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一攫千金の為だから仕方ないよな?  作者: みんなのオヤヂ
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若者の旅立ち編 1話

初めて投稿します。

大雑把に言えば大航海時代のような背景を異世界バージョンで書いてみる話です。

帆船に乗って旅する話ではありますが、海賊でも冒険家でもないです。

(冒険の真似事はする予定ではありますが...)

あくまで商人が小さな船に乗りお金を稼ぎ、船を大きくしていき、市民でしかなかった主人公が

港市国家で爵位を受けて国家を盛り立てていこうとする 話にする予定です!


宿の窓辺から海をみていた。

いくつかの小船が浮いてるのが見える。

中には少し大きめの船も何隻か停泊していて水夫たちがせっせと荷物の積み下ろしをしていた。


「おーい!シルディー!いつまで見てるんだ、早くいかないと受付が終わっちまうぞ!」

「わかった今行くー!」

俺の名は《シルディー》 歳は今年で22になったばかり 同じ年齢の奴らは兵役に就くものや

職人の世界に入って物を作ったりしてる奴らがいる。

俺はまだ仕事には就いていないけど...


部屋の扉に向かって叫ぶ すぐに返事が返ってきた。

「下の広間にいるからなー!」

ドカドカと階段を降りる音が聞こえてくる。

音が遠ざかっていくのを聞きながらもう一度だけ海を見て

壁につるしていた手荷物をもって部屋の扉を出る。


部屋を出て廊下を歩き下へ続く階段の手すりをつかみながら少し急ぎ目に降りると

「まーったく!これから嫌というほど見るんだし宿から見てなくたっていいじゃねーか」

黒髪で鋭い目つきの青年で名前を《バズ》、歳は21 ぱっと見は細身のようでいて弱そうだが

自分よりは重たい物も持てる頼れる相棒だ、幼馴染みたいなもんでこいつも無職だ。


「そうだろうけどさ、なんかこれから俺も金持ちになるんだって思うとついつい海を眺めちゃってさ」

「はぁ~ 夢見るのもいいけどよ~?まだ交易許可証をもらってないだろうがよ」

「わかってるって!ほら総督府へ行こうぜ!間に合わなくなっちまう!」

「おまっ!それは俺の言うセリフだぞ!」


青年二人が話しながら宿を出ていく、青年たちの楽し気な話し声は港町の喧騒の中に飲み込まれていった。


舗装もされていない道を一刻ほど歩いていくと総督府が見えてくる

大きな石造りのドームで四角く白い壁で覆われた建物に薄紅色の半円状で出来たドームがのっかっている。


そのドームの先端に大きな旗が揺らめいている。

緑色の布地で大きな三日月が二つ並んでいる。 この港町...もといこの国の旗が掲げられている。


ルマンド港と呼ばれる港町が、10年ほど前に諸国連合から独立し港市国家になった。

とても小さな国家で、総人口はたったの20万人弱しかいない。

そんな港町が独立するのには理由があるのだが、今は省こう。


「ここで交易許可証を申請するんだよな?」

とシルディーが言うと バズは眉間に皺を寄せて

「先日お前が留守の間に申請は俺がしておいたから、許可証をもらうだけだぞ」

「でも受付に行くって急いでただろ?」

「ああ急いでたぜ?なんたって数日後に国同士の話し合いがあるとかで俺たち庶民の窓口は早々に閉めてしまうらしいんだ。それも一昨日町の掲示板に張り出された書類では窓口の営業は今日までだったのさ」

「そうだったのか...」

「許可証の発行に1週間かかるって言われてたが、ちょうど今日でその1週間なんだよ」

バズが冷や汗をぬぐうように額を腕でこするふりをした。

「ギリギリってやつだな!」カッカッカッ!と笑うと


人差し指を立てて

「ただ噂だがな?今日の窓口が閉まったら明日以降はもう許可証を出さないのではないか...って言われてるんだ」

「えっ それはなぜだよ?」

「なんでも許可証についてる特典だけを目当てにもらいにくる奴らがいるみたいでな? そいつらのせいで許可証を発行を続けていくとこの港町にとって大赤字のようでさ。こんな小さな国だと苦しいらしい」

「まぁ特典がついててタダで手に入る国のお墨付きの許可証なんてみんな欲しがるだろ」

バズは肩をすくませて「そりゃな」とだけ言って総督府のほうを見た。


「まぁ俺たちが最後の許可証取りになるだろうし、最後の甘い蜜は俺らのだな!」ニカッと笑うバズ

「最後だからって変なことにならなければいいけどな」っとシルディーが苦笑いするのであった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

マイペースに投稿予定ですが、ご感想などありましたら聞かせてください。

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