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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
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83 異世界でもマシンガン

「君、ライト家の子だって?」


今日は歌は終わり宣言をした後、子ども達がもっと歌いたい等の文句を言いつつも親に手を引かれて俺の周りから離れ、そのまま帰路に着く子や親がまだ他の貴族との話が終わってない子等を眺めてたら、楽師さん達のリーダー的存在と思われるオジサンが話しかけてきた。


「はい。ロックと言います」

「……君って転生者なのかい?」


俺はその場で膝から崩れ落ちた。

正にネットスラングの【orz】状態だ。

何故ばれるのか。

俺の隠し方が間違っているのか、この世界の人間が鋭すぎるのか。

転生物のテンプレだと、上手く隠し通した上で自分にとって大事な人にだけ打ち明けたりして、可愛い女の子と秘密を共有して仲良くなっちゃったりするものではないのか。


「もしかして隠してたのかい?それなりに上手く隠せてたとは思うけど、転生者について言い伝えられてたりする家の出だと結構簡単に解るものなんだよ。王家に特殊技能を持ってかかわりのある家の者には大体ばれるんじゃないかな?」

「そうなんですか?」

「うん。たぶん、料理長のカヤヨ男爵とかにもばれたんじゃない?」

「はい」

「あそこは初代王様が研究させた料理を伝えてる家だから色々知ってると思うよ?かく言う僕の家も初代王様に気に入ってもらって以来の楽師の家系なんだ。今日、演奏してたのはみんな家の血筋の中でも腕が良い者たちなんだよ」

「今後、僕が転生者だとどのくらいの人たちに指摘されるんでしょうか?」

「そんなに多くは無いんじゃないかな?そういった話が伝わってる家って、だいたいは初代王様が王国を作る前から付き合いがある人達の中で爵位を授与された家なんだ」


ほう?


「王様になってからは転生者ってことをおおっぴらにはしてなかったから、王様になった後に貴族になった家とかは王家の初代が転生者って知らないし、転生者って伝承とか歴史書に書いてある以外に接点が無いのが普通だから、基本的にはばれないと思うよ?」

「わかりました。父上には隠しておけって言われてるんですが、その方がいいんですかね?」

「……そうだね。転生者って言うと属性の真祖だったり、文化を発展させたり、何らかの功績を世界に残してる人が多いからね。野心ある人物にばれると利用するために無茶なことをする可能性はあるから、父上の判断は正しいと思うよ。僕も一応は周りに人が居ないのを確認してから話しかけるくらいの気は使ったんだよ?」

「わかりました。ところで楽師様、お名前を伺っても?」

「あぁ!これは失礼した。転生者について色々言い伝えられてるとはいえ、本物の転生者と思しき人物を前に興奮してしまったんだ。私は代々王城の楽師を務めるイーマス男爵家の現当主であるアガンと申します。君はライト家の…」

「ロックです。よろしくお願いします。」

「ところで、さっきの楽器なんだけどね、一台はピンクフロッグの声だってわかるんだけど、もう一つの金属音みたいなのは何の音なんだい?」

「あ、あれは鍛冶屋で金床をたたく音です」

「なるほど!ピンクフロッグの可愛らしい声で音楽が奏でられるのも素晴らしいが、あの金属音は素晴らしいね。打楽器と言うと太鼓か拍子木が主なんだけど、あの金属音はそれらとは全く違う音にも関わらず打楽器として素晴らしく音楽的だ。それに同じ音の打楽器で音程を作ると言う発想が今までなかった。君は今日、王国の音楽文化を一足飛びで発展させたんだよ!できれば他の太鼓や拍子木でもいろんな音を作ってみたいから、王都に居る間に一度、ライト家を訪れてもいいかな?」


アガンさん話が長いな~。

息継ぎもせずにこれだけの長台詞を一気にまくしたてられたらNOと言えるジャパニーズは居ないんじゃなかろうか?

でも、王都の屋敷に誰が来るかなんて俺が決められないしな。


「父上に聞いてみませんと…それにカヤユ男爵が王様を通じて僕を呼び出すと言っていましたから、日程が合うかどうか…」

「何!?料理バカのザルめ!こんな素晴らしい人物を自分の都合で呼び出すなんて怪しからん!後で文句を言っておかなければ!」

「仲が悪いんですか?」

「いや、あいつとは幼少のころからの付き合いだよ。じゃなかったら暴言をこんな場所で言えないよ」

「あ、なるほど。王都に居る間の僕の事については良く解らないので、父上を通していただければと思うのですが」

「もちろんそうしよう。いやー今日は本当に素晴らしい日だ。心が浮き立って今にも歌いだしたくなる気分だ。しかし、君の演奏した曲も短いながら子どもでも歌える等、非常に素晴らしい物だったよ。あれは前の世界の知識によるものかい?君は前の世界で楽師をしていたのかね?もししてたなら是非私に異世界の曲を色々と教えてくれまいか!?」

「星の歌は前の世界では世界的に有名な作曲家が作詞したもので、いろんな国の人が知ってる曲だと思います。ただ、前の世界では僕は楽師をしていたわけではないので、それほど知識が有るわけではないのですが…」

「もちろん知ってる範囲で構わないさ!あぁ!新たなる音楽の門が今まさに僕の前で開かれている!今夜は興奮して眠れないに違いない!だが今は晩餐会と言う公式の場だ。私は曲を奏でると言う職務を遂行するためにここに居るのだから、いつまでも君と話をしていることもできない。明日にでも家令を通じてライト家を訪れる伺いを立てさせてもらおう」

「わかりました。あと、僕が転生者だって広めないでくださいね?」

「もちろんさ、では失礼させていただくよ」


そういうとアガンさんは颯爽と他の楽師さん達の所へ戻って、また曲を奏でだした。

アップテンポの楽しそうな曲で、いかにも今のアガンさんの心の中を表しているような曲だ。

でも、アガンさん、次に会った時も今みたいにマシンガントークで来られると、ちょっと疲れるな。


作者はコミュ障とまでは言いませんがあまり会話が得意な方ではないです。

会話をしていると、人の話に自分の意見を言うタイミングを逸して別の話に流れて行ってしまいモヤっとすることがあります。

逆に、マシンガントークをする人は、会話中にモヤっとすることってないんですかね?


次回の更新は8月4日(月)10:00を予定しています。

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