小 1
北海道といっておりますが、ただ寒い場所だと思ってください^_^;
例として北海道といっているだけなので!深い意味はありません。寒い場所でしたらどこでもいいです。
私がイメージした寒い場所が北海道だというだけです。みなさんのイメージでいいです。北海道でなくてもいいです。
雪がたくさん降る場所だと思ってくださると幸いです。
ちなみに私は北海道大好きなので!
雪と冬も大好きなので!
北海道や寒い場所を悪くいっているわけではありませんので、ご注意ください。ただの小説ですので、深く考えないでください。もし不快でしたら言ってくださると助かります。申し訳ありません!
また、こんなことしないよ!とも言ってください。私は千葉住みなので、多分こうじゃないかなぁと思って書いています。
想像上の北海道だと思ってください。実際の北海道ではありませんので、よろしくお願いします。
「この世で一番好きなもの」があるように、「この世で一番嫌いなもの」は誰にでも必ずある。人間だけでなく、この世界に生きているものには好き嫌いがある。そしてそれは各々によって違う。自分が好きなものが他人には嫌いなものだったり、その逆だってある。
風見涼の嫌いなものは冬だった。寒いのが苦手だというのもあるが、何よりも生気が感じられない。春は桜が咲き新しいことが始まるし、夏は暑いけれど人々は活気に満ち溢れ、秋は葉が色づき見る者を楽しませてくれる。しかし冬には何もいいところがない。花は咲かないし葉がなく痩せ衰えた木を見ると空しくなる。外に出てもただ寒く、部屋で雪が降るのを見ているだけだ。さらに人々は今年中にやり終えなくてはいけないことで忙しくなる。何の楽しみもない。灰色のものしか目に入らない。冬なんて必要ないと涼は思った。
しかも涼が住んでいるのは北海道だ。冬になると大雪が降る雪国だ。毎年嫌というほどの雪が降り、そのせいで人々は苦労な目にあっている。足をすべらせたりしたら命を落とす危険だってある。
「もう北海道から出たいんだけど」
両親に言ってみたが、首を横に振られた。
「お父さんの会社が北海道だし、新しく住むためのお金なんてないの」
母の洋子は申し訳なさそうに言った。
「でも、俺が雪嫌いなの知ってるだろ」
「わがまま言わないで。北海道から離れることなんかできないの。お願いだから我慢して」
涼はため息を吐いた。言われなくてもわかっている。ずっと、この白く覆われた世界で生き続けなくてはいけないのは子供の頭でもわかる。何度言っても同じ答えしか返ってこないだろうと思い、もう何も言わないことにした。
外に出たくても出られない。部屋で引きこもることしかできない。どうして冬が来るのか。何のために雪が降るのか。
「冬なんか……嫌いだ……」
窓の外に積もっていく雪を睨みながら涼は過ごした。
自分の誕生日が冬なのも嫌だった。洋子によると、その年の初雪の日に産まれたらしい。
「冬生まれなのに、冬が嫌いなんてね」
不思議な顔で洋子に言われ、涼はむっとした。
「冬に生まれたから冬が好きになるなんてないだろ」
そう言うと洋子は聞いてきた。
「涼は雪が綺麗だなあって思ったことはないの?」
涼はうんざりして横を向いた。
「ないよ。なんであんなのが綺麗なんだよ。もう雪なんか降らないでほしいよ」
雪が綺麗なんてどうして思うのか。足元に降り積もった雪も綺麗だというのか。雪が原因でどれだけ事故が起きているのか、洋子だって知っているはずだ。
見るだけならいいが、雪かきをする身にもなってほしい。男なんだから雪かきをしろと父親の雄一に外に出され、やりたくもない作業を無理矢理させられるこの辛さを、洋子にも教えてやりたかった。洋子は女性で雪かきをしなくてもいいから大変さがわからないのだろう。きっと雪かきをすれば、洋子も涼と同じことを言うはずだ。
気が付くと窓の外が白くなっていた。
「また雪か……」
そう呟くとため息を吐いた。
冬なんか来なくていいのに。何のために雪が降るんだ。冬なんか二度と来なくていい。
うんざりしながらカーテンを閉めた。また部屋で引きこもる生活が始まるのだ。