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賢者と魔法が下手なポメラニアン  作者: 霧丈來逗
1章 賢者との生活
8/62

SS 二人の誕生日パーティー、その1

前半⇒ナイラ目線

中半⇒フィナ目線

後半⇒恭珠目線


 コンコンコンとキュラス先輩の執務室をノックして中に入るとそこにはすでに恭珠がいた。ここに来たのは先輩から手紙が来たから。


『話があるからフィナと二人で来て』

という内容の手紙で最後の行には

『このことは恭珠と私、君たち二人以外には秘密で』

と書いてあった。


 いったい何を話すんだよ....と思いながらも、フィナと一緒にあいている席に座る。そしてキュラス先輩が話し始めた。



「これから話すことはここにいる4人以外に話してはダメだよ、いいね?....特に恭珠」


「は!?なんで私なんですか!別に秘密は守りますって」

 

 先輩と恭珠のやり取りを聞いて私も『あ~、確かにそうだわ』と思った。



「先輩が言ってることに賛同します!だって恭珠って思ってることが顔に出るから」


「そうそう、この前図書館で恭珠を見かけたんだけど.....本読みながらクスクス笑ったり、にやにやしたりしてたから....ちょっとびっくりしちゃった。」



 フィナの言葉に続いて私が恭珠の方を見ると『あ、それは心当たりがある』ってまるわかりの表情で思わず吹き出してしまった。

 先輩やフィナも吹き出しそうなのを必死にこらえている。


 だって今言ったばかりなのに思いっきり顔に出てるんだもん。私たちが笑ったのを見ても戸惑いとかが思いっきり顔に出てたからまた吹き出しそうになったが必死にこらえる。


 また笑ったら恭珠、怒りそうだもんね。いや、なんで笑ってるか本人は気付いていないのか?


 最初に笑いが収まったらしいフィナが言う。


「ま、何とかなると思うよ」

 ....いいのか?とも思ったけど先輩が本題に入ったのでこのことを考えるのをやめた。








 まぁ、要するにシャル先輩とリザイナ先輩の誕生日パーティーをするらしい。誕生日結構すぎてね....とも思ったが....まあ、いいことにしよう。でも先輩の次の一言で心配になってきた。

 



「それで、二人のプレゼントだけど....

 最初は私たちで決めればいいと思ったんだけど、センスに自信がないからお互いにお互いのプレゼント選びを手伝ってもらおうと思う。そしてこの誕生日パーティーもお互いのためのものだと思って来てもらう」


 その言葉を聞いて頭上に「?」が浮かんだ私たちのためにもう一度簡単に言い直す。



「二人を当てはめていうと

 シャルの場合まずリザイナの誕生日会をしようと思うということを伝え、リザイナの誕生日プレゼントを一緒に選んでもらう。もちろんリザイナには内緒でねと伝えて。


 リザイナの場合はシャルの誕生日会をしようと思うと伝えて、一緒にプレゼントを選んでもらう。そしてシャルの時と同じように、シャルには内緒ねと伝えておく。

 こんな感じだけど分かった?」


「「「あぁ~~~、そういうことか」」」

 声を合わせて言った私たちに先輩は続けた。


「二人には同時に嘘をつかないといけない、二人とも少しづつ内容が違うものをね」


 こう言われたから心配になったのだ。






―――――――――――――






 で、いま私とナイラは会場の用意をしている.... あの話のあと、私とナイラはすぐに願い出た。


「先輩二人と話してると、どうしてもぼろが出そうなので会場の準備をさせてください。」


 一番危なそうな恭珠はというと行く気になっている。


「大丈夫ですから私も行きます。絶対へマしたりしませんから。それに二人のプレゼント、一緒に考えたいんです!」


 あまりにも行きたいと言うものだから先輩も折れて一緒に行くことになっている。。




「ちょっとー、フィナこっち来てー!」

 

 ナイラに呼ばれたのでそちらに行くとたくさんの料理本が並んでいた。


「どれがいいと思う?誕生日だから豪華な方がいいよね」

 

 その中の一つを見ながらナイラが言った。そう、私たちはいま料理を選んでいる。


「ケーキは先輩が用意してくれるからいいとして、何が好きなんだろ?」


「う~ん、わかんないんだよね。先輩も任せるって言ってたし...」


「っていうか....全然自信ないんだけど....」


「私もだよ、全部自分でやったことないし....」



 とても不安な私たちだが二人のためだから頑張ろうと思ったんだけど....やばいかな~。なんて私は思っていた。


「でも、パーティーするのって夜でしょ....まだ時間あるし...頑張ろう」

 ナイラが言う。


 確かに先輩も言っていた。

『場所はルクールの丘ね。夜だし星を見ながらっていうのもいいんじゃない?』



 確かにルクールの丘は星がきれいに見えることで有名である。それに夜だもんね!


