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始まりのスポット (いとう)

初心者です。何を書けばいいか分かりません。

・・・何ニヤニヤしてやがる!何ニヤニヤしてやがる!

頭の中でなんどもなんども、まるで箱に入ったボールのようにこの言葉が反復運動を繰り返していた。いや、そんなことはどうでもいい。ん?反復運動?いやいやどうでもよくない。箱に入った小球と言えば運動量保存則?あっ物理やらないと・・・!

 ゆっくりと目を開くと同時に、強烈に光が恵司の眼球に不法侵入してきた。目の前には白くてまるくて大きなあかりとざらざらとした、ひたすらに白い壁が広がる。ここはどこだ?よく分からない言葉にできない、なぜこうした感情を持っているのか分からないとてつもない恐怖感で恵司は自分の部屋の天井を見つめていた。左肩に自分の体とは別の重力を感じる。まだ開ききらずおぼつかない目を横にやると、絶妙な角度でそれが物理の教科書であることを認識した。とりあえずふとんから抜けたいが、なかなか抜けられない。別にふとんを完全にかぶっているわけでもないのに、妙にこちらもふとんが重さを主張してくる。寒い。寒いけれど体がじわじわして、また手汗がすごい。ようやく、ふとんから抜けると何の感情も持たずに机へ向かう。頭がぎすぎすしている。単純に眠い。頭のうしろのほうの耳よりの脳が、寝たいと信号を送ってくる。それを強引に無視して、時計をみやると、針はPM11時25分をさしている。

 どうやら、電気をつけたまま、寝落ちしたらしい。さきほどの寒さはこの二枚のTシャツと半ズボンのせいでもあるらしい。いすにこしかけてからいったい針が何周したことだろうか。何か別に考えるわけでもなく、ただ妙な恐怖は抱えつつ、換気扇の音だけを意識して聞きながら、ボーッとしていた。「ヴォォォオオー」オートバイの声も聞こえてきた。この時間にはよく聞こえることだ。とりあえず現実の意識がはっきりしてきたのでまくらのうらのスマホを手探る。毎回決まりきった動作で画面をスライドしてゆき、LINEの画面を開く。LINEの画面が開くまでのあの黄緑の画面を見ている時間でさえも妙に今日は、何倍にももどかしい。やはり通知は来ていない。一番上のトーク履歴には真由との会話の最後が残っている。何かひっかかることがあったが、気にせず、スマホを元の場所に戻す。

 物理の教科書は97ページを開いていた。立方体の箱の中で小球が反射する様子がミクロな視点の図としてあった。小球が反復している。まるで言葉が反復しているようだ。ん?突然その灰色と紅色の中間のような色をした、小球の裏にあの言葉が浮かびあがってきた。何ニヤニヤしてやがる。と同時に、先ほどまで見ていた夢が夢であったと認識し、またたくまに強烈にはっきりと、具体的に情景がどんどんドンドン体全体にうつようにぶつかってきた。心臓はドキドキを通り越して冷静さを保っている。こんなにハッキリと、具体的な夢を見たのははじめてだ。1つの物語としてできあがっている。センター試験国語の小説としてだされても充分なサイズだろう。よくよく考えるとPM11時までは起きていた気がする。この短時間でなにがあったんだ。一体何があったんだ。誰か俺に教えてくれ。あまりにも内容が濃すぎる。真由という実在する人物が、夢に出てくるのも珍しい。公園の描写も鮮明であったが野川森林公園の実際とはどことなく少し違った。もやっとしていてはっきりとは分からない。公園の描写はやはりあいまいで違うものであった。

 いやそんなことはどうでもいい。それよりあの少年達はなんだ。駿太と恭介と亮輔と勝己のそれぞれがそれぞれのテリトリーを持ち、他を引きつけず、確立されている。しかし顔ははっきりと分からなかった。だが彼らは、自分達の影を存在を、しっかりとこちらにアピールしてきていた。あと二人の存在感はそれ以上に大きかった。あと二人はモグ・・・。ここでペンがとまった。ノートを閉じた。今まで夢の情景をノートに書いていたのだ。いわゆる夢日記だ。見た夢をノートに書くのが恵司のくせになってしまっていた。こんなにすらすらとページが文字でうまっていくのははじめてだ。まさかこの夜の25分間の夢が一番長いと誰が予想できたろう。いつも夢日記を書くとしても朝が多かった。怖さを通りこして冷静になりすぎている自分がまた怖かった。夢は時として現実になる。俺はそれと考えた瞬間筆をとめた。ただそれだけの話だ。と言っても夢が現実になったのは1度だけ。NHK次期朝ドラの撮影地が石川県あたりになるというもの。実際「まれ」のロケ地が北陸あたりなったのは驚いたが、今は横浜に移ったので安心している。

・・・いや安心じゃない。今回の夢の舞台が横浜だ。・・・というか俺の住んでる町じゃないか!恵司の家と真由の家の間にちょうどその野川森林公園はある。今日はもう寝よう。嫌な予感しかしない。てつやすると決めた日はいつも電気をつけたまま寝るようにしていたのに。そうすることで目を覚ましてくれるから。大人になって久しぶりに物理の勉強をしようと思って読み始めた物理の教科書を98ページ目を読まずして閉じた。手のひらの汗は途絶えることを知らない。電気を消してふとんに入る。恵司は暗闇の中でその時初めて、自分が今までずっとニヤニヤしていたことに気づいた。

 そして朝、今回は夢を見なかった恵司は玄関のドアの前に立ち重い足と相談しながらドアを開けるか開けないかで格闘していた。ふと右の鏡に視線をやるとそこにはまたニヤニヤしている自分がいた。

初心者です。だいぶぶっとびました。1話の先輩の伏線をしっかり拾ってないので後の方フォローお願いします。(いとう)

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