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Sound of Magic ~カエルが鳴くから歌いましょっ!~  作者: ブルー・タン
第2章 3歳児お披露目珍道中編
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64 いざ、出陣!

貴族ってそんなもんなのか?

着るのに1時間以上かかる服って間違ってると思う。

例えるならベースに色んなパーツを継ぎ足していって、僕の考えた最強のロボットを作るオモチャの様だ。

何故、組みあがったら服の形状になってるのか意味が解らない。

そして、ちょっとでも変な動きをしようものならどっかでボタンが外れそうな気がする。


「フー、本当にこれが晴れの場にふさわしい衣装なの?なんか道化師になったような感じだよ」

「ロック様、それは隣の大陸で最も人気のあるデザイナーが伝統衣装と最新流行のコラボレーションによって生み出された衣装です。貿易都市の領主が着用するにふさわしい衣装かと存じます」

「それって目立つってこと?」

「もちろんです」


・・・なんかそれって、その国の人が見たら吹き出しちゃうような着こなしになってないか?

前の世界で言うところの、金髪美人が花魁姿でステージに立ってデスメタルを奏でる的な。

いや、それはそれで文化か。

衣装を仕立ててる時につっこむべきだったのか?

そもそも、他の大陸の伝統衣装と最新流行のコラボって、そうじゃない普通の衣装を着てきてる人たちの中で滅茶苦茶に浮くのじゃなかろうか?

これからものスゴイ目立つことするんだから、衣装で浮くくらい今更か。


「ロック様のお着替えは終わりましたか?」


あ、ホーだ。

この場合、決して続けて言ってはいけない。

必ず句読点を入れるのだ。


「終わってるよ。ホーが来たってことは父上達も出かけられるの?」

「はい。馬車の準備も終わってますし、献上品のヌイグルミとサジックスの確認も済ませております」


サジックス積み忘れてくれればいいのに。

いやいや、さっき飯の時に子供たちのために頑張るって言ったばっかりだ。

ライト家の使用人がそんなミスを犯すわけがないし、これも今更無駄な抵抗か。


「じゃ、父上達の所に行こうか」

「お館様と奥方はエントランスでお待ちになっております」

「了解」


俺はそう言って立ち上がると扉に向かって歩き出した。

こういう時、前の世界じゃ“いざ、出陣!”とでも言うんだろうか?

扉を出て、中央の会談を下りていくと、親父殿とお袋がニコニコしながら俺を待ってた。

ま、親父殿のニコニコは家族にしかわかんないけど。


「ロック、足元がフラフラしてるけど、大丈夫?」

「どうにか歩ける程度には大丈夫ですよ。精神的には全く大丈夫じゃないですけど」

「うむ。いざとなったら演奏は私に任せればよい。」

「母上の歌はそれでもいいかもしれませんが、子どもたちの歌はそう言う訳にはいかんでしょ。せいぜい頑張りますよ」


本当に、後は頑張るしかないんだけどな。

演目もお袋の歌は親父殿がリードしてくれるし、残りの曲も蛙の歌とキラキラ星の短い曲が2曲だけだし、どうにかこうにかやりきるしかない。


「さて、親父殿」

「うむ?」

「母上」

「あら~、な~に?」

「いざ、出陣。と参りますか」

「うむ」

「あらあら、ロックってば頼もしいわね~」


セリフ通りに頼もしい精神力が欲しいなぁ。



かつてコ○ケ等でバンバン買い物をしていた頃、イベントに参加する前日は「決戦前夜」当日の朝は「いざ、出陣!」終了時に「死して屍拾うもの無し」と厨二病真っ青な精神で挑んだものです。

近年は物欲も余力も少ないため、行くときは会場まで歩いて30分くらいの場所にあるコインパーキングに車を入れ、いつも行くサークルを何か所か回ったらそのまま帰路についてしまいます。

最近は気力どころか行く暇すらなくなり、TVで「会場には10万人!」とかやってるのを見るだけでイベントが終わってしまうのです。


次回の更新は6月20日(金)10:00を予定しています。

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