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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
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118 タイムアタック

この後、タイムアタックをジェームズ達の前でやります。ジェームズが黙って見ててくれると良いけど……

 川嶋(かわしま)君の説得もあって、ジェームズは納得はしてくれたみたいだけど……


「ねえ、あのおじさん帰らないの?」


 杏香(きょうか)も気になるようです。


「きっと、杏香の事が気になるんだよ!」


 結菜(ゆいな)も他人事だと思って言いたい放題だな……


「オーナーが、見学を許したから仕方がないでしょう」


「えーっ……」


「そんな事言わないの、あなたはダムスの育成ドライバーなんだから」


 それを聞いた結菜は驚いています。


「えっ、杏香ってそうなの? 凄いじゃん」


 結菜にそう言われて、杏香も悪い気はしないかも知らないけど……


「そんなの大した事無いよ! それに私はあの二人にまだ勝ててないから」


 そんな事を聞いた結菜は、目を見開き、口を開いて杏香を見ています。


 この娘は、現役F2ドライバーに本気(まじ)で勝つつもりなのかしら……


 その後私達は、軽く昼食をとった後、休憩がてらお喋りをしています。


 結菜と一緒のチームになってからと言うもの、そういう時間が増えました。杏香も同じ年頃の女の子とお喋りしたいんだろうな、だけど……


「はいはいお二人さん、そろそろタイムアタックをするわよ!」


 お喋り中の二人に私は割って入りました。


「うん、三回ずつ走るんだっけ!」


 杏香がもう一度確認します。


「ええ、そうよ!」


「それじゃ、私はまだ良いよね」


 結菜がそんなことを言いますけど……


「えっ、あなたもコースに出るのよ」


「えっ、交代で走るんじゃないの?」


「本番はコースに他のマシーンがいるでしょう」


「えっ、それじゃ邪魔していいの?」


 はあ、杏香までがそんな横槍を入れて来ました。今は結菜に説明してるでしょう……


「故意に邪魔しちゃ駄目よ!」


 私がそう言った後、二人はピットへ行き、数分後にはマシーンでコースを走り始めました。


「杏香、結菜聞こえる?」


 私は無線で話しかけましたけど……


『なあに』


『はい』


 二人それぞれの返事がありました。


「取り敢えず、コースを三周くらい走ってから杏香が最初にアタック、結菜は次の周回からアタックして」


美郷(みさと)さん、連続でアタックしちゃ駄目?』


 杏香らしいな……


「駄目よ! 一回ずつ交代でやるのよ、良いわね」


『はーい』


『了解』


 うーん、この二人をまとめるのは大変だ……


 杏香と結菜は、タイヤを温めるため三周回りましたが、杏香は三周目が終わるパナソニックコーナーからスピードを上げ、メインストレートを通過して行きました。


小林(こばやし)さんタイムOK?」


「はい」


 杏香が通過した後を結菜も軽く流すように走って行きました。


 杏香はもう既にコカコーラコーナーを通過してアドバンコーナーへ向かっています。


小山内(おさない)さん、良いタイムですね」


 菜穂子(なほこ)さんもストップウォッチ片手にそう言ってますけど……


「菜穂子さんは結菜のタイムを……」


「大丈夫、解っているから!」


 まったく勝手な事を…… こっちも大変だ……


 杏香が一周目パナソニックコーナーを回ってメインストレートに戻って来ました。


「小山内さん1回目1分22秒643です」


 その後、結菜がメインストレートからスピードを上げて、アタックを始めます。


「菜穂子さん!」


 私がそう言いましたけど、彼女は右手を挙げて……


「大丈夫」


 そう言ってストップウォッチを見せます。そうしてる間に第1コーナーを回った結菜はコカコーラコーナーへ向かっています。


[違う! そこはもっとインを攻めるんだ。コーナーリングが甘い!]


 などと、ジェームズが英語で叫んでいます。まったく野次馬のおじさんか! サラと川嶋君はジェームズの隣で恥ずかしそうに杏香と結菜の走りを見ています。


 結菜はプリウスコーナーを通ってパナソニックコーナーまで戻って来ました。


「うん、結構良いタイムかも」


 菜穂子さんがそう言った時、結菜がメインストレートを通過して行きました。


「1分23秒129です」


 うーん、もう少し速く走れないかな…… あとコンマ5秒くらいは何とかしたいけど……


 杏香の2回目がまもなく始まります。今、メインストレートを通過しました。


 杏香は第1コーナーを回った後、コカコーラコーナーから100Rまでのなだらかなコーナーを進みます。


 その後、アドバンコーナーからダンロップコーナーの緩やかなコーナーを回り、13コーナー、プリウスコーナー、パナソニックコーナーを回ってメインストレートを猛スピードで走り抜けて行きました。


「タイムは?」


「小山内さん2回目1分22秒467です」


 うん、杏香のタイムは少しずつ速くなってるかな。


 その後、3回目のアタックまで終了して杏香と結菜がピットへ戻って来ました。


「ねえ、タイムは?」


 パドックへ来るなり杏香が訊きました。


「まあまあってとこね」


 私がそう言った後、小林さんからタイムを訊いています。


[ヘイ、ジャパニーズガールなんだあの走りは! あれではF2なんて夢また夢だぞ!]


 ジェームズが英語で捲し立てています。でも、杏香のタイムはそこそこ良かったと思うけど……


 ジェームズはヘルメットを脱いだ彼女にそう言っています。


「えっ、私!?」


 結菜は驚きの余り言葉が出ません。


「ジェームズ、小山内はあっちだ」


 川嶋君が日本語でそう言った時、ジェームズは訳が解らない様子です。


Japanese(日本の) women are(女は) in trouble(同じような) with the(顔に) same face(見えて困る)


 ジェームズが小声でそんな事を言ったのを私は聞き逃しませんでした。


There's(まったく) no such(そんな訳) reason(ないで) at all(しょう)


 でも、サラがそう言ってくれたので、私は聞かなかった事にしました。

タイムアタックが終わりました。ジェームズは杏香と結菜を間違っていたみたいです。結菜に向かって結構文句を言っていたもんな……

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