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賢者と魔法が下手なポメラニアン  作者: 霧丈來逗
2章 キュラスの過去
23/62

18、キュラスのもとへ


 クレナと私は今日、キュラスさんに闇龍のことを聞きに行こうと、決意した。

 行く先は、勿論王城のキュラスさんの執務室だ。でも、あの何を考えているのかわからないキュラスさんに聞きに行くのは少々勇気がいる。でも


「は?何言ってんの?

 あの、キュラス伯母さんが何を考えているかばればれな時を選んでいくことなんか不可能だからね?!死んでも無理だよ!」


 クレナは案外やる気だった。

 私が怖がっていることなんてどうってことないみたい。それにクレナは


「誰にも話そうとしないことを聞きに行くんだもん、怖くない方がおかしいって!」

と言っていた。


 その言葉に私も

「そうだね」

と、短く返事をして扉をノックした。


「どうぞ」

というキュラスさんの声が聞こえた。


 中にはいるとキュラスさんは書類仕事をしていた。キュラスさんは顔をあげると


「珍しいな、クレナと恭珠が来るなんて。

 まあ、どうぞ座って。」


 そう言われたのでソファーに座るとキュラスさんは紅茶をいれてくれた。


「さて、今日はどうした?何か重大なことでも?」

と、紅茶を飲みながら聞いてきた。


「別に大した用はないよ。ただ来ただけ。」

「ふう~ん。それにしては緊張しているねえ。

それに、大した用がないなら入ってくるなり用件を言ってくるでしょ。」


 クレナの問いかけにも冷静に切り返して来る、普段は何とも思わなかったけどやっぱり手強い。


「ふう~、やっぱりごまかせないね。....単刀直入に言うよ。キュラス伯母さんが家を出ていったときのこととかその後を知りたい。

 それとお父様からキュラス伯母さんの髪は黒だって聞いたその事も教えて」


 キュラスさんはゆっくりと紅茶を飲んだ。そして一息着くと

「それは全て、シュバルツに聞いたのですか?」

 私は『え、誰それ?』と思っていたけどキュラスさんが

「私の弟です。」

と呟くように言った。急にキュラスさんの口調が丁寧になったのが逆に怖い。


「そう、ついでに伯母さんが出ていったときのことを聞いたの。

 お父様もキュラスさんの言葉の真意が知りたいと言っていたの。だから私も真実を知りたい。」


 キュラスさんはゆっくりと首を振った。


「クレナ、もう一度シュバルツと話をしなさい。 シュバルツは私の言葉の真意に気づいているはずですよ。

 それと、もうひとつ私の髪の色ですがそれくらいは自分で調べることも大切だと思いますよ。今ある情報網を使って調べてみなさい。いつでも答えあわせをしますよ。」


 そう言ったキュラスさんは柔らかい表情をしていた。


 私が言い出そうとしたときノックの音が聞こえた。

 キュラスさんが返事をしないうちに扉が開くと

「キュ~ラス~!ちょっとこの実験に付き合ってよ!」


と、のんきにいいながらシャルさんが入ってきた。


「すまないけど今日のところはこれ以上は無理。自分で考えてみなさい。」


とキュラスさんが言ったので私たちは帰ることにした。



ーーーーーーーーーー





「シャル、あの子たちがやろうとしてたことに気づいてたでしょ。何で言わなかったの?」


「別にいいじゃん。全部言うの?」


「いいや、出ていった後の事は言わない。それ以降は知らない方がいいことだよ。で、今度はどこ?」


「あ、ばれてた~。そうなんだよね。ここが気になるんだけど....危ないんだよね。とんでもなく。」



と、キュラスの執務室では作戦会議が始まっていた。



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