勇者、魔王を倒す!
「魔王っ!滅びなさいっ!!」
私、リーナは世界を恐怖のどん底に陥れた元凶である魔王に剣の切っ先を突きつけた。
思えばここまで幾多の死闘を繰り広げ、幾多の悲しみ、そして多くの仲間達の死をも乗り越え遂にここまでたどり着いた。
私の今の仲間達もこの魔王の間の扉の外向こうで私を魔王の元へと行かせるために魔王四天王最後の1体と死闘を繰り広げている。その仲間達の為にも魔王を討たなければいけないのだっ!
「勇者よ、なぜお前はそんなに人間のために戦うのだ?我ら魔族に比べれば人間はなんと愚かなことか……。人間共は欲深で、平気で他の者から奪い、欺き、裏切りそして殺してしまう……こんな愚かな生き物が他にいようか……?」
「うるさいっ!お前のせいで多くの罪のない人々が死んだんだっ!人々の怒りを!悲しみを受けなさいっ!!」
私は魔王の戯言を遮るかのように剣を構え魔王へと立ち向かった。
「愚かな……。いいだろう!我に歯向かったことをあの世で後悔するがよいわっ!」
そう言うと玉座に座り、頰杖を付いていた魔王は立ち上がると魔法の詠唱を唱え始めた……。
それからは正に死闘と言えるものだった。今までの戦いなど、それこそ四天王との戦いでさえも序ノ口だと言わんばかりに魔王は高度かつ強力な魔法を駆使し、ときには圧倒的な力による物理攻撃を織り交ぜながら襲いかかってくる。
私は回復魔法を駆使しながら、どうにか魔王と戦っていた。
そして……。
「これで……終わりよっ!!」
私はトドメの一撃を魔王へと放った。
「ぐぅぅ……!ば……バカな……っ!
だが……覚えておくことだ……。魔王は自然的に発生するものではない……そこには必ず人間が絡んでいるということを……!」
「何を戯言を……っ!」
「ふふふ……。もしかすると次の魔王は勇者、お前かも知れんぞ……?」
魔王はそう言うと絶命した。
「た……倒した……?」
やっと……やっと魔王を倒した……っ!
魔王の猛攻に傷付き、ズタボロになりながらもやっとの思いで悲願を達成することが出来た……。
これでやっと道半ばで倒れていったかつての中間達の魂も浮かばれるだろう……。
「そうだっ!まだ仲間達が最後の四天王と戦っていたっ!」
魔王の屍を尻目に私は魔王の間の扉を開け、戦っているであろう仲間達の元へと急いだ。
しかし……。
「そんな……。」
仲間達の元へとたどり着くと、そこには四天王最後の1体と刺し違えていた仲間達の姿があった。
若き勇敢な剣士ドロワ……。ややムッツリなやや年配の魔法使いアンドレア……。ホークアイと呼ばれた女銃士ミーア……。
「みんな……ごめんなさい……。そして……ありがとう……。」
私はその場に崩れ落ち仲間達の死に涙を流していた……。
その時、外から光が差し込んできているのに気が付いた
ふと外へと目をやると、いつの間にか城を覆っていた厚く禍々しい気配を帯びていた雲は消え、眩しい光が差し込んで来ていた。
私は仲間達の遺体を埋葬し、神への祈りを捧げると、仲間達へと別れを告げると、魔王討伐達成の報告をするため、王様の元へと向かうのであった……。