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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
102/132

102 予選トップ争い

teamSHOWGOのGMにお願いされたけど、お断りしました。これであの狸親父も解ってくれれば良いんだけど…… 取り敢えず今は予選Q1です。

 第9戦鈴鹿のダブルヘッダー予選Q1がまもなく始まります。


杏香(きょうか)!」


 そう言ってピットへ来たのは斎藤(さいとう)さんと柚月(ゆづき)さんです。


小山内(おさない)さん、私……」


 彼女がそう言い掛けたとき……


「杏香、車買ったんだって!」


 柚月さんが割り込んで話して来ました。


「えっ、あっ、うん、12月に納車なんだけどね」


 あれ斎藤さん何か言いたい事があったんじゃないかな、何か言いかけたよね……


「ねえ、何買ったの?」


 柚月さんは興味深々だけど、斎藤さんは……


美姫(みき)行くよ」


「えっ、もう行くの?」


 柚月さんは斎藤さんに引っ張られてうちのブースの方へ行ってしまいました。


「斎藤さん、杏香に言いたい事があったんじゃない?」


 私は、そう訊きました。


「うん、そんな感じだったよね……」


 杏香も気付いてはいたようだけど、柚月さんが割り込んで来たからね……


「小山内、もうすぐ予選Q1が始まるぞ!」


 山口(やまぐち)君に言われて、本多(ほんだ)君と杏香はマシーンに乗り込みピットロードを通ってコースへ出て行きました。


 あれ、杏香はB組じゃなかったかな、なんだかバタバタして出て言ったけど……


 本多君は今、逆バンク付近を走行しています。杏香は左右にマシーンを蛇行させながらS字コーナー付近を走っています。


「あっ、そろそろ始まるな、美郷(みさと)さん、小山内に戻るように言ってもらって良いですか」


「うん、杏香はB組だよね」


「はい」


「杏香、Q1A組が始まるからボックス」


『了解』


「ねえ、どうして杏香はコースに出たの?」


 私が無線でそう訊いた時、杏香がピットへ戻って来ました。私の質問はスルーかい?


「小山内さんどうだった?」


「うん、大丈夫だと思います」


 山口君と杏香は何を話しているのかな……


「ねえ、どうしてB組の杏香がコースへ出たの?」


 私は、もう一度訊きました。さっきスルーされたからね!


「あっ、それはですね……」


 山口君はなんだか気まずそうですけど……


「タイヤの空気圧を調整しただけだよ!」


 杏香がそう答えました。なんだ、だからちょっと走ってみたのね!


「本多君1回目のアタック1分37秒701です」


 本多君、もうアタックしたのね! タイムも良いとこ出てるかな。


「美郷さん、本多の調子は?」


 GMです。彼の事が気になるのかな……


「1回目で37秒台ですのでまあまあでしょう」


「うん、あいつもこの週末で終わりだからな」


「はい、良い結果で見送ってあげたいですね」


「本多君2回目1分36秒826です」


 Q1トップです。これは行けるかな。


 ここでQ1A組が終わりました。トップは本多君、2番手に松島(まつしま)、3番手に谷山(たにやま)です。


 この後Q1B組が始まります。


「小山内、最初2周は様子見で」


 山口君がそう言ってますけど……


「大丈夫ですよ!」


 杏香は何も問題ないと自信満々です。


「うん、まあ、0.2barくらいしか抜いてはいないけど……」


 珍しく山口君が心配しています。


「おーい杏香、エンジン回しているから急げよ!」


「うん、今行く」


 水上(みなかみ)君も杏香のマシーン担当になって、もうすぐ一年だね。


 杏香はこの一年目のシーズンで、かなり成長出来たかな。


「それじゃ、予選行ってくるね!」


 うーん、成長は出来たけど楽天的な性格はそのままだね……


 Q1B組が始まりました。杏香は積極的に最初からアタックしています。山口君の指示はスルーだね……


 今は第2コーナーを回ってS字コーナーから逆バンクを通ってダンロップコーナーへ向かいます。


 今のところ、杏香の前には邪魔なマシーンがいないので、良いタイムがでそうです。


 今、シケインを通過した杏香は最終コーナーへ向かいます。タイムは1分32秒を過ぎたくらいです。


 これは行ける! 私がそう思った時、杏香がメインストレートを通過して行きました。


『ピッ』


「小山内さん1分36秒687です」


 この娘はまた、とんでもない事を、本多君さえ1分36秒826なのに……


 この事を知ったのかどうかは解りませんが、中森のスピードが一段と速くなったような…… そう思ったのは私だけでしょうか……


『ピッ』


「中森1分36秒698です」


 うーん、取り敢えず杏香がトップですけど、中森も残り時間ギリギリでもう一度アタック出来そうです。


 杏香も今、時間的に最後のアタック中です。


 まあ、Q1だからそこまでムキにならなくても6位までに入れれば問題ないのですが、杏香も中森もトップ通過にこだわっているみたいです。


 杏香が130Rを通過してシケインまで戻って来ました。タイムも良い調子です。


 今、最終コーナーを回ってメインストレートを通過しました。


 『ピッ』という音と共にモニターにタイムと順位が更新されます。


「小山内さん1分36秒685です」


 今のところ杏香がB組トップですけど、中森が最後のアタックをしています。今、最終コーナーを回ってメインストレートに戻ってきました。


『ピッ』


「中森1分36秒689です」


 小林さんも嬉しそうです。B組トップは杏香、2番手に中森、3番手にパンドラーがはいりました。


 これで本多君も杏香も予選Q1はトップで通過しました。これはワンツー行けるかもです。

予選Q1だと言うのに杏香と中森は予選トップ争いをしています。こういうのは決勝でやれば良いのにな……

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