 そう考えて何となく気持ちが前向きになった私はナイラに声をかける。


「さ、頑張ろっか!」



 ナイラが『えっ?急にどうしたの?』って顔していたことに、私は気が付かなかった。









――――――――――――――――――



「う~ん、リザイナって何が好きかな~?」


「こういうの好きじゃなかったっけ?」


「え?そうなんですか?意外ですね~」



 順番にシャルロッテさん、キュラスさん、私が言った。いまは、リザイナさんのプレゼント選びの最中。私の言葉にシャルさんが聞き返す。


「そう?なんで?」


「いやー、なんかリザイナさんって真面目な感じだからあんまりこういうのに興味無いのかと思ってました。」


「あぁ、恭珠の前だとこういう話しないもんね。見た目によらず可愛いものが好きだったりするよ。実用性が1番だけどね」


 キュラスさんはカラフルな皿を手に取りながら言う。

 いま、私たちは露店や雑貨屋さんのような店をいろいろ見ながら選んでいる。その中にあった雑貨が好きだと分かったので私は提案した。



「じゃあこういうの買っていったらいいんじゃないですか?」


「いいんじゃない。シャルはどう思う?」


「私もいいと思うな~。コップだったら使いやすいんじゃない?」


 二人が賛成してくれたのでこのマグカップを買った。お金を払っている二人を見ながら私はその姿に未だに慣れず、違和感を感じる。



 なぜなら、二人ともいつもと髪の色が違うからだ。キュラスさんは髪の色が紫ではなく金色に、シャルさんは紺色の髪が銀色になっている。最初待ち合わせ場所に来た時、だれかわからなくてびっくりした。

 ペンダントはしてないけど賢者だってばれるとめんどくさいらしいから、町に行くときは髪か目の色を変えるらしい。本気を出せば獣人の種類も変えられるらしい。面倒だからあんまりやらないみたいだけど....


 色的に目立つんじゃねとも思ったけど、露店はいろんな獣人がやってるらしいし、いろんな髪とか目の色の人がいるから大丈夫なんだそうだ。たしかに多くの人で賑わっている上に様々な髪や目、肌の色に獣人の特徴を持っている人がいるので意外と大丈夫そうだ。



 次はアクセサリーショップに行った。遠くから見てもきれいだったから。そこでは、オリジナルのものも作れるらしい。


 でも3人でリザイナはあんまりそういうのが好きじゃないかもだからつくらなかったけど、おそろいで色が違う、わっかのイヤリングを買った。そんな感じでいろんな店を見ながら決めていく。


「うーん、色々あって迷ったけど決められてよかったね」


「うん、リザイナが喜んでくれるといいけど」


「きっと喜びますよ」


 なーんて話しながら歩いていき最初の待ち合わせ場所に行く。


「じゃあ、シャル、リザイナを会場まで連れてく方法なんだけど....よく聞いてね」


 前置きをしてキュラスさんが説明を始めた


「16時ぴったりになったら私の執務室の扉を3回ノックしてほしいの、そしたら扉を開けてほしい、ルクールにつながるようにしとくから」


「うん、了解、リザイナは私が呼びに行った方がいい?」


「あ~、私が行くように伝える」


「じゃあ、一緒に行けばいいんだね....ちなみに、二人はどうすんの?」


 このことを私も知らなかったのでキュラスさんの返答を待つ。


「私は、先にルクールに行ってるけど恭珠は連れてきてくれない?」


「ん、わかった、それじゃまたあとでね」


 そういうとシャルさんは手を振りながら魔法陣を使い、消えた。



 

「すごいですね、こんなに自然にできるなんて」


「いや、恭珠だっていつも通りじゃん」


「え~、内心めっちゃハラハラしてましたよ」


「でもここからが大変だよ。リザイナの前ではさっきの事、言っちゃだめだからね」


 その言葉を聞いて一気に緊張したけど二人でまた、待ち合わせ場所に向かった。













 久しぶりの投稿です。

 暇がなくて書けなかった....

 次、もう一つSS入れてから本編にします。

 楽しかったから、つい長く書いちゃいました。

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