表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親バカ魔王と弱勇者見習いの修行旅行譚  作者: #FF9900
第一章:赫龍
6/29

#4:黒白の初任務

僕たちが最初に受けたのは『タイニーラゴン(Tiny Ragon)』という魔獣の討伐だ。

依頼書によれば、最近町の近くに巣を作ってしまい、周辺の村が襲われているらしい。

「アルフ。タイニーラゴンって知ってる?」

「あ?・・・まぁ、な」

「どんな奴?」

「私はあんまり好きではないな」

「強いの?」

「いや、弱い。すごく弱い。お前が素手でも大丈夫だろう。しかしだな・・・」

アルフレイドはそこまで言うと、しかめつらのまま持っていた干し肉をかみちぎって、言った。

「面倒くさい。うっとおしい。やかましい。そのくせ大した素材もとれん。金にもならん。最悪だな」

嫌なポイントを並べていくたびにアルフレイドの顔がどんどん険しくなっていった。

アルフレイドがそれほどまで何かを嫌がるのは森での生活も通して結構珍しいことなので、少し驚いてしまった。

「そんなに?なんかトラウマ的な出来事でもあったの?」

「別にそういうのはないさ。大して強くはないしな。しかしあれだ。数が多すぎるんだ。そのうえ狭いところを好むからな、大きい武器とかで薙ぎ払うこともできん」

単純にめんどくさいだけの敵なのだとアルフレイドは鼻を鳴らしながら言った。

確かに話を聞く限り相当に厄介な敵のようだ。


メイシアの町から西に数キロアほど行くと依頼にあったタイニーラゴンに度々襲撃を受けているという村があった。

そこの住人が言うにはさらに数キロア西に行ったところにある森の中にタイニーラゴンは巣を作ったようなのだ。

で、今僕たちはその森を目指して進んでいるのだが・・・

「多分情報が違うな」

急にアルフレイドがそんなことを言い始めた。

「な、なに?急に」

「さっきも言っただろう?タイニーラゴンはその身体特性上狭い場所を好む。森の中に巣を作るのは流石に考えづらいな」

「じゃあどこにあるっていうのさ。見当はついてるの?」

「以前戦った時は洞窟だった。タイニーラゴンが洞窟に巣を作るのはよく聞く話だし、今回もその類だろう」

「じゃあ何?僕たちはその洞窟を一から探さなきゃいけないってこと?」

「まぁそうなるな。大丈夫だ大して広くない森だと言っていたし、森の中の洞窟は目立つ。それほど時間もかからないだろう」

そこで僕は恐る恐るあることを聞いてみた。

「あの~・・・流石にお前ひとりで探せなんて言わないですよね?」

「・・・言ってやろうか?」


結局森の中の洞窟を探すのに夕方までかかってしまった。

僕たちから数十メルア程度先にある洞窟からは遠くてはっきりとは見えないが、赤く小さい竜のような生物がしきりに出入りしている。

しかし、ここからの距離からして・・・

「アルフ、あれ結構大きいよ!?」

「騒ぐな。あれはそれほど耳がいいわけではないが、ばれないようにするには越したことはないだろう」

「いや、それはそうだけど・・・」

「まぁ確かに、お前の言い分もわかる。確かにあれは少しでかいな。だが、大した差じゃない。結局は雑魚だ」

僕は、そりゃあなたにとっちゃ大体の魔獣は雑魚でしょうけど、という言葉を呑み込むことにした。

状況的に建設的な事以外を話すのはあまりよろしくないだろう。

「どうする?洞窟の中は外の明るさは関係ないだろうから、今から奇襲する?」

「いや、それでもいいが、相手はタイニーラゴンだ。どう考えても洞窟内には大量にいるだろう。そうなったとき、一本道なら問題ないが、別れていたりしたらお前が魔法を使えないのがまずい」

「あー、そうだね。流石にあれくらい大きいと剣で一体ずつ倒すのも少し手間がかかるし、その間にまとわりつかれたりするとまずいね」

「それ以上にあいつはいわば小さいだけのドラゴンだ。空も飛べるし、炎も吐く。お前だけでは倒す手妻が少なすぎる」

確かに僕は魔法が使えないので、戦闘でも各個撃破が基本になる。

魔法が使えるアルフと違って集団相手には分が悪いのだ。

「どうするの?そうはいってもないものねだりだろうし・・・」

「・・・本当はあまり手助けはしたくないが、しょうがない。手妻を用意しよう。ついでに偵察もする」

「いつ踏み込むの?」

「明日の朝だな。今日は少し下がって野営だ。飯は頼んだ」


「どうだった?」

目を開けたアルフに干し肉と水を渡しながら聞いた。

「案の定だ。しかも都合悪く二股だな。二手に分かれて殲滅するしかないだろう」

先ほどからアルフは影の使い魔─小さな黒い球体のような使い魔、影の中を移動することもできる─を呼び出して、洞窟内部の偵察をしていた。

それと同時に手元の魔石に文字を刻んだり魔力を流したりと何かを作っている。

「で、それは何を作っているの?」

「これか?お前の手妻だよ」

最近長くなりすぎないように気を付けながら執筆している#FF9900です。

これ完結までどれくらいかかるんですかね・・・ちゃんと終わるのか心配です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