天使、スキルを貰う
今回でアリスが自立します!!
私はアリス。やっとのことであの口うるさい筆者の語りが終わった。これからは私が語ろう。
そんなことより今年で私は15歳。この世界に誕生日という概念はなく、年が変わるとみんな1歳大きくなる。この歳になるとみんなスキルを貰っている。
そして今日、私は教会にスキルをもらいに行く。
「アリスちゃーん。お友達来てるわよー」
母の声が聞こえた。そういえばターシャと一緒に行くんだった。
重たい頭を起こして玄関に急ぐ。
そこには少し怒ったような顔をした美少女が立っていた。この子も可愛くなったものだ。10年前までそこら辺のガキンチョと同じような顔をしてたのに。完璧に整った顔にロングヘアがよく似合っている。わたし的にはポニーテールにして触覚でもつけてくれれば満点なのだが、、、
「ごめーん。遅くなっちゃって。さぁ!レッツスキルー!!」
遅刻してしまったのはこっちだ。無理に気持ちを上げていってみた。しかし、、、
「もぅ!なにがレッツスキル!!よーこっちがどんだけ待ったと思っているの?ホントにぃ!!」
プンプンしている。そこもまた可愛い。
「まぁまぁ。落ち着きなよ。せっかくの日が台無しだよ?さぁ行こう!」
「あんたのせいでしょー!」
何はともあれ2人は協会の道へとついた。
「どんなスキルが貰えるだろうねぇー。私、冒険者になりたいから、戦闘系がいいなー、ターシャは?
」
「私は魔法が使えるから魔法系かなー」
もう怒ってはいないようだ。
そして、話している間に教会に着いた。教会はとても大きく、中も広い。開けた空間で、横長の椅子が何列にも並べてあった。そして、中央には神様の象のようなものが置いてある。女の人だ。とても可愛らしい。
他にもたくさんの人が来ていた。いじめっ子や貴族の子もいた。
「わーたくさんいるねぇ。早く貰えないかなぁ」
待ちきれない。この小説のことだからチートスキルなんかは貰えないだろう。
「あとちょっとでしょ。大人しくしてなさいよ。」
「へーい」
そして大人しく列に並んだ。すると、前方の方からおぉっ、という声が聞こえた。何かあったのだろうか?
「このスキルは、け、剣聖!?なんということだ!こんな村から天才が現れたぞ!!」
「やってやったぜぇ」
あれはいじめっ子がいいスキルを貰ったようだ。とても喜んでいる。しかし、ああいうやつの特徴として喜び方がキモイんだよな。
「わぁー剣聖かーいいなー」
しかし、この小説において私が超強スキルを貰えることは無い。
「おっとそこのお嬢さん。とても美しいですねえ。私と一緒に来ませんか?」
貴族のボンボンが話しかけてきた。こういう奴は人を顔でしか判断できない。私の顔が良すぎたせいだ。申し訳ない。
「ごめんなさい。いい提案だけどあなたに興味なんてないから、じゃっ」
触らぬ神に祟りなしと言うからね。貴族のボンボンは呆気にとられたように去っていった。
そんなことより、もうすぐ私の番だ。少し緊張してきた。
「はい、次の人。」
わー、むっちゃ緊張する。
「はい、心の中で神様にお祈りしてください。そうすれば加護を与えられるでしよう」
心の中で祈った。神様、私が普通の冒険者になるためのスキルをください―
「はい、あなたのスキルは両手剣術〈B〉です。なかなかBなんてでませんよ。これから頑張ってください」
「やったぁ!Bランクだ!なかなかいいのくれんじゃん神様ぁ!」
この世のスキルにはランクが着いている。最低でE、最高でSSまである。その中ではBはいい方だ。良かった。さて、ターシャは何を貰ったのか?
「アリスー!私、魔力回復上昇Bだったよー
Bの上にレアスキルだってー。やったー!」
「私だってBランクだったよー」
「なーんだ、面白くないなー」
酷いことを言うもんだ。
「まあまあ〜、せっかくいいスキルだったんだからー冒険者なろうよ!」
「まぁ、それも悪くないかもね」
「じゃあ決定!王都に出発!」
「その前に親に言わなくちゃ、、、」
そして、2人は冒険者になることを親に告げる。
「アリスちゃんが冒険者に!?大丈夫なの?まま、心配ぃよぉ」
「おい母さん、アリスが決めたことだぞ?それにアリスは昔からスライムを山のように殺している。強い子さ」
スライムを山のように殺している子なんてどうかと思うがそれを強い子で済ましてしまう親も親だ。
何はともあれ親の許可を貰うことができた。
「ターシャー!OK貰えたよー、そっちはー?」
「私も貰えた。まぁ、またしに心配することがないしね。」
意地っ張り。そこも可愛い。
「じゃあ行こっか。この馬車で2週間だって」
「長いねー。頑張ろう」
パカラッパカラッ
馬が勢いよくかけていく。そしてふたりは冒険者になるため、王都に向かった。
今回も読んでくださりありがとうございます!!