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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
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86 唄を忘れた蛙さん

会話相手がシェイナちゃん(3)ですが、ひらがなだらけであまりにも読みづらかったため、居間に居る間だけ通常の文章に変更しました。

申し訳ありませんが、シェイナちゃんの会話については読者様の脳内変換によりひらがなオンリーだと思って読んでください。


8/16 誤字等の修文をしました。

※ ここからはシェイナちゃんの会話が普通の文章になってますのでご注意ください。


「シェイナちゃんよく来てくれたね。父上が居間で遊んでなさいって言ってたから、一緒に行こう」

「うん!」


そういうと、俺はシェイナちゃんの手を取って居間に向かって歩き出した。

話は外れるが、今日のシェイナちゃんの服装は薄い緑色のひざ下くらいの丈のワンピースで、レースで色々と飾ってあって、スカート部分がフワフワと広がってる感じだ。

……俺には女の子の服装を細かく説明する能力は無いことが今判明した。

が、シェイナちゃんのシルバーブロンドが木漏れ日の光の様で、彼女のために生地からあつらえられたかのようだ。

大量生産の既製品衣料なんて無いし、おそらく本当に彼女のため()()にあつらえらているのだろう。

そもそも、この世界の子供用の服はそれなりの爵位の有る家ですら、親が着なくなった服から生地を取って、女中が仕立て直したりするのが一般的だ。

それを考えると驚愕すべき事実なのだが、さすが希少属性を持った侯爵家とも言える。

ライト家?親父殿の服に使われる布の量は通常より遥かに多いから、古着から生地をとっても成人男性の服が仕立てられますが何か?


「あのね、私ね、ロック君にお話ししたいことが有ったの」

「どうしたの?」

「前にね、みんなの前でお歌を歌ったのがとっても楽しかったの。お父様にお話したら、楽しい気持ちにしてくれた人にはちゃんとお礼を言わないとねって言ったの。だから、ロック君お礼を言おうと思ってたの。ロック君ありがとう」


ぐはぁ~!これはロのつく属性人じゃなくてもハートにキュンキュン来るわ~。

これで俺にロのつく属性があったら、このまま誘拐・監禁して自分好みに育てると言う犯罪を犯さずにはいられないに違いない。

俺は断じてロのつく属性ではないため、犯罪を犯す必要は無い。

よかったよかった。


「どういたしまして。どんなところが楽しかったの?」

「みんなでお歌を歌ったときに、蛙さんがクロックロッて歌うところを考えてたら、とても可愛いと思ったの、シェイナ、今までお歌を歌ったことが無かったからそれも楽しかった!」


シェイナちゃんが喜んでくれました!

緊張感にめげずに頑張ったかいがありましたよ親父殿!


「そっか~。本当に楽しかったんだね。僕もシェイナちゃんとお友達になれてうれしかったから僕もお礼を言わないとね。シェイナちゃん、僕とお友達になってくれてありがとう」

「うん、私もありがとう!でも、このままじゃありがとうが終わらないね」

「ははは。そうだね」


そんなありがとう合戦をしてる間に居間に着き、扉の前にはフーが控えててくれて戸を開けてくれた。


「居間に着いたからシェイナちゃんも中に入って」

「うん」

「さぁ、そこの椅子に座って。……はい。これがさっき話してたプレゼント」

「うわぁ~。中を見ていい?」

「もちろんだよ。フー、リボンを解いてあげてくれる?」

「はい、ロック様」

「……蛙の歌の蛙さんね!?ロック君ありがとう!」

「その蛙に、魔力を込めてみて?」

「魔力を込める?どうすればいいの?」


あ~、3歳児に魔力の操作はまだ早いか。

ルーナだと魔力量が多すぎて溢れちゃってるから、勝手に反応して音が鳴るんだけどね。

チートレベルの魔力を持ってるルーナと比べること自体が間違ってるか。


「母上、どうすればいいですかね?」


ずっと微笑ましく俺たちを見てたお袋に丸投げしてみよう。


「う~ん、ロックが教えてあげたら~?」

「でも、前に魔石に魔力を込める話をしたときに、属性が違うと魔力に対する感覚も大分違うように感じましたが」

「そ~ね~。シェイナちゃん、お部屋に光の魔石はついてる~?」

「ついてるわ」

「じゃぁ、自分で光をつけられる?」

「うん!この前教えてもらったの」

「なら、この蛙さんに光を付けるときと同じように触ってみて~」

「光を付けるとき、光を付けるとき……」


“キュロロロ キュロロロ キュロロロ”


「蛙さんが鳴いた!?」

「上手ね~。そのヌイグルミはそうやって蛙さんが鳴くものなのよ~」


“キュロロロ キュロロロ キュロロロ”

“キュロロロ キュロロロ キュロロロ”

“キュロロロ キュロロロ キュロロロ”


あれ?シェイナちゃんの顔に疑問符が浮いてる?


「シェイナちゃん、どうしたの?なんか変なところでもあった?」

「この蛙さんはお歌を歌わないの?」

「え?」

「ロック君の楽器は蛙の歌を歌うけど、この蛙さんは蛙の歌を歌わないの……」


確かにただ泣くだけより蛙が蛙の歌を歌った方が楽しいかもしれん。

いや、むしろお披露目で俺たちが歌った音声をそのまま記録した魔石を埋め込んだら、お披露目の思い出の品として、非常に優れているんじゃなかろうか?

むしろ、自分用にも作って、5人で一つずつ持ってたらなんだか繋がりが有る感じがあって、心がホッコリするな。


「母上、ヌイグルミにお披露目での僕たちの歌が記録された魔石を埋め込みなおして、僕たち5人の為だけのヌイグルミを作りたいです。家畜のクズ魔石より質の良い魔石がまだありましたよね?縫った場所を開いて、魔石を入れなおして開いた部分を繕いなおすのに、どのくらいの時間がかかりますか?」

「あなたたちの歌を歌う蛙になるの~?素敵な案ね~。時間はそんなにかからないわ~。お昼の食事前には出来ると思うわよ~」

「そうですか。フー、悪いんだけど余ってた魔石を5つほど持ってきてくれないかな?持ってきた後に父上に話をしておいてほしいんだけど」

「畏まりました」

「シェイナちゃん、蛙さんはチョットお歌を忘れちゃっただけなんだ。僕がもう一回お歌を教えて思い出してもらうから、チョットの間だけ蛙さんを貸してもらっていいかな?」

「忘れちゃったの?お歌を忘れたままじゃ蛙さんがかわいそう。早く思い出させてあげてね」

「うん。もちろんだよ」


何で王都に来てから作業をするときは突貫作業なんだろうね?

ちなみに、この世界では布がそれなりに高価なため、一般市民や爵位の低い貴族であれば古着もメジャーですし、古着屋さんも普通に街中にあります。

貴族に仕えてるような人たちは、主家が着なくなった服を下賜されたりもするので、袖丈を自分で直していざと言う時のためにとっておいたりもします。

貴族は普段の生活に於いても布が傷むような生活をしているわけではないため、下賜される段階になってもサイズさえ合えばそのまま使えるような状態です。

宮仕えは色々と特典があっておいしいってことですね。


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