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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
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92 アクオンの事

かなり難産でした。

途中で切りづらい話だったので、普段より長めになってます。

今回も親父殿と爺さんのターン


「少し話し疲れたのう」


そういうと、爺さんは使用人が退室前に用意していった、少し冷めかけたお茶で喉を潤し始めた。


「最後にもう一件、王都へ来る間の船旅中にロックが竜の加護を得ました」


あ、爺さんがお茶に口を付けた瞬間に話をしたもんだから、カップごと“ぶばーーーーーーっ!”ってなってる。

これが噂のメダマドコー状態か。


「転生者であるや希少な属性であることよりそっちの方が問題じゃろうが!?」

「ですので人払いをお願いしました」

「どのクラスのドラゴンじゃ!」

「人語を理解していたので最低でもエンシェントクラスです」


よく勢いよく人が立ち上がってガタッってなるけど、目の前で見るのは初めてだなぁ。


「それを知っている者は!」

「本船に乗船していた水主達のみで、既に口止め済みです」

「どうやって加護を得たのじゃ!…いや初めから経緯を説明するのじゃ!」


会ってからまだ2回目だけど、いつもニコニコしてるイメージの爺さんが大声で親父殿を怒鳴ってるところを見るとは思わなかった。

それほどヤヴァイ話なのか?


(くだん)の竜、名をアクオンと名乗りました。ロックが個人的に行った魔石の実験の1つを有事と思い、発生源を探していたようです。遡上中にサジックスの音に反応して寄ってきた際に加護を得たものです。また、どういう理由かはわかりませんが、ロックは竜の言葉ば理解できます」

「アクオン……じゃと?……王家の言い伝えにある始祖竜ではないか……」


爺さんはそう言うと、今まで激昂していたのがウソのように、足からいきなり力が抜けたかのように椅子に沈み込むと同時に頭を抱え込んでしまった。


「始祖竜……ですか?」

「各属性の竜の最初の数頭であり、最も古く強い者の事じゃ。その発生は人の歴史より遥か過去にさかのぼると言う。過去にその竜に名を付けた者と王家の者が知遇を得ているのじゃ。命の川があれほどの規模の河川にも関わらす氾濫を起こさないのは、名を付けた者と竜との約束によると言い伝えられておるのじゃ」

「まるで神の様な力ですな」

「それに準ずる力を持っているんじゃろうよ」


アクオンの奴、そんな事言ってなかったけどなぁ。

でも、水の属性神とあった事が有りそうな話しぶりだったし、そのくらい長い間生きてるってことか。

前に竜の言葉がわかる奴と出会ってから俺に会うまで一人も竜の言葉がわかる者がいなかったってことは、竜の言葉がわかる方が転生者よりレアなのかもしれんな。

プチートラッキーくらいに思ってたけど、どっちかって言うとチートラブルだな。

いくら能力がレアで有用性が高くてもトラブルとセットじゃ割に会わん。


「その竜、何故にロックに加護を与えたのじゃ?」

「その竜によりますと、ロックは属性神の加護が全くないそうなのです」

「属性神?」

「王も知りませぬか。私も寡聞にして聞き及びませんでしたが、その竜は全ての生物は各属性神の加護を得ている中、加護の無い者が生きていくのは厳しいと言うようなことを言ってロックに加護を与えました。属性神の加護ほどではないが無いよりは良いとのこと」

「……加護の与える恩恵より支障の方が大きいやもしれん……竜も加護を授けるにしても、せめて自分の身を守れる程度に成長してからにすれば良いものをっ!」

「ですが、その加護によって既に1度命を拾っております」

「恩恵が有っては文句も言えんと言う訳じゃ!くそっ!儂の初孫に何してくれるか!?」


爺さんマジギレいてんなぁ。

何かあれだよな、周りに激昂してる人が居ると妙に精神が冷静になったりするよな。

さっきから自分の事なのに、妙に心が冷静になって他人事みたいになってる。


「帰郷前に今一度、王城によるのじゃ。今後の事を考えねばならん。話はそれで終わりか?」

「いえ、竜との対話の際にロックと友誼を結びました」

「そうじゃな。名を付けたという人物も友誼を得たと伝えられておるので不思議はないのう」


アクオンも友達って言ってたもんな。


「友誼の証として、身を守るための武器として加工する素材にするようにと竜の牙を1本受け取っております」

「始祖竜の牙じゃと?その情報が流出した場合、それを得るためだけでも国が軍事行動に出そうな代物じゃな」


やっぱ竜の素材は手に入れるのも大変だしレア度が高いのか。

アクオン本人は大したものじゃないって言ってたけど、竜と人間じゃ価値観が違うんだろうな。


「竜の加護を得たロックの血液を付することにより、任意に牙を呼び出すことが可能との説明があり、既にそのように処置しております」

「盗難防止機能付とは恐れ入る。それを狙ってきた者がおったらさっさと渡してしまって呼び戻せばよいと言うことじゃな。良い判断じゃ」

「ロックより預かった際、私のインベントリ内に保管していたのですが、それでも呼び出しが可能だったので、呼び出しの機能を封じることはほぼ不可能でしょう」


あ、親父殿が預かっておいてくれてたけど、インベントリに入れてたのか。

そりゃ、この国で親父殿のインベントリ以上に安全な場所なんて、王城の宝物庫くらいしかなさそうなイメージだもんな。

親父殿のインベントリから呼び出したって話の所で爺さんの眉毛が跳ね上がってたけど。

この世界の人はびっくりすると眉毛を跳ね上げるのがスタンダードなんだろうか?


「何の武器に加工するかはきまっておるのか?」

「いえ。もう少しロックの体が成長して、何に適性が有るか判断してからで良いと考えております」

「まぁそうじゃの。小型のナイフでも括り付けておけば、いざと言う時に手元に武器が無いと言う事態だけは避けられるのではないか?」

「そうですね。館に戻り次第そのようにしておきます」


まだ俺の手が小さすぎて、小型のナイフですら両手じゃないと持てなかったんだけどね。

括り付けただけで一緒に手元に呼び出せるのか?

あ、そっか。

武器とかに加工したら柄とか鞘とか装飾品が全く無いってことは有りえないから、多分大丈夫なんだろうな。

あれ?竜の牙の呼び出し機能とトレジャーボックスを組み合わせれば、俺って魔道具をインベントリにしまってる状態を再現できるんじゃねぇの?

遂にキターーーーーーーーッ!

組み合わせで、アイテム運搬チートが可能かもしれないじゃん!


水主(かこ)に口止めしたは良い判断じゃった。……が人の口に戸は立てられぬからのう。そのうち問題が発生するのは目に見えておるのう」

「私も家族の事です。全力を持って守っていく所存です」


……俺の事で重い話してる横で一人でテンション上げてすいません。

主人公の能力はプチートと言うよりチートラブルだったようです。

今後はトラブルホイホイとしてどれだけほのぼの生きていけるかがロックの人生における勝負の分かれ目。

因みに、竜の牙に括り付けた状態でトレジャーボックスに入れて、そのままの状態で呼び出すのことは出来ます。

ちょっと夢が広がりますね。

なお、竜の加護の問題点については後々ストーリに絡ませるつもりなので、現状では詳しく説明しません。


次は9月10日(水)10:00に投稿予定です。

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