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賢者と魔法が下手なポメラニアン  作者: 霧丈來逗
2章 キュラスの過去
26/62

21、シャルロッテの話



 あの後結構な時間を雑談に使った。いや~、楽しかったけどもう日が暮れちゃうじゃん!

 もっと早く切り上げればよかった、なんて私は後悔しながら部屋に戻った。

 

 まさかこの時、闇竜の国へ行くことになるとは思わなかった。










―――――――








「恭珠、ちょっと聞いて!お父様から手紙が来たの!」

 会って早々クレナが言った。


「えっ、ちょっ、まってどういうこと?」


「なんか、よくわかんないけどキュラス伯母さんを連れて来いって。あ、あと連れてきたい人もいいって」


「本当?じゃあ私も行きたい!」


「もちろん、キュラス伯母さんの過去についても聞くつもりなんだから来てもらわないと困るよ。 ちょっとキュラス伯母さんにあてたものが同封されてたから届けるんだけど恭珠も来て!」


「なんで?別に私は行かなくてもよくない?」


「いいから!」


 理由も言わないクレナをちょっと不安に思ったけどついていった。







「日にちが急、正装を用意できない....移動手段が書いていない私が乗せて行けと....」


 キュラスさんは手紙を読んだ後少し何か言っていたようだけど私たちに向き直った。


「誰が行くの?私が乗せていくことになるけど?」


「とりあえず、賢者メンバーと恭珠かな?私が何人か請け負おうか?」


「いや、普通の大きさになればいいし、急ぐからやめておいた方がいいよ。ああ、それと答え合わせはあちらでシュバルツを交えてやるから、それまで頑張って!」




 そう言われて私たちは部屋を出てシャルロッテさんのもとへ向かった。



「どうしたの二人とも?」


「シャルさん。キュラスさんの過去について教えてほしいんです。」


 前と同じように単刀直入に切り出す。


「ああ、それであんなことを言ってたんだ。」


「え、なんて言いました?」


「ん、何でもないよ。リザイナに君たちに協力してあげてって言われたんだ。」


「そんなことがあったんですか。っていうことは協力してくれますよね?なんかあります?」


 シャルさんはニヤッと笑うと


「いいよ、教えられることは教えよう。」


 そう言ってくれた。

「キュラスの本当の色は紫じゃない…黒。それもただの黒じゃない。漆黒だよ。」


「うそ。まさか『漆黒の龍』」


「な、なにその変な名前!」


「恭珠!そんなこと言ったら....そうか知らないんだった。」


 思わず突っ込んだらクレナに怒られちゃった。


「私より、クレナの方が詳しいだろうから説明してくれる?」


「はい、わかりました。」



 クレナが説明してくれた。




「純粋な色を持った竜が強いってこの前聞いたじゃん。闇竜の場合その色が漆黒なんだよ。だから周りからは尊敬を込めて『漆黒の竜』と呼ばれているの。


 実はこれに続きがあって闇竜で言う『漆黒の竜』になる『最強の竜』は同時期に一種類の竜族に2頭は現れないの。

 これは龍ならば共通の事。どんなに早くても先代の『漆黒の竜』が亡くなってから。

 『最強の竜』が生まれると何か大きな事が起こるらしいの。それはいいことだったり悪いことだったりする。」


「って言うことは闇龍に何か大きなことが起こるってこと?」


「そう、お父様に聞いたことだけど、実は今現在すべての竜族に同じようなリザイナが存在してるの」


「え、もしかして全部の竜族に関係していることなの?」


「かもしれない....」


「はいっ!重い話は終わり。今はキュラスの事でしょ?『漆黒の竜』だってことは知ってるけどなんで王国を出たのか、正体を隠してるのかは私も知らない。二人が知らなくて私が知っている情報はこれくらいかな?」



「...そうですか。ありがとうございます。ちなみに、シャルロッテさん闇竜の王国に来ませんか? 現国王である父から手紙が届いたんです。来たい者は来てもいいって書いてあったんですけど、どうですか?」


「いいの?もちろん行くよ!



 じゃあ、そこらへんもキュラスに言っとくね。 あ、まずいこんな時間だ。ちょっとこれから弟子たちの相手しないとだからごめんね~。」


「え、あ、はい。」


 私たちが何かを返す暇もなく出て行ってしまった。




「シャルさんも行くんだね。楽しみ~!あれ、どうしたの?クレナ?なんか顔がこわばってるけど…」


「ねえ、恭珠。私たちシャルロッテさんにどこまで情報を集めたか言ったっけ?それに闇竜の国にキュラス伯母さんが行くってことも‥‥」


「え、そういえば。…言ってない、何で知ってるんだろう?」


「恭珠、もしかしたらシャルロッテさんはキュラス伯母さんに引けを取らないほどの切れ者かも。一体どこから情報を…」


「もしかして、全員そうなのかな?」


「わかんない?」


少しだけ背筋が寒くなった。








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