75 お披露目大賞受賞者の発表です!!
7/12 誤字等の修文をいたしました。
修繕は思いのほかスムーズに終了し、昼食もちょっと冷めてたけど普通に食べられた。
リセムの太守の館の料理人がこの国で王城のついで腕が良いって聞いてたけど、正に納得の行く味だった。
中でも、鶏肉と旬の野菜をゼリーみたいなので固めた料理が最高に俺好みで旨かった。
この世界にゼラチンが有るなら、領地に帰ったら家の料理人にゼリーとか作ってもらいたいな。
貿易港の町なんだから、天草の類とか手に入ったらゼリーじゃなくて寒天とか食べたい。
今はそれなりに余裕をもって修繕が終了したため、ゆっくり食後のお茶を飲みながらインベントリ付与の儀式が開始されるのを待ってる状態だ。
「親父殿、インベントリを付与する子どもは王様が決めるんでしたよね?」
「うむ。基本的には王が決定するが、あの壇上にいた方たちは、宰相も含めて王に意見を申し立てることが出来る。それゆえに王女達の歓心を買うためにヌイグルミを献上品に入れたのだ。何もなくともお前は付与されると考えているが、何事も絶対はないからな」
石橋をたたいたって事かな?結構慎重派なのかも。
まぁ、親父殿が本物の石橋を殴りに行ったら一撃で落ちると思うけど。
「親父殿はインベントリを持ってるって言ってましたけど、どんな儀式か知ってるんですよね?」
「うむ。一生に一回、受けられるかどうかの儀式だ。楽しみにしておけ」
「そうですね。母上のインベントリはどのくらいの容量ですか?」
「私のはね~、冒険者の人が背負ってる鞄くらいよ~。旦那様みたいに魔力の大きい人はめったに居ないの~。ルーナは例外よ~」
そっか。
出来れば俺もお袋程度には容量があると良いな。
「皆様方。インベントリ付与の儀式を開始いたしますので、謁見の間へ移動してください」
休憩時間が終了したらしい。
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謁見の間に到着すると、最初に来たとき同様に男爵家以下の人たちは既に配置についていた。
どうやら、休憩と称しつつも順番に入場させていたようだ。
ライト家を含めた伯爵家3家が謁見の間の配置に着いた後、シェード家が所定の場所に着いてしばらく待つと、また、王座の近くの扉から王様を含めたみなさんがぞろぞろ出てきて席についた。
「これよりインベントリ付与の儀式を始める。最初に王がインベントリを下賜する者の名を呼ぶので、呼ばれた者は王の御前に進み出よ」
ついに始まるのか。
モローさんの目論見通り、最初に歌った4人にインベントリが付与されると良いな。
ムルスイも豚親父はあんなだけどテサードは素直ないい子だし、どうせなら親の都合は置いておいて俺たちは仲良くしていければと思うし。
「皆の者、本日の披露目、まことに大義であった。例年にも増して素晴らしい子ども達を紹介され余もうれしく思う。だが、インベントリを授ける者には限りがあるため、心苦しく思うが選別はせねばならぬ。披露目で授ける人数は8名と決まっているが、今回呼ばれずとも忠義ある者に報いる機会は多々あるよって、変わらずこの国の平和と発展のために尽くしてもらいたい」
あ、インベントリもらえるのってこのお披露目だけじゃないんだ。
そりゃ、手柄を立ててインベントリがもらえるなら名誉なことなのかもしれんし、みんな頑張るよな。
「では今年の披露目でのインベントリ付与者の名を呼ぶ」
そう言うと、お付の人が横から巻物を広げて手渡した。
「シェード侯爵家、シェイナ」
侯爵家までは確定事項だから、そこまでは既定路線だ。
「ムルスイ伯爵家、テサード」
テサードが入ったってことは、モローさんの目論見は当たったんじゃないのか!?
横を見ると、ムルスイの豚親父がフゴフゴ言いながら喜んでる。
「ライト伯爵家、ロック」
キターーーーーーーーーーーーッ!
どうにかこうにか、ロックへのインベントリ付与が決定するところまで来ました。
作者はオフランセ料理的な高級なものは結婚式に出席したときぐらいしか食べたことないですが、その時の料理は確かにおいしかったです。
ただ作者は、路地裏で営業してて、何十年も前から貼ってあるメニューが日に焼けて、壁が煤けたような飲み屋の料理の方が好みです。
経験が非常に少ないため高級料理的な表現はとてもへたくそなのでご了承ください。
次回の更新は7月7日(月)10:00を予定しています。




