114 テスト前の休息
岡崎SAでチームのバスや杏香達と会いました。バスはマシーンの富士到着が早まった為、弁当を食べながらの移動のようです。杏香達は、私達が食事をしてる間に出て行ったようです。
私と菜穂子さんは、お昼に味噌カツを食べた後、エリア内を散策します。SAってとっても楽しいところなんですね!
「あれ、杏香達はもう行っちゃったのかな」
「あっ、あの二人なら私達が食事してる時に行っちゃったみたいですよ」
そうなんだ、ここから一緒に行くのかと思っていたけど……
「美郷さん、ソフトクリーム食べません?」
「えっ、お昼食べたばかりだよ」
「甘いものは別腹です」
うーん、確かに美味しいんだよね…… でも、太っちゃうよね……
「あっ、私は良いわ! 食べれそうもないみたいだから」
「ふーん、美郷さんは別腹じゃないのね」
いや、みんなそんなのは無いから……
その後、私達は岡崎SAを後にしました。
「美郷さん、何処のインターで降りるんですか?」
「えっとね、新御殿場ICが一番近いかな」
そういう事で岡崎SAから二時間くらいで新御殿場ICに到着しました。
「はあ、長かったね」
ずっと運転した私は、ちょっと疲れました。
「私は凄く楽しかったかな」
そんな話をしながら富士スピードウェイパドックの裏に到着です。
「マシーンはもう来てるのかな」
菜穂子さんも気にはなってるのね。
「三時到着が、一時到着に変更になったみたいだから、もうピットにあるんじゃないかな」
菜穂子さんとそう話しながらパドックの中へ来ました。
「あっ、お疲れ様です」
翔吾オーナーがいました。
「お疲れ様です」
「結菜達と一緒じゃなかったんすですか?」
「岡崎SAでは会いましたけど、先に出て行きましたよ」
「そうですか、まだ来てないんですけど……」
多分、何処かで遊びながら来てるんじゃないかな……
「二人でいるから、あっちこっちと寄り道してるんじゃないですか」
「そうですか……」
うーん、ちょっと心配し過ぎじゃないかな……
そう思いながらピットへ行くと、杏香のマシーンに新品のトヨタエンジンが装着されてました。
「美郷さんお疲れ様です」
岩崎彼方さんです。
「お疲れ様です。パワーユニットも載っているんですか」
「ええ、いつでも乗れますよ!」
山口君と岩崎さんは一緒にマシーンのセッティングをしています。
「美郷さん、杏香も一緒に来たんですか」
源さんもちょっと心配してるのかな。
「いえ、岡崎で会ったんですけど、私達がお昼を食べている時、先に行ったみたいです」
「もう四時を過ぎたな」
もうすぐ日没ですけど、その時……
「お疲れ様です!」
二人のドライバーがパドックに現れました。
「杏香、何処にいってたの?」
「あっ、河口湖や本栖湖の方に行ってたから」
やっぱり寄り道してたようね!
「二人とも車は何処に停めたんだ」
翔吾さんからそう訊かれてます。
「パドックの裏の美郷さんの車の隣だけど」
「それじゃ二台ともパルクフェルメに止めなさい」
「えっ、どうするの?」
ちょっと不安そうな杏香ですけど……
「人が入れないパルクフェルメの方が良いでしょう」
まあ、その方が悪戯されたりしないよね。
「美郷さんも移動してた方が良くないですか」
まあ、鈴木翔吾オーナーがそう言うなら……
「はい、それじゃ」
そういう事で、パルクフェルメに女子三人の車が止められました。
「翔吾さん、コースを2、3周走れないですか?」
杏香はまだ、走り足りないのかな……
「あっ、さっきまでGTカーが走っていたから今日は無理だね」
「うーん、そうか……」
「杏香は本当に走るのが好きだね!」
「だって……」
「明日の朝八時以降なら大丈夫だと思うけど」
「杏香、今日は諦めなさい」
まったくこの娘は……
この後、明日の予定を確認して、全員宿泊先へバスで移動しました。宿泊先は民宿駿河屋さんです。
「えっ、ホテルじゃないの?」
私は言いましたけど……
「私は、こういうの好きですよ!」
と言うのは、菜穂子さんです。私は部屋も菜穂子さんと一緒になりました。今晩はゆっくり眠れるかな……
翌日、私達がリビングへ行くと鈴木オーナーがいました。
「あれ、オーナーだけですか?」
「やあ美郷さん、みんなはもうサーキットへ行ったよ」
えっ、テストは九時からですよね……
「杏香と結菜もですか?」
私がそう訊くと……
「小山内さんと結菜はコペンでサーキットを走っていますよ」
「えっ、コペン?」
「まあ、サーキット側には許可をもらっているから」
話によると、メカニックがマシーンの調整の為、朝イチでサーキットへ行く時、一緒にバスで行ったみたいです。しかも、結菜がサーキットをコペンで走りたいと鈴木オーナーにお願いしていたようで、杏香もそれに便乗したようです。
やっぱりお嬢様の考え方は解らないわ……
私達は朝食を食べた後、鈴木オーナーのレクサスLSに乗って富士スピードウェイのパドックへ来ました。
その時には、既に二台のコペンGRが我が物顔でコースを走っていました。
まったくあの二人は何をしているのか……
ピットでは、杏香のマシーンを山口君と青木君と水上君が、結菜のマシーンをteamSHOWGOのメカニックが源さんの指導で整備されています。
「ねえ小林さん、もうどれくらい走っているの?」
「あっ、美郷さん! まだ三十分くらいですよ」
タイムキーパーの小林さんですけど、タイムを測っていました。
「タイムはどれくらいなの?」
私が訊くと……
「一周2分20秒から30秒くらいです」
まあ、そうだよね…… スポーツタイプとはいえ、660CCの軽自動車だもんね……
teamSHOWGOのテストの為、富士スピードウェイに来ていますが、杏香と結菜は朝一番からフォーミュラマシーンではなくコペンでコースを走っているとか…… 走る事によっぽど飢えてるようです。




