66 ジャパニーズ侘び寂びの真逆
先週分の感想を見るととても批判の多い週でした。
先週投降した分について、読まれている方にとってかなりテンポが悪かったようです。
今後の展開の参考にできればと思います。
この部屋にいるのはシェード家、ムルスイ家以外の家の人たちがいる。
シェイナちゃんとテサードが自分の親の元へ戻ってから、その家について聞こうと思っていたら、向こうから近づいてきた。
「ライト殿、お久しぶりです」
「コーナ殿、こちらこそ無沙汰をして申し訳ない」
あ、コーナって言うのか。
「コーナ殿すまない、頼みがある。今回は事情があってコーナ家に後に部屋を立ってほしいのだ」
「もちろん構いませんがまた何か面白い献上品でも手に入れましたかな?」
「うむ。そんなところですな」
「ライト殿より後に謁見の間へ入る日が来るとは全く思ってませんでしたよ。ですが、もちろん後に入ることは名誉ですから、喜んでお受けさせていただきましょう」
「うむ。ありがたい。フー、係員にそのように指示しておいてくれ」
「了解しました」
ライト家が伯爵家の中で一番最初に入っるのか。
「親父殿、待機部屋を出る前にもう一回しておきたいんですけど、謁見の間ではどうすればいいんですか?」
「呼ばれたら前に出て跪き、声がかかったら立ち上がる。私が紹介をした後にミアスから歌等について提案するから、それに合わせて動けばいい」
「母上から?」
「国王は私のお父様だもの~。ダメとは言わないわ~」
「では、動きがあるまでは何もしなくていいってことですね?」
「うむ。楽器などの準備の指示もこちらで行うから演奏することだけに集中しろ」
「了解しました」
話をしていると呼び出しがかかった。
「シェード侯爵家、ムルスイ伯爵家、コーナ伯爵家、ライト伯爵家、各家に於かれましては謁見の間へ移動する準備をお願いします」
あれ?ムルスイ家が一番最初に呼ばれたな。
「親父殿、嫌らしいことを聞きますが、家格としてムルスイ家はかなり高いのですか?」
「うむ?そんなことは無いが何故だ?」
「こういう場合、同じ爵位なら家格の高い順に呼ばれるものなのでは?」
「うむ、その通りだ。だがそれによりムルスイが文句を言い連ねれば時間が無駄にかかり予定通りに事が進まなくなる。暗黙の了解として家格に関わらずムルスイ家を一番最初に呼ぶのだ」
「誰しも面倒事は避けたいって言うことですかね?」
「うむ。その程度で確定している面倒事が避けられるなら安いものだ」
そうこう言ってる間に謁見の間へ移動が開始した。
「ではライト様、謁見の間へお向かいください」
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謁見の間は既に多くの人が待機しており、王の入室はまだ先なためかザワザワとしている。
風の魔法で換気をしているようだが、200、いや300を超えるだろうか?それだけの人が一つの部屋にいるため、かなり熱気がこもっていた。
謁見の間に到着して以来、あまりの豪華絢爛ぷりに口を開けたまま周りをキョロキョロしっぱなしだ。
ライト家の屋敷も豪華な造りだとは思ってたけど、一国のトップのお城は規模が違う。
入口の扉のサイズからして、成人男性の倍くらいの高さが有る。
巨人が使うのかってくらい大きな扉はむらなく真っ白に塗られており、レリーフは金で繊細な細工が作り込んである。
謁見の間に入ると体育館の様に広い空間で、真昼間なのに光の魔石を使用したシャンデリアが天井から3機下がってて、部屋全体がキラキラしてる。
光の魔石ってそれなりの光量があるから、シャンデリアを通すと光がチカチカしてちょっと眩しいくらいだ。
前の世界で中世のシャンデリアは大量に蝋燭を使ってたせいで天井とか煤とか大変だったって聞いたことが有るけど、そういう意味では光属性の魔石って熱も煙も出さないから、非常に有能な光源だな。
床は色とりどりの小さな石を綺麗に並べて円形を中心とした紋様が描かれている。
親父殿の説明では諸侯が集まるような公式行事の場合、床の紋様で各爵位の立つべき場所が決まってるそうだ。
前の世界のイベントみたいにバミリで立ち位置に印しつけたりとかはしないのね。
数年前、四ツ谷駅の近くにある迎賓館赤坂離宮が国宝に指定されたのを機に参観に行きました。
それまではテレビに映った外国の宮殿しか見たことが無かった中、日本人が作ったとはいえ西洋様式の煌びやかな宮殿を目の当たりにし非常に印象的でした。
その時、迎賓館の写真集を購入したのですが、今回の王城をイメージする参考にしてます。
ファンタジーを書く参考に一度参観してみてはいかがでしょうか?
と言うお誘いをしようと思って迎賓館のURLを確認したら今年の参観の募集は終了してました。ごめんなさい。
次回の更新は6月24日(火)10:00を予定しています。




