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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
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101 お願いごと

SUGOで3位表彰台になった杏香は特別ボーナスで車を買いました。12月納車予定なんだけど、暇さえあればカタログを見てるので楽しみなんでしょうね……

 秋も深まり十一月もニ週目の週末金曜日、今日から鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラ第9戦と第10戦のダブルヘッダーが行われます。


 泣いても笑っても、この週末で今シーズンのレースは終了です。という事は、年間チャンピオンも決まります。


 今現在、トップは105ポイントで中森(なかもり)です。2位に93ポイントで松島(まつしま)、3位に本多(ほんだ)君が91ポイント、4位に89ポイントで杏香(きょうか)が着けてます。


 ここまでが、年間チャンピオンを狙える最終ラインでしょう。


 5位にパンドラーが64ポイントで着けていますが、この週末2連勝で40ポイント獲得してもトップの中森には届きません。


 なので4位の杏香までに可能性があるという事ですけど……


「本多君も杏香も年間チャンピオン狙えるから頑張ってよ!」


 私はそう激励しましたけど……


美郷(みさと)さん、こういうのはなるようにしかならないって……」


「まあ、そうだな…… 狙ったら碌なことが無いかもな……」


 なんだがネガティブ思考の可愛くない2人です。


「でも、こういうのは狙わないと取れないでしょう!」


 私は更に説得しますけど……


「解りました…… ベストを尽くしますよ!」


 本多君はそう言ってくれましたけど……


「そうだね…… チャンスがあれば、その時はね!」


 まあ、杏香の場合は最初から狙わない方が良いのかな…… 彼女の場合、その時が来れば自然にスイッチが入るタイプみたいだしね。


 まあ、どっちにしても今日金曜日は、午前と午後にフリー走行があるだけです。明日土曜日から予選と決勝があります。


 早速、二人はピットでフリー走行の準備をしてるみたいです。


「あっ、美郷さん」


 私は深田(ふかだ)GMから呼ばれました。


「どうかしたんですか?」


「うん、来週月曜日にteamSHOWGOの新体制の人事を決めるからうちのガレージに集合だそうだ」


「はあ、いよいよですね」


 チームの人事という事は、まず空席になっているジェネラルマネージャーですよね……


「私としては、GMはうちのチームから出したいとこなんだが……」


 そう言って私の事を見る深田さんです。


「えっ、私は無理ですよ! チームディレクターだけで精一杯ですからね!」


 と予防線を張りますけど……


「うーん、しかし、GMもチームディレクターも似たようなもんなんだけどな」


 と攻めの姿勢です。確かにそうかもだけど…… チーム外の事やスポンサーさんとの付き合いもありますよね……


「はあ、他人事みたいに言わないで下さいよ! チーム全体を見るのと会社絡みで見るのは違うでしょう」


「まあ、そうなんだけど……」


「大体、翔吾(しょうご)さんだってオーナーって言ってるけど、資金が出ているのは(かえで)コーポレーションなんでしょう」


「いや、それだけじゃないよ! teamSHOWGOのスポンサーは楓だけじゃなくプロジェクトNinaとの共同参加なんだよ」


「それなら絶対私には管理出来ませんよ! こういうのは翔吾さんがオーナー兼GMでやった方が良いと思いますけど……」


「はあ…… やっぱり駄目か……」


 深田GMは溜息まじりでそう言いますけど……


「私は今まで通りチームディレクターで良いでしょう!」


「解りました! 楓オーナーにそう伝えます」


 えっ、あのおっさんの指示だったのね……


「美郷さん、フリーが始まりますよ」


「はい!」


 チーフメカニックの山口(やまぐち)君から呼ばれましたので返事をしてピットへ行きます。


 あっ、そういえば…… メカニックも二班作るのかな、杏香班と結菜班! 今まで、メカニックの人数が少なかったから二台を全員で見てたけど……


「おーい、美郷さん大丈夫? 生きてる?」


 ハッ、小林(こばやし)さんが私の目の前で手を振っています。


「あっ、気付いた!」


「えっ、あっ、だ、大丈夫ですよ……」


 今、フリー走行が始まりました。


「美郷さん、気分が悪いんですか?」


 山口チーフが心配してますけど……


「あっ、大丈夫だから、ちょっと考え事をしてただけだから……」


「美郷さん、ひょっとして人事の件か?」


 今度は(げん)さんが訊いて来ました。


「はい、楓オーナーは私をGMにと思っていたみたいです。断りましたけど」


 まあ、直接ではないけど深田さんにはそう言いましたからね。


「そうか、関連のチームを統合するのは難しいもんだな」


 源さんとそう話している時、本多君は慎重にマシーンを走らせています。杏香は楽しそうに走っていますけど、あれは何も考えていないかな……


 午前のフリー走行が終わりました。


「あっ、美郷さん!」


 私を呼ぶ声が…… 誰だろう?


「美郷さーん、」


 今度は手を振っている人が!


「あっ柚月(ゆづき)さん、今日の予定は無いと思うけど……」


「いえ、今日は来シーズンの契約更新をと思ったんですけど…… あの…… team KAEDEは無くなるんですか?」


 そうか、柚月さんもKAEDEとは契約更新を出来ないもんね……


「実は、team KAEDEはteamSHOWGOに統合する事になって、杏香も来シーズンはteamSHOWGOでレースをするの」


 私がそう説明すると……


「それじゃ、teamSHOWGOと契約は出来ないんでしょうか?」


 ちょっと俯き気味の柚月さんですけど……


「そんな事はないよ! 来シーズンもお願いしようと思っていたから」


「はい、お願いします」


「日曜までに契約書を渡すからね」


 そう言うと彼女はピットビルの方へ行きました。


 もう、来シーズンの準備がいろんなところで始まっているんだね。

鈴鹿最終戦のダブルヘッダーのフリー走行中に深田GMからジェネラルマネージャーにとお願いされました。お断りしましたけど…… あの狸が承知してくれるかな……

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