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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
106/133

106 発表

鈴鹿の第9戦でteamKAEDEの本多君と杏香がワンツーフィニッシュを決めた事で年間チャンピオンの可能性を首の皮一枚残す事が出来ました。最終戦も本多君と杏香がワンツーフィニッシュになれば逆転チャンピオンになれますけど……

 第9戦鈴鹿のダブルヘッダー前半戦が終わりました。


 優勝が本多(ほんだ)君、2位に杏香(きょうか)、3位に中森(なかもり)、4位に谷山(たにやま)、5位にパンドラー、6位に結菜(ゆいな)、7位に松島(まつしま)、8位に小島(こじま)、9位に山田(やまだ)……の順位でした。


 これで年間チャンピオン争いは、中森、本多君、杏香の三人に絞られました。


 チャンピオン争いも、第9戦終了時でトップの中森が119ポイント、2番手に本多君の111ポイント、3番手に杏香の106ポイントですが……


 仮に本多君が、最終戦優勝で20ポイント獲得、2位に杏香が15ポイント獲得したとして、中森が3位で11ポイントだった場合、本多君が131ポイントで逆転ということになりますが……


 杏香が優勝で本多君が2位の場合は逆転出来ない…… あっ、それって…… はあ、難しいな…… 頭が痛くなってきた……


「あの、すみません、私MSファンの鷹島(たかしま)と申します」


 えっ、MSファン? マシーンの部品か何かかな……


「あの、メカニックを呼びますのでお待ちください」


「えっ、いや、GMかディレクターさんをお願いしたいんですが……」


「えっ、あっ、私がチームディレクターの北島(きたじま)ですけど……」


「……」


 何、この()は……


「あの……」


 私が、そう声をかけた時……


「鷹島?」


 彼の背後から月刊フォーミュラの神田(かんだ)さんが来ました。


「こんにちは、北島さん。(かえで)オーナー、今度は何をするつもりなの?」


 えっ、何それ?


「神田さん、どういう事ですか?」


「いや、楓オーナーから来シーズンteamKAEDEは休止すると記者会見で発表されたから……」


 神田さんが、そう説明した時MSファンの鷹島さんも神田さんの横でうん、うんと頷いています。


「えーっ! 発表しちゃったんですか?」


 そう言えば、GMが発表がどうとか言っていたような……


「という事は、オーナーの見切り発車ですか……」


 またかと頭をかきながらの神田さんですけど……


「いえ、その話は本当なんですけど……」


「スゲーっ! これはスクープだ」


 そう言って鷹島さんは慌ててパドックから出て行きました。いや、もう発表されてるからスクープじゃ無いんじゃないかな……


「あの神田さん、さっきの人は?」


「あっ、彼はモータースポーツファンの記者ですよ! 取材を受けていたんじゃ無いんですか?」


「あっ、いえ……」


 あっ、メディアの人だったのか……


「それより、teamKAEDEのドライバーやスタッフはどうなるんですか?」


「あっ、えっと…… teamSHOWGOに移籍という形になりました」


「あっ、そうですか、それなら良かったけど…… エンジンやパワーユニットがホンダからトヨタに変わるから大変ですね」


 あっ、そうか…… 解ってはいたけどメカニックは大変だよね。


「それじゃ、ドライバーも本多君、小山内(おさない)さん木村(きむら)さんとなるとファーストドライバーは本多君が……?」


 えっと、会見があったのなら説明があったのでは……


「会見ではそういう説明はなかったんですか?」


「いや、それが、言いたいことだけ言って会見は終了したので……」


 なるほど、それで私のところへ来た訳か……


「あっ、本多君は……」


「本多君がどうかしたんですか?」


 あっ、そう言えば本多君はWECへの移籍を発表していませんよね……


「えっと、ファーストドライバーはどうなるか判りませんけど、杏香と結菜がドライバーになります」


「えっ、本多君は?」


「えっと、それが……」


 困りました…… なんと言うべきか……


美郷(みさと)さん、スクープにはしないからお願いしますよ」


 そう言われても……


「神田さん、ここだけの話にしてくださいよ…… 約束ですよ」


 そう、念を押して本多君が来シーズンWECへ行く事を話しました。


「そうですか……」


 神田さんはそう言いますけど……


「驚かないんですか?」


「うん、まあ本多君は元々スーパーGTのドライバーでしたからね」


 そうですよね、スーパーGTでチャンピオンになった本多君を楓オーナーがスーパーフォーミュラに呼んだんですから……


「でも神田さん、しばらくは内緒ですよ」


「解りました。でも、来シーズンから女性二人ですか…… 大丈夫なんですか?」


 神田さんはそこまでうちのチームの事を心配しているのかな……


「大丈夫ですよ! 杏香は今シーズンだって、タイトル争いをするくらい速いし、結菜だって前からしたら速くなりましたから」


「まあ、そうですね! 木村さんはレーサーだけじゃなくスポンサー獲得にも貢献してるようだから」


「そうなんですね……」


 あの娘はどうなっているのか? 杏香の車を買う時もメーカーさんとは顔馴染みみたいだったけど……


「北島さん、それじゃ私はこれで失礼します。本多君には早く発表するように言ってください」


 そう言って神田さんはパドックを出て行きました。


「美郷さん、後片付け終わったから食事に行きましょうよ!」


 杏香が、そう言いながら私の側へ来ました。


「ねえ、本多君は?」


 私がそう訊いたら……


「俺はここにいますけど」


 という事で、WECの発表の事を訊きました。


「あっ、忘れてた! どうしよう……」


 本多君がそう言うので、神田さんにお願いするように言いました。


 神田さんなら本多君の事を考えてくれるでしょう。自分とこのスクープになる事を前提に……

teamKAEDEの来シーズン活動休止が発表されました。しかし、たいした説明もなく会見も無かったようでした。ただ、本多君もWEC移籍の発表もしてないので、きちっとした形でやらないといけないんじゃないのかな……

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