カバン
仕事の帰り ホルモン屋でビールを飲む
大体 やたいとか行くとホルモンとか豚の足と耳とか
頼むことが多い ゲテモノ好きなのか
それにつけても
うだつがあがらない、、、
何時のころからか 順調だった俺の人生は道をそれて
自分でも望まない方に転がっていった
思い返せば色々あったが
誰のせいでもない。自業自得である
ホルモン屋から いつもは表どうりに 出るのだが
今日は少し歩きたかったので
初めて通る裏道に行ってみた
少し行くと 右に曲がった
道路の右の 電柱の傍に
石垣に使うような四角い石が 10個ほど置いてあった
その石の間に くたびれたカバンが挟まっている
普段なら 見向きもしないところだが 妙に気になって引っ張り出してみると 思ったほど汚くない。
中を見てみると空っぽだった。
一万円位入ってないかな、と 突っ込んでいた左手が
いきなり一万円札を握って いた。
ええっ!どうした? 訳が分からん
このかばんは 頭で思うとお金を出してくれるのか?
まじか
一万円をポケットに入れて
今度は 二万円と念じながら 左手を突っ込んだ
即座に二万円が来た
おいおい いいのかこれ
とりあえず いくらまで出してくれるのかやってみよう
今度は五十万と念じてみた
来た!
まじか?
百万円また出た 五百万、出なかった
こんどは二百万、出たー!
三百万 出なかった これまでか
せこい俺はまた試す 二百一万、でなかつた
決まったな
のぞめば二百万まで出てくる鞄なんだな
凄い!
ひとまず 落ち着こう
とりま部屋に帰って これからどうすべきか考えてみよう
俺はカバンから 一万円札を一枚だけ財布に入れて
タクシーを探して家に帰った
ソファーに座り めいそうする
こんな事ふつうはない
交番にもっていっても 活用できないだろう
俺がお金を貯めて 増やして 不幸な子供達を助けよう
お金をためねばならない
マンションを買うにしろ 家を建てるにしろ
まとまったお金がいる
銀行にためるというのは 色々な意味でリスクが大きい
できれば現金で持っていたい