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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
115/138

115 テスト走行開始!

杏香と結菜は、マシーンの整備が終わるのを待ち切れずに自家用車のコペンでコースを走っています。


しかし、よく許可が出たよね……

 私達は、teamSHOWGOの初テストの為、富士スピードウェイに来ています。


 杏香(きょうか)結菜(ゆいな)は、まだSF23の調整が終わってないので、私用車のコペンでコースを軽く走っています。


 とは言っても一周を2分20秒から30秒で走っているということは、一周4563mだから…… 110km/hくらいで走っているのかな…… 算数は苦手だからよく解らないけど……


(げん)さん、整備はどれくらいで終わるの?」


美郷(みさと)さん、もうすぐ終わるから」


 源さんはそう言いますけど……


「いや、もう少し掛かりますよって言うか、おばさん誰!」


 お、おばさん…… 最近のガキは口の聞き方を知らないようね。私は眉間に皺を寄せながらガキを睨みつけています。


 その時…… そのガキどもに拳骨が落とされました。


「おい、失礼な事を言うなよ! この方はチームディレクターの北島美郷(きたじまみさと)さんだ。おまえらみたいに口の聞き方がなっていない奴は、すぐに解雇されるぞ! 代わりは沢山いるんだからな」


 そう言いながら岩崎(いわさき)さんが怖い顔をしています。


「美郷さんすみません。こいつら腕は良いんだけど口が悪いので…… すぐに解雇しますか?」


 岩崎さんがそう言うので若手三人組は私の事を女神様に許しを請うような顔で頭を下げています。


「岩崎チーフ、もうその辺にしてやったら」


 源さんもそう言ってますけど……


「源さん、甘やかしたら駄目です。こいつら源さんの事もクソジジとか言ってたんだから」


「ハハ、おまえら本当にクソガキだな!」


 あーあっ、ほとんどのスタッフを敵に回したようね。


「岩崎さん、その辺にしておきましょう。いざという時はいつでも代えれますから」


「はい、美郷さんがそう言うなら」


 私がそう言った事で彼等はホッとしているようです。


「それじゃ、あの二人にボックスのサインボードを出して来て」


「あっ、はい」


 クソガキ三人組のひとりがボードを出しに行きました。


「あんた達、また何かやらかしたの?」


 菜穂子(なほこ)さんまで加わって来ました。


「菜穂子さん、大した事じゃないから……」


 私がそう言った時……


「俺のことをクソジジとか美郷さんのことをオバサンと言ったんだよ」


「はあ…… とんでもない命知らずね、チームにいられなくなっても知らないから」


 その時、杏香と結菜も戻って来ました。


「美郷さん、もうマシーンに乗れるの?」


「ええ、いつでも乗れるわよ」


「やった! 結菜行こう」


 本当好きだね……


「ちょっと待った!」


 ここで翔吾(しょうご)さんの登場です。


「えーっ!」


小山内(おさない)さんと結菜は、取り敢えず休憩してください。その後、十周のスプリントレースをやってもらいます」


「それでタイムを競うんですね」


 嬉しそうに杏香が言いますけど……


「いや、タイムを競うんじゃなくて先にゴールした人がファーストドライバーだ!」


「えーっ、別に結菜がファーストでも良いよ!」


 はあ、杏香も口の聞き方がなってないな……


「わ、私は無理だよ!」


 結菜も両手を振っています。


「まあ、そうだな…… 実力からすると小山内さんなんだけど、結菜にもチャンスをと思ってね」


「だったらジャンケンで決めた方が早くないですか?」


 ハハ、杏香は何言ってるのか……


「まあ、二人の問題ならそれで良いんだけど、これはチームの問題だからね」


 まあ、適当に決めるような事じゃないよね。


「それじゃ、スタートはどうするんですか?」


 今度は結菜が訊いています。


「一番グリッドと二番グリッドからスタートする」


「それじゃ、どっちが一番グリッドなのかジャンケンで決めない?」


 結菜もジャンケン好きだね……


「結菜が一番グリッドで良いよ」


 杏香は余裕でそう言ってるみたいだけど……


「ううん、負けた時に、それを理由にして欲しくないから」


 結菜も言うね、まあ、きちんとしたいんだろうけどね!


「それじゃ、最初はグー、ジャンケンポイ」


 杏香はチョキを出しましたが、結菜はパーを出していました。


「それじゃ、私が一番グリッドで良いね」


 杏香はドヤ顔で言っています。


「うん、もちろん」


 結菜は顔を顰めながら痩せ我慢です。折角杏香が譲ってくれたんだから、そうすれば良かったのに……


 そういう事で、今からスタートですけど……


「それじゃ、3周回ってグリッドに着ければ、タイヤもあったまっているよね?」


「うん、美郷さんそれで行きましょう」


 そういう事で、ピットが慌しくなりました。


「耕太、回して!」


「了解、えっと……」


「ちょっと早くしてよ!」


「ああ、入った回すぞ!」


 そう言って圧縮ガスを吹き込みます。


『ブォン』


「よし、掛かった、行ってこい!」


「うん」


 杏香がマシーンを動かしたのを見た結菜が……


「ちょっと、早く私のマシーンも回してよ!」


 すると三人の内のひとりが準備をします。


「亮、早くして!」


 でも、エアスターターが入りません。


「もう下手くそ、早くしなさいよ!」


 結菜がそんな事を言うとは……


「は、入った! 回します」


 そう言って圧縮ガスを吹き込みます。


『ブォン、ブォン』


「よし、エンジン掛かりました」


 すると結菜はピットから急いで出て行き杏香を追いました。


 それを見ていた源さんは何だか難しそう顔をしていますけど、何かあったのかな……

いよいよ、ファーストドライバーを決める為のスプリントレースが始まります。余裕の杏香か、それとも結菜に奇跡が起こるのか……

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