎チーフにも、そう指示をしました。はあ、私も居残りか……
「それじゃみなさん、ふく福で反省会をしますので!」
「えっ、今日もやるの?」
満面の笑顔でそう言う山口君です。
「はい、大将からこっちに来たなら寄って行くでしょうって」
まあ、良いか…… まずドライバー二人はお酒は飲まないだろうから。
「あっ、川嶋さん達も一緒にどうですか?」
はあ、彼らは明日テストなのに……
「それじゃ、あとでふく福に行きます」
川嶋君がそう言ってますけど、サラやジェームズも行くのかな……
私は、あと一泊ホテルを抑えないと、三人で民宿はちょっとね……
金曜日の朝、teamSHOWGOの皆さんは民宿駿河屋さんを出て行きます。
「姫、私ももう一日残ろうか!」
などと菜穂子さんが言ってますけど……
「もう、大丈夫だよ! いつまでも子供扱いしないで」
まあ、結菜としてはそうなのかもだけど……
「美郷さん、サーキット場までバスで行きませんか?」
今度は岩崎チーフです。まあ昨日テストが終わった後、こっちに車を持って来る予定だったんだけど、ふく福へまっすぐ行ってしまったから杏香も結菜も私もサーキット場に車を置いたままなんだよね……
「はい、お願いします」
そう言ってバスに乗り込みましたけど…… 鈴木オーナーと山口君、それに小林さんまでが顔色が悪いです。
「オーナー、どうかしたんですか?」
「えっ、昨日ちょっと飲み過ぎた…… オエ」
この三人は昨日、終始ご機嫌でしたからね! そういえば、サラ達も一緒に結構飲んでいたと思ったけど……
「岩崎さん、ジェームズやサラは?」
「えっ、誰?」
いや、昨日ふく福で一緒に飲んでいたでしょう!
「F2のスタッフとドライバーですよ」
「あっ、あの人達は朝早くから出て行きましたよ」
ハハ、ジェームズとサラは底なしなのかな、昨日結構飲んでいたから心配してたんだけど……
そんな事を思っているうちに富士スピードウェイに到着しました。
「じゃあね彼方さん、マシーンの整備お願いします」
「うん、でも結菜のマシーンは源さんが主になって亮達三人がやるから」
「えっ、大丈夫なの?」
「ああ、源さんがいるし、あいつら三人も腕は確かだから」
「余計な事を言わないと良いんだけどね」
結菜は源さんの事信用してないのかな、それともあの三人が信用ならないのか……
私達はバスを見送った後、パドックの中へ入りました。
「おはようございます」
「おっ、来たな! おはよう」
川嶋君も問題無さそうね。
「よろしくお願いします川嶋さん」
「ああ、容赦しないからな」
川嶋君、そこはお手柔らかにね!
「Hey Japanese girl it' a game!」
はあ、ジェームズは余程杏香と走りたかったのね……
[ピーター、マシーンの調整は出来てるか?]
川嶋君が英語で訊いています。
[ああ秀樹、いつでも行けるぜ!]
「小山内、乗ってみてくれ」
そう言われて杏香はF2 2024に乗り込みます。
「どうだ、走れるか?」
「うん、大丈夫行けるよ!」
「そっちのお嬢さんは小山内が走った後いいかな」
「えっ、私も乗るの?」
結菜は見学だけのつもりだったから、ちょっと驚いている?
「見学だけじゃつまらないだろう」
そういう事で、急遽結菜も参戦です。
富士スピードウェイのパドックに着いた直後、杏香はF2マシーンに乗り込みます。まあ、駿河屋さんからレーシングスーツを着て来てるからそのつもりだったんだろうけど、結菜まで参戦する事になるとは、結菜は心の準備が出来てないよね……




