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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
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73 お披露目を進めねば

「はい、みんな~。ちょっと歌い足りないかもしれないけど、今は一回終わりだから、お父様、お母様の元にもどって~」


お袋の指示のもと子ども達が未練たらたらで親の元に戻っていく。

伯爵家の子ども以外が席に戻ってる中、親父殿が俺に耳打ちしてきた。


「ロック。魔石に音を込めて、楽器の音が鳴る状態まで修復するのにどのくらいの時間がかかる?」


うーん、ざっくり2時間程度は必要かな~?


「一度やった工程なので、作業自体は難しくは有りませんが、一応は魔石を外して、音の確認をしながらの方が良いと思います。およそですが今から初めてお昼過ぎには完成出来るかと」

「うむ。今夜はお披露目出席者による晩餐会がセットされている。それまでにどうにかしてくれ」

「どのくらい時間が取れますかね?」

「お披露目は昼食前に終わる予定だ。待機室にて昼食と休憩をし、再度謁見の間に戻ってきてインベントリ付与の儀式が行われて解散。屋敷に戻った後、披露宴用の衣装に着替えて再度王城へ戻ってきて晩餐会だ。空き時間は昼食中と屋敷の往復、着替えを出来るだけ短縮すればその分は作業にあてられるが、正直あまり時間はない」


ほぼ修繕のために時間が取れないってことっすか!?

またしてもハードスケジュールですなっ!?


「とりあえず、昼食と休憩の時間はギリギリまで頑張りますが、最悪、さっきの音と多少ずれてても良いですか?」

「うむ。お前の作った音階はこの世界のものとは違うから、多少ずれていてもお前以外気が付くまい」


あ、そりゃそうか。

この世界にももともとの音楽が有るんだし、独自の音階は存在するよな。

下手すると俺がやってることって文化ハザード的な何かにならんか?


「うむ。ロック、気にするな。結局、より良い方が残っていくものだ」

「そんなもんですかね?」

「うむ。そんなものだ」

「そうですか。そういう事なら、多少音程が先ほどと違っても良いようですし、サジックスの魔石は木管から外さない状態で音を込めて、お昼中に終わらせちゃいましょう」

「うむ。ではそれで頼む。晩餐会は子どもが暇になりがちだ。サジックスを持って会場に行き、歌う機会を設ければ子ども達も楽しかろう。大人たちも目新しい音楽と余興で楽しめるであろうしな」

「了解しました」


親父殿とコソコソ話をしてる間に子ども達が席に戻るのが完了したようだ。


「ライトよ!披露目、大義であった。献上された品に歌、どれも素晴らしいものであった!誉めて取らす!」

「はっ!」


おー。

お褒めの言葉ってやつですか。


「ムルスイ、コーナも共に大義であった。さがってよい」

「「「はっ!」」」


やっと俺のお披露目終わったよ~。

戻るときも来た時と同じライト家、コーナ家、ムルスイ家の順番で粛々と戻っていく。

戻っていく方向に、待機してる人たちがいるわけだが、子どもは一様に楽しそうな視線をこちらに向けてくるのに対し、大人はいろんな感情が入り混じった視線を投げかけてくる。

現状でこのお披露目の注目をライト家がほぼ独占しており、この後によっぽどの献上品を出してもそれが変わらない状態で、子供の将来を思う大人としては、【目出度い】【楽しい】だけではいられないのだろう。

何にせよ、お披露目前より遥かに俺の注目度が高くなって、この場に居る人たちの視線がいろんな意味で痛い。

席に戻って正面を向いてみれば、壇上に居る人以外がこれからお披露目をする家族じゃなくライト家、特に俺を見てるように感じる。


「それでは、これより各男爵家のお披露目を始めます。1組目、前へ」


男爵家からは家数が多くなるって聞いてたけど、事前に組み分けしてそれで呼ばれるのか。

なんか、伯爵家まではちゃんと家名を呼んでもらえてたのに、これが格差社会か。

あ、モックロー家とラングラックが1組目に入ってるな。

あいつは隔世遺伝?で【樹】属性だし、イケメン要素たっぷりだから、本来ならかなり注目の的だったんだろうな。


ゴメン。


そうです。

ロックのお披露目は終わりましたが、お披露目の式全体は始まったばかりなのです。

ロックの直後にお披露目する人たちがかわいそうな感じですね。


次回の更新は7月3日(木)10:00を予定しています。

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