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賢者と魔法が下手なポメラニアン  作者: 霧丈來逗
1章 賢者との生活
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1、プロローグ







「これ、いったいどうなってんの?」


「うーん。なんかよくわかんない文字が入ってるから調べないとわかんないなーと思ったんだけどもしかしたら二人ならわかるかなって...」


「ごめん、シャル....まったくわかんない」



 城の一室で三人の女性が一枚の紙を相手に頭を悩ませていた。

 三人の共通点は大きな宝石がついているペンダントをつけていることで、それぞれの胸元でアンバー、カイヤナイト、アメジストが光っている。


 アンバーのペンダントをつけた女性が口を開こうとした時急に廊下が騒がしくなる。それと同時に扉が勢いよく開かれる。


「け、賢者様、大変です!!」



 緑色のローブを着た犬耳の男が慌てて飛び込んでくる。いきなりの事だったので驚きの表情を浮かべた三人の視線が一気にその男に集まる。


「え、何、どうしたの?」


 カイヤナイトのペンダントをつけた女性が真っ先に慌てている男に声をかける。心配そうな表情を浮かべている。声をかけられて我に返った男が扉を振り返り、顔を青ざめさせる。



「の、ノックもせずに急に入ってしまい申し…「あー、いいからいいから…何があったの?」」



 アメジストのペンダントをつけた女性が面倒そうに男の声を遮り本題に入るよう促す。男はそれにまた返事をし、慌てて報告をする。



「南の平原で炎と光が入り混じった魔力の暴走があり、大きな柱が上がっています!」


「どのくらいの大きさなの?」


 アンバーのペンダントをつけた女性が一気に真剣な表情になり、冷静に男に問いかける。それに対し男が答えようと口を開いた瞬間に魔力の波動が届く。一見しては分からないが四人はそれを感じ取り南を向く。

 事態の深刻さを一瞬で感じ取り三人は一気に険しい表情を浮かべる。男も深刻そうな顔をして三人を見ていた。


「これはまずいな」


「行ってこよっか」


「それがいい」



 アメジストのペンダントの女性がスタスタと窓に近づいていき大きな窓を開ける。窓から身を乗り出して軽く周りを確認すると軽々と外に飛び出す。しかし地面に落ちることはなくすぐに紫の竜の姿になる。大きな体で建物を壊さないようにあまり大きく動かさないようにしている。

 すぐさま残りの二人が同じように窓から飛び出し背に乗る。



「じゃあいってくるからあとはよろしくねー!」


 カイヤナイトのペンダントをつけた女性が手を振りながら声をかける。男性は次々と飛び出していく姿にぽかんと口を開けていたがかろうじて返事だけはする。

 それを聞いていたのかは分からないが竜はそのまま上空に舞い上がり南の方に向かった。


 一人残された男は姿が見えなくなるとやっと我に返り、今度は報告をするためにまた部屋を飛び出していった。













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